ジブリパークの構想から2022年11月の第1期開園を迎えた日までの制作過程を詳細に捉えた貴重なメイキング・ドキュメンタリー『ジブリパークができるまで。[第1期]』が9月6日(水)に発売されることが決定した。
2022年11月1日に、愛知県にある「愛・地球博記念公園(モリコロパーク)」内に開園した「ジブリパーク」。その構想から、第1期開園までの制作過程を詳細にとらえたメイキング・ドキュメンタリー『ジブリパークができるまで。[第1期]』。ジブリパークの3つのエリア「ジブリの大倉庫」、「青春の丘」、「どんどこ森」の制作風景を中心に、撮影期間1,000日以上にも及ぶ壮大な記録を[第1期]として6時間を超える本編にまとめ、4枚のディスクに収録した(※2023年秋以降に開園予定の[第2期](「もののけの里」「魔女の谷」)のメイキング・ドキュメンタリーも制作予定)。
この「ジブリパーク」の制作現場の指揮を執るのは宮崎吾朗監督。映画制作にも通ずる“もの作りへの深い探求心”によって構想を具体化させ、ジブリならではの新しい公園施設が誕生しました。昭和30年代の暮らしを体感できる「サツキとメイの家」、まるで映画から飛び出したかのようなリアリティのある「地球屋」。「ジブリの大倉庫」には、子どもだけの特別な遊び場「子どもの街」、オリジナルの「ネコバス」、さらに「ロボット兵」や「にせの館長室」といった展示物がつくられました。宮崎吾朗監督の高い要求に、様々な職人たちがプロフェッショナルな技術力で応え、時間をかけて丁寧に完成させて行く姿は必見だ。
本作は、ブルーレイ(4枚組)、DVD(4枚組)で発売されるほか、DVDレンタルを同時開始、また「ジブリがいっぱいCOLLECTION」のラインナップとしては初めてデジタル配信(購入/レンタル)も開始される。
『ジブリパークができるまで。[第1期]』
発売日:2023年9月6日(水)
価格:ブルーレイ 14,080円(税込)、DVD 10,560円(税込)
枚数:各4枚組
仕様:デジパック仕様/特製アウターケース付/解説リーフレット
収録内容
【Disc1】
第1話:ジブリらしいパークをつくる~みんなが主役になれる場所~(約35分)
2022年11月、「ジブリパーク」は、愛知県長久手市にある、愛・地球博記念公園内に第1期開園しました。このジブリパークはどのようにして生まれたのか。第1話では誕生のきっかけとなった二人の人物の存在と、アニメーション映画監督の宮崎吾朗が“ジブリパークの監督“を引き受けることになった経緯が明かされる。加えて、2020年7月の起工式、第1期開園のメインエリア「ジブリの大倉庫」となる旧温水プールの解体工事現場、そして大倉庫内に設置される展示物の模型をみながら検討を行う吾朗監督とスタッフの様子が描かれる。
第2話:青春の丘~「リアル」を組み立てる~(約26分)
ジブリパークを訪れるお客様を出迎えてくれるのが「青春の丘」。ここは、映画『耳をすませば』に登場する「地球屋」と「ロータリー」を中心にして、映画『猫の恩返し』に登場する「猫の事務所」と19世紀末の空想科学的な雰囲気をもつエレベーター塔から構成されている。第2話の「地球屋」の展示物の検討会では、建築予定の実際の建物の大きさに合わせて、展示物の大きさや設置場所が検討された。そんななか、吾朗監督はある設置物の位置に違和感を覚える。
第3話:サツキとメイの家~本物の家を建てた理由~(約34分)
映画『となりのトトロ』の世界観をイメージした「どんどこ森」は、2005年に開催された愛知万博のパビリオン「サツキとメイの家」が原点。2021年4月、このエリアの運営を担うスタッフにむけて、吾朗監督が建物について解説する会が開かれた。この家は、劇中でサツキとメイの姉妹が暮らす家が、本当に人が住める家として建てられた。スタッフは実際にお風呂を沸かしてみたり、かまどでご飯を炊いてみたりと昭和30年代の暮らしを体験します。また普段は公開されていない2階にもあがり、マックロクロスケの秘密にも触れる。そして裏山では、新しい施設の工事も始まった。
Disc2
第4話:ジブリの大倉庫~秘密いっぱいの街ができるまで①~(約34分)
2021年7月、順調に工事が進む「ジブリの大倉庫」。吾朗監督は定期的に現場を訪れ確認作業を行っています。足場が組まれているため全貌は見えないが、迷路のような、複数のフロアが階段や通路でつながっている空間が出来上がりつつある。大倉庫に併設されたカフェ棟では、鉄骨と鉄骨をつなぎ合わせるために「リベット」が使われ、吾朗監督や工事関係者がリベット接合を行うイベントも実施された。展示の検討会も引き続き開かれている。子どものための遊び場、「子どもの街」はどうしたらもっと楽しくなるのか、吾朗監督やデザイナーの清水郁菜さんたちはアイデアを出し合う。
第5話:ジブリの大倉庫~秘密いっぱいの街ができるまで②~(約29分)
「ジブリの大倉庫」の「天空の庭」に設置予定のロボット兵は、実物と同じ大きさの原型の制作が始まっている。一方でネコバスルームにあるトトロの住処であるウロは、本物の木を重ね合わせて、手触りに気を付けながら仕上げの作業が行われていた。メインビジュアルにも使用されている大倉庫の中央階段は、たくさんの手作りタイルで装飾される計画。この仕事を担当するのは、タイル職人の白石普さん。吾朗監督のイメージスケッチをもとに、自らのアイデアを取り入れながら、空間を彩るタイルを制作する。
