愛する自由を求め続けた男の20余年にもわたる物語『大いなる自由』の本ビジュアルと場面写真が解禁された。

2021年のカンヌ国際映画祭ある視点部門で審査員賞を受賞、2022年のアカデミー賞 国際⻑編映画賞オーストリア代表作品である本作。Bunkamura初の配給作品となる本作は、戦後ドイツで男性同性愛を禁ずる「刑法175条」のもと、「愛する自由」を求め続けた男の20余年にもわたる闘いを描いた静かな衝撃作。孤独な青年たちの愛の行方を描いた名作『ゴッズ・オウン・カントリー』のフランシス・リー監督が「愛、喪失、そして羞恥を怯みなく描き切っている―この作品の虜だ」と語るように、抑制的でありながらも熱を帯びた演出で、登場人物の感情が観る者にも流れ込んでくる。

今回解禁された本ビジュアルは、自身の性的指向を理由に繰り返し投獄されるハンスと、当初は「175条違反者」である彼を嫌悪し遠ざけていた服役囚ヴィクトールのエモーショナルな抱擁シーンを配したもの。「ある出来事」に感情が抑えられなくなったハンスを、周囲の目もはばからず強く抱きしめ支えるヴィクトール。反発から始まった二人の関係性が少しずつ変化していく様子が窺える、心震える名シーンだ。“囚人の服”“収容所の壁”“常に曇っている空”を思わせるくすんだブルーグレーの背景にオレンジ色の「Great Freedom」のロゴが映えるデザインは、ティザービジュアルに続き、リヒター展やマンダース展などアートの世界で活躍するデザイナー須山悠里氏によるもの。 〈独房の小さな窓、ミシンの針、本に穿った穴————隔てられた、こちらとあちらの通路へのアナロジー 〉として、実物のポスター/チラシに小さな穴が開いている仕様をティザーに引き続き採用している。

併せて解禁された場面写真では、囚人服からナチス・ドイツのシンボルであるハーケンクロイツのワッペンを引き剥がす刑務のシーンや娯楽室のテレビでアポロの月面着陸を観るシーンなど、1945年の終戦直後から20余年にもわたり何度も投獄されたハンスの、驚くべき時間の流れが見て取れる。本作の監督セバスティアン・マイゼが「粗野で残忍に見えるかもしれないが人並みにもろくて孤独」だと語るヴィクトールが、ハンスの腕に彫られた番号から、彼がナチスの強制収容所にいたことを知り入れ墨を上書きするシーンや、独房の小窓からタバコの火をつけるシーンなど、ハンスとヴィクトールの“名付けようのない関係性”にも注目だ。また、一緒に投獄された恋人のオスカー、刑務所内で恋に落ちるレオなど、愛を諦めないハンスの“消えない炎のような魂”を感じさせるショットも公開。映画が描いた時代にドイツ東部で実際に使用されていた刑務所で撮影が行われた本作の、リアルな質感を存分に感じられる写真となっている。

『大いなる自由』は2023年7月7日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国で順次公開
監督・脚本:セバスティアン・マイゼ
出演:フランツ・ロゴフスキ、ゲオルク・フリードリヒ、トーマス・プレン、アントン・フォン・ルケ
配給:Bunkamura
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