観る者を生への希望で照らし出す珠玉のヒューマンドラマ―映画『渇水』の場面写真が解禁された。
第70回文學界新人賞受賞、第103回芥川賞候補となり注目を浴びた河林満による「渇水」を映画監督・白石和彌の初プロデュースにより刊行から30年の時を経て映画化した本作。監督は、相米慎二、市川準、阪本順治、森田芳光、宮藤官九郎ら錚々たる監督作品で助監督としてキャリアを重ねた髙橋正弥。主演は生田斗真。水道料金を滞納する家庭の水を日々停めて回る業務に就く水道局員の主人公・岩切俊作が、心の渇きにもがきながらも“生の希望”を取り戻していくという難しい役どころを体現している。
今回解禁された場面写真は、生田斗真演じる主人公・岩切が巨大な滝の前で佇む、本作の見どころのひとつとなっているシーンを切り取ったもの。水道料金の滞納者の「水を止める」という仕事をしている岩切が対面する豪爆の滝。この力強い“水”の力を目の当たりにすることで、岩切の中で何かが起きる。
「スタッフには、水が勢いよく大量に落ちてくる高さのある滝で、周りの木々に光が差し込んで、岩切の心象風景を表現できるような場所を探してほしいと難題を出しました。水とは何だろうと観る人に考えてもらう、重要なシーンでもありましたので。」と、撮影の中で、この“滝”にはこだわったという髙橋監督。『渇水』という作品ながら雨続きの撮影だったが、 “晴れ男”の白石和彌企画プロデューサーが新型コロナウイルスの療養明けで現場に顔を出すことができ、ようやく晴れ間が出たことで、作品のハイライトとなるシーンが出来上がった。心の渇いた岩切が、給水制限の夏に幼い姉妹と出会うことで、そして、この豪爆の滝を目の前にし、どう変わっていくのか?岩切が選んだ思いがけない行動とは―。
『渇水』は2023年6月2日(金)より全国で公開
監督:髙橋正弥
出演:生田斗真
門脇麦、磯村勇斗
山﨑七海、柚穂/宮藤官九郎/宮世琉弥、吉澤健、池田成志
篠原篤、柴田理恵、森下能幸、田中要次、大鶴義丹
尾野真千子
配給:KADOKAWA
©2022『渇水』製作委員会