第6話:地球屋~想像の世界への挑戦①~(約28分)
「地球屋」内部の展示物の中でも“からくり時計”の制作には、スタッフがひときわ苦労することになった。吾朗監督がこだわったのは、映画と同じように生の音を奏でる時計であること。しかし、これだけの規模のからくり時計を作った経験者がいない。多くの専門家たちが集まり動力の一部をゼンマイとして仕掛けを動かす「ゼンマイチャレンジ」が始まった。さらに、珍しい木製楽器ポルタティーフオルガンの制作や、地球屋1階のバイオリン工房の監修にもそれぞれの分野の専門家たちが取り組む。
第7話:どんどこ堂~職人たちの手仕事~(約26分)
「どんどこ森」の裏山には、木や土など自然に還る素材で「どんどこ堂」というトトロの姿を模した遊具が作られる計画。構造部分を担当した大工の高橋一浩さんは、木材を組んであの形を表現するため、寸法やラインを出すのに苦労したという。胴体の外壁部分を担当する左官職人の松木憲司さんにとっても、曲面に土壁を塗り重ねることは至難の業だった。表面に何度も土を塗り重ね、最後の仕上げ塗りを行う日、土壁には大敵の氷点下の気候になってしまいました。雪の積もる早朝、松木さんの表情は強張る。果たして、どんどこ堂は無事出来上がるのか。
Disc3
第8話:ジブリの大倉庫 ~秘密いっぱいの街ができるまで③~(約38分)
「ジブリの大倉庫」の建築工事が完成に近づく頃、屋内に展示される造形物の制作も山場を迎えていた。「中央階段」の重要なピース、吐水口はタイル職人の白石さんがデザインから描き起こし焼き上げる。「ネコバスルーム」のネコバスは躯体部分が完成し、表面を覆うカーペット生地を織り、パッチワークのように貼る作業が始まった。「天空の庭」のロボット兵は来園者が触ることを想定して、ひんやりとした感触が味わえるよう、パーツの一部は金属で作られます。ジブリの魅力がいっぱい詰まった大倉庫の秘密が、少しずつ解き明かされる。
第9話:地球屋 ~想像の世界への挑戦②~(約33分)
「青春の丘」の「地球屋」は2022年初夏、無事に建築工事の竣工を迎え、いよいよ展示工事に取り掛かりました。その直前、都内の倉庫では、「地球屋」に設置する展示物の最終的な物量確認会が行われた。アンティークショップの主人である西老人の人物像を考察し、骨とう品や家具類を選ぶ。そして吾朗監督がこの建物の主役のひとつである“からくり時計”を確認する日がやってくる。ゼンマイを使った仕掛けとモーターを使った仕掛けはうまく連動するのか、音楽はきちんと奏でられるのか。メカ担当の鈴木俊幸さんらスタッフたちが息をつめて見守るなか、ゼンマイがまかれはじめた。
第10話:ジブリの大倉庫 ~魅力が詰め込まれていく~(約39分)
「ジブリの大倉庫」も建築工事が完了し、2022年7月から続々と展示物が搬入され、内部の展示工事が始まった。複数の素材の違うパーツをつなぎ合わせる「天空の庭」のロボット兵は、慎重に組み立てられ無事設置された。一方、重量のあるネコバスは、搬入作業中に重さに耐えかねた台車が壊れるというトラブルが発生。「映像展示室オリヲン座」では、理想の音環境を作り上げるため最終チェックが行われていた。第1期開園に合わせて開催の企画展示「ジブリのなりきり名場面展」では、吾朗監督が照明の最終確認を行う。
Disc4
第11話:地球屋 ~想像の世界への挑戦③~(約24分)
地球屋1階のバイオリン工房も設営作業が行われている。工房を監修するバイオリン職人の藤井大樹さんも、確認のために現場を訪れた。バイオリン製作の本場クレモナから取り寄せた工具や小物類の配置を確認しつつ、藤井さんはこの場に何かが足りないと感じたよう。そして後日、製作家仲間と地球屋を訪れ、その場で実際にバイオリン作りに取り組んだ。すると工房の空気が一変、生き生きとした雰囲気に変わる。そして2022年9月、からくり時計が設置され、吾朗監督による最終確認が行われることになった。
第12話:夢をかたちに ~完成したジブリパーク①~(約20分)
遂にジブリパークが完成した。この章では、第1期開園した3エリアのうち、「青春の丘」「どんどこ森」の2エリアを紹介。各エリアの建物やその内部の展示物の見どころを、まるで実際にジブリパークに足を運んだかのように観ることができる。また、愛・地球博記念公園内のジブリらしさを感じられる立ち寄りスポットも紹介。これからジブリパークに行く方も、既に楽しんだ方にも、新たな発見があること間違いない。
第13話:夢をかたちに ~完成したジブリパーク②~(約33分)
完成したジブリパークの3エリアのうち、この章では「ジブリの大倉庫」を紹介。外光をたっぷりと取り入れた巨大な建物の中につくられた大倉庫には、スタジオジブリ作品に関係する様々な展示物が詰め込まれている。スタッフが苦労して制作した造形物や展示品が、ずらりと詰め込まれた姿は圧巻。2022年10月、開園前の内覧会の日、吾朗監督や作り手達は来園者の反応を見るためにジブリパークを訪れていた。歓声をあげる子どもたちの姿を目の前に、作り手たちも思わず目を細める。
『ジブリパークができるまで。[第1期]』ブルーレイ&DVDは2023年9月6日(水)発売
© 2023 Studio Ghibli
訂正とお詫び
初稿掲載時にDVDの価格と、第11話の時間に誤りがございましたので修正させていただきました。