広瀬すず主演映画『水は海に向かって流れる』のメイキングやインタビューを収めたスペシャルムービーが解禁された。

田島列島がユーモラスかつセンシティブな独特の筆致で描くのは、26歳のOL榊さんと高校生の直達を中心に、曲者揃いのシェアハウスの面々の想定外の日々を綴った、家族の元を離れて始まる、家族の物語。主人公・榊千紗を演じるのは『流浪の月』での好演の高い評価が記憶に新しい、広瀬すず。映画にドラマ、作品を重ねるごとに飛躍してきた広瀬が、クールで感情を表に出さない大人の女性を繊細に演じ、新たなステージに挑む。監督は、『そして、バトンは渡された』『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』など、心潤す数々の群像劇を世に送り出してきた前田哲。人と人との向き合う過程を優しく描き、心の揺れ動きや溢れ出る感情を丁寧に映し出す。

今回解禁された映像では、ベンチコートを羽織る2人から寒さ厳しい様子がうかがえる昨年の1月、緊張の面持ちでクランクインの挨拶をするシーンから始まる。初のOL役が決まった広瀬は「なんで私なんだろう?」「新鮮すぎて試されてるのか?」とおどけたように話すが、実年齢8歳年下の大西との共演が、今までになかった不思議な感覚で楽しみであることと、出演を決めた大きな理由のひとつだったと明かす。約400人ものオーディションで役を掴んだ大西は「こんな大役だってことが分かってなくて。原作を見たときに、やばっ!って思っちゃって…」と15歳(撮影時)らしい素直な本音を漏らす。そんな大西は広瀬の演技について「次元が違う」と話し、誰よりも近くで演技を見てきた大西にとってどの表現にも感銘を受けるほど吸収することが多かった様子。

一つの傘に2人が寄り添い帰る駅のシーンでは広瀬と大西がなにやら仲良さそうに笑い合っていたり、大量のゆで卵を二人で食べるシーンでは大西が掴み取れなかったゆで卵を一切笑わずに広瀬が肘で落ちないようにブロックしていたり、すでに映画を鑑賞した多くの人が、本作のときめきシーンのひとつとして挙げる中華料理店で腕相撲するシーンや、榊さんの豪快料理が多数登場する貴重なメイキング映像も収められている。

特に本作の豪快料理の代表と言っても過言ではない“ポトラッチ丼”のシーンでは、玉ねぎを切り豪快に掴んで鍋に入れようとする広瀬に、前田監督も「いいですね!」と言葉を漏らしてしまう。榊さんにとって料理とは現実逃避であり、感情をぶつける先でもある。広瀬が「手元だけでも感情が伝わるようなシーン」と話すように、雄弁に語る手元にも注目だ。そんな広瀬が、いざポトラッチ丼を直達に振る舞うシーンのカメラの裏側では何故か険しい表情で鼻をつまんでいる。カットの声がすると解放されたかのように「めっちゃいい匂い!やばーい!直達ぅ!」と、高級国産和牛を使って作られるポトラッチ丼を食べられる直達を羨ましがるようなユーモアたっぷりな広瀬の笑顔をみることができる。

本作の終盤、広瀬と大西の2人が美しく映し出される海辺のシーンでは、1月という真冬に寒さで凍えるような撮影の中、カメラの裏側では「しょっぱ!」と笑顔で話す広瀬など貴重なメイキング映像がおさめられている。
「(完成を)楽しみにしていただけたら嬉しいですし、そのためにがんばります」と力強く話していた広瀬が演じるOL榊さんは、本日から劇場でご覧頂くことができる。

スペシャルムービー

『水は海に向かって流れる』は2023年6月9日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開
監督:前田哲
出演:広瀬すず
大西利空、高良健吾、當真あみ/勝村政信
北村有起哉、坂井真紀、生瀬勝久
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2023映画「水は海に向かって流れる」製作委員会 ©田島列島/講談社