「遠野物語」に着想を得た唯一無二の物語『山女』の場面写真とメイキング写真が解禁された。

大飢饉に襲われた東北の寒村。先代の罪を負った家の娘・凛は、村人から蔑まれながら息をひそめて生きていた。そんなある日、凛の父・伊兵衛が村中を揺るがす事件を起こす。村人たちから糾弾される父をかばい、自ら村を去り禁じられた山に入る凛を待ち受けていたのは、伝説の存在として恐れられる“山男”だった…。柳田國男の名著「遠野物語」から着想を得たオリジナルストーリーとなる本作。

主人公・凛を演じるのは、初主演を飾った『ミスミソウ』(18)では凄惨ないじめを受け、復讐に燃える難役を演じきり、『小さな恋のうた』(19)では第41回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞受賞、その後、『樹海村』『彼女が好きなものは』『ひらいて』(21)など主演作が続く、今最もスクリーンに愛される女優・山田杏奈。本作では、過酷な運命に翻弄されながらも、逞しく生きる一人の女性を等身大で体現せしめた。

今回解禁されたのは、そんな山田杏奈の多様な表情を捉えたメイキングカット&場面スチル4点。福永監督からの演出指導を真摯に受ける様子や、一方で監督と談笑しとびきりの笑顔を見せる姿が収められたメイキングカットに加え、場面スチルでは、力強い眼差しで何かを凝視する凛や、山の中で木漏れ日に包まれ佇む凛を写した神秘的な一枚も。

山田を起用した理由について、福永監督は「佇まいです。どこか野生的で、この映画の世界観の中で地に足をつけて生きられる存在感を持っていると思いました」と説明。続けて、「もう一つは目の奥の輝きです。どんなにつらい経験をしても消えない目の輝きには、何が起きても動じないような芯の強さが感じられて、映画の観客にとっての希望にもなると思いました」と話し、山田の佇まいと眼差しに、理不尽な逆境をも運命として受け入れ、自分の生き方に目覚めていく凛を見出したことを語った。

一方、山田は自身が演じた凛について、「私が凛に感じたのは、諦めの精神みたいなものです。どん底にいるから、そもそも人間に期待をしていない。その感覚は現代の若い世代にもつながる気がします」と言及。「私も“悟り世代”と呼ばれる世代で、わりとそういうところがあるんですよ。何かを諦めているからこその強さもあると思うんです」と、凛との共通点を明かした。

『山女』は2023年6月30日(金)よりユーロスペース、シネスイッチ銀座ほか全国で順次公開
監督:福永壮志
出演:山田杏奈、森山未來、二ノ宮隆太郎、三浦透子、山中崇、川瀬陽太、赤堀雅秋、白川和子、品川徹、でんでん、永瀬正敏
配給:アニモプロデュース
©YAMAONNA FILM COMMITTEE