SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2023の国内コンペティション(長編部門)上映作品『ブルーを笑えるその日まで』のQ&Aが7月21日(金)にSKIPシティ 多目的ホールで行われ、武田かりん監督、渡邉心結、角心菜、丸本凛が登壇した。
“若手映像クリエイターの登竜門”として、映画界の未来を担う新たな才能の発掘を目的に2004年より毎年開催されてきたSKIPシティ国際Dシネマ映画祭。記念すべき第20回となる今回は、スクリーン上映とオンライン配信のハイブリッドで開催される。会期はスクリーン上映が7月15日(土)~23日(日)、オンライン配信が7月22日(土)~26日(水)に開催される。
『ブルーを笑えるその日まで』は、残酷な世界で生き延びるために必要なもの、それが何かを描く、ひと夏のファンタジー。学校に馴染めない中学生アンの唯一の居場所は薄暗い立入禁止の階段。ある日不思議な商店で貰った魔法の万華鏡を覗いてみると、立入禁止のはずの扉が開き、その先の屋上で同じ万華鏡を持った生徒アイナと出会う。
本映画祭において2回目の上映となる今回の上映後Q&Aには、前回に引き続き武田かりん監督、渡邉心結に加えて、角心菜、丸本凛が登壇した。夏休みの時期になったということで「あの頃、私は新学期が来るのが怖くて、独りぼっちで。そんな気持ちで今もいるかもしれない誰かにこの映画を届けたいと思って作りました。この映画祭はその夢に向けての第一歩になれば」と挨拶した武田監督。
2回目のQ&Aとなる渡邉は「Q&Aを楽しんでいただければいいなと思っています」と挨拶。初めて登壇する角は「撮影の時に、映画祭とかで会えたらうれしいねと話していたのでこういう機会ができてうれしい気持ちで胸がいっぱいです」、丸本は「たくさんの方が観てくださったことと、ここにいられることがすごく幸せです」と笑顔を見せた。
そんな本作では丸本は「(自身の役は)一番共感できるキャラクター。なかなか勇気を出せないと思うけど、正しいと思うことを信じて行動したら、いい世界につながっていくんじゃないかな」と自身の役どころについて語った。
本作のオーディションは、2年前の春に行われたというが、撮影開始まで1年間が空いたということで「10回くらい改稿している」と明かす武田監督は「(時間があったことで)役者さんの顔を思い浮かべながら書くことができたのがありがたかった。イメージして寄せられた」と明かした。その撮影までの時間には「何回も読んで。ビデオ通話をして練習をしていました」という渡邉。その渡邉について角は「撮影が終わってもちょこちょこ遊んだりしています」と劇中同様に仲の良さをうかがわせた。
その何度も改稿を重ねた脚本について「夜中に読み始めたら涙が止まらなくなって、心が持っていかれて」と振り返る丸本。角は「経験がなくて、決まった時は不安のほうが大きかったんですけど、心結ちゃんともお話して作っていきました」、渡邉は「最初に読んだのと、完成の脚本は結構違う。でも、しっくりきて撮影を楽しみにしていました。全部のセリフを今も覚えていると思うくらい何度も読みました」と笑顔を見せた。
一方で、キャストへの演出については、本作が2作目の長編作品という武田監督は「経験が少ない私より、お芝居のプロだからみなさんを信じていました」と振り返る一方で役作りのために「自分のイメージとか作っている世界を共有したかったので、書き溜めていたイメージノートからキャラクターの設定の部分を切り抜いてプリントして、みなさんにお渡しした」と明かした。
最後に武田監督は「この作品は私にとって宝物のような映画ですが、誰かの宝物のような作品になれるように引き続きがんばります」とメッセージを送った。また、本作は12月9日(土)よりアップリンク吉祥寺(東京)で公開されることが決定した。
なお、本作は7月22日(土)~26日(水)にはオンライン配信される。詳細は SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2023 公式サイトにて。
【写真・文/編集部】
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2023
[スクリーン上映]7月15日(土)~7月23日(日)にSKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ 映像ホール、多目的ホール(埼玉県川口市)ほかで開催
[オンライン配信]7月22日(土)~7月26日(水)に配信
映画祭公式サイト