悲しいけれど幸せな7日間のラブストーリー『ハピネス』が窪塚愛流・蒔田彩珠W主演で2024年に公開されることが決定した。

オリジナリティ溢れる青春小説「下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん」などで知られる嶽本野ばらの原作小説「ハピネス」(小学館文庫刊)を映画化した本作。ある日、恋人になんでもないことのように唐突に告げられ、戸惑いながらも彼女に寄り添う“僕”と、余命を宣告されつつも、自らの運命を受け入れ、自分らしく生きる女子高生の青春ラブストーリーを描く。困難なことも多い現代を生きる私たちに、こんな風に生きられたら…と勇気をくれるような、“自分らしく生きることの大切さ”を描いた作品となっている。

主演は、いま大活躍中の2人の若手俳優窪塚愛流と蒔田彩珠。本作が初主演作品となる窪塚愛流は15歳でスクリーンデビュー、その後、映画やドラマなどで着実に出演作品を重ねている。蒔田彩珠は7歳でデビュー、多くのベテラン映画監督たちに抜擢された豊富な経験、確かな演技力を持つ注目の女優。そして、監督はヒューマンドラマの名手で『花戦さ』(17)、『犬部!』(21)などの篠原哲雄が務める。

窪塚愛流(国木田雪夫役)コメント

俳優として生きる。そう決意した日から今年で三年目を迎えました。「まだ三年。もう三年」と色んな視点で見る事は出来ますが、僕は後者でした。そして今回の作品のことを初めて耳にした時は嬉しさより、自分の実力では主演は担えないと弱音がこぼれそうでした。ですが、台本に目を通した時、それまで感じていた後ろ向きな気持ちが一変して、消え去ったのです。
初主演映画の名は『ハピネス』 それは幸福、喜び。でも、物語のなかの雪夫の本心とは対照的な言葉かもしれない。そう感じた僕は、雪夫と共にその意味を深く探求し、こんなにも愛おしく色づくのだと知りました。
人それぞれの愛の形が存在する世界で、類のない残された時間。様々な気持ちが交差するなかで彼女の想いと雪夫が決めた決意の先にあること。
貴方ならどう受けとめますか。

蒔田彩珠(山岸由茉役)コメント

このお話を頂いた時、自分の引き出しには無いことばかりで、大丈夫かな?と不安になりました。
余命わずかとわかった時に自分だったらどうするか、それは考えても分からない事でした。
脚本の中で由茉を大切に思う人達がそうしたように、私も由茉にしっかりと寄り添おう。そうすることで少しずつ由茉になる事が出来ました。
ロリータファッションも奥が深く、可愛く、楽しいものでした。沢山の素敵な衣装を着たので、そこも楽しみの一つだと思います。
由茉が1日1日を懸命に生きる姿、自分の気持ちを押し殺し寄り添う人たちの強さ。この作品には大切なものが沢山詰まっています。観てくださった方が、出会えてよかった。と、思える作品になっていたら嬉しいです。

嶽本野ばら(原作)コメント

この作品を書き終えた時、引退しようと思っていました。それほどまでに読者に届けたい全てを込めることが出来たからです。2006年に出版した小さな物語が何故、あと少しで20年を経ようとする今、映画として求められたのか…。作品が作者の手を離れて読む人、一人一人の特別な記憶として所持されるように、映画版もまた観る人、一緒に観た者同士の、かけがえのない記憶になればどれだけ光栄なことか。
最後に一言。大好きな作品です! 貴方もこれを“ハピネス”なラブストーリーとして抱え持ってくださることを期待して!

篠原哲雄(監督)コメント

「ハピネス」はネタバレをしてはならない作品である。17歳の人生に起きてしまう運命的な出来事。寄り添う家族や友人がそれをどう受け止め、懸命に振舞うか?その自然で人間的な営みを日常の出来事として丁寧に掬って描いていくこと。これらを演出の命題として取り組んだ。もう一つ、人には大切にしている特別なものがそれぞれある。夢を果たすために後悔なく行動すること。窪塚愛流、蒔田彩珠の一見贅沢な振る舞いが実は慎ましさに満ちている。その切実さこそが「ハピネス」の根幹なんだと思う。

『ハピネス』は2024年に公開
監督:篠原哲雄
出演:窪塚愛流、蒔田彩珠
配給:バンダイナムコフィルムワークス
© 嶽本野ばら/小学館/「ハピネス」製作委員会