観る者を生への希望で照らし出す珠玉のヒューマンドラマ―映画『渇水』の本編映像が解禁された。
第70回文學界新人賞受賞、第103回芥川賞候補となり注目を浴びた河林満による「渇水」を映画監督・白石和彌の初プロデュースにより刊行から30年の時を経て映画化した本作。監督は、相米慎二、市川準、阪本順治、森田芳光、宮藤官九郎ら錚々たる監督作品で助監督としてキャリアを重ねた髙橋正弥。主演は生田斗真。水道料金を滞納する家庭の水を日々停めて回る業務に就く水道局員の主人公・岩切俊作が、心の渇きにもがきながらも“生の希望”を取り戻していくという難しい役どころを体現している。
今回解禁された本編映像は、生田斗真演じる主人公・岩切が、水道料金の滞納が続いた幼い姉妹の元を、最終通告として訪れるシーン。全財産を差し出す恵子(山﨑七海)、そしてそっとヘビイチゴを添える妹の久美子(柚穂)。その姉妹の行動に、母親の居場所を尋ねつつも、岩切は差し出されたお金を押し戻す。岩切に対し、気丈に振る舞おうとする恵子だったが「停めるんですか、水道?」と岩切に詰め寄る。そんな恵子にも、いつものように「規則だから」と言い切る岩切だったが、幼い姉妹にも突きつけなければならない“現実”に、岩切の表情から微かな迷いが読み取れる。
公開後SNSでは、生田斗真の“目”演技に対抗する、恵子を演じた山﨑七海の“目”の演技にも絶賛が集まっている。母親の帰りを信じ、幼い妹を守らなければならないという思いで、気丈に振る舞いながらも、大人への不信感を募らせていく恵子。そんな恵子が、子どもらしい表情から、現実を生き抜こうと厳しい表情に変わっていく様子が、目の演技で表現されている。オーディションで山﨑を抜擢した髙橋監督も「山﨑さんは生田さんの目力に負けない少女を今回求めていたので、難しい芝居があったと思うんですが、見事表現してもらいました」と大絶賛している。この幼い姉妹との出来事をきっかけに、最終的に岩切が選んだ思いがけない行動とは―。
本編映像
『渇水』は全国で公開中
監督:髙橋正弥
出演:生田斗真
門脇麦、磯村勇斗
山﨑七海、柚穂/宮藤官九郎/宮世琉弥、吉澤健、池田成志
篠原篤、柴田理恵、森下能幸、田中要次、大鶴義丹
尾野真千子
配給:KADOKAWA
©2022『渇水』製作委員会