『スイート・マイホーム』のジャパンプレミア舞台挨拶が8月3日(木)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、窪田正孝、蓮佛美沙子、奈緒、磯村アメリ、齊藤工監督が登壇した。

本作は、2018年に「第13回小説現代新人賞」を受賞した注目の作家・神津凛子のデビュー作「スイート・マイホーム」を映画化した作品。メガホンをとるのは、俳優業の傍らで20代から映像製作にも積極的に携わり、齊藤工名義での初長編監督作『blank13』(18)では国内外の映画祭で8冠を獲得した齊藤工。齊藤監督とタッグを組み主演を務めるのは、連続ドラマ『臨床犯罪学者 火村英生の推理』(16)でバディ役としても共演した窪田正孝。話題作で主役を演じ、『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』で主演を務めることも話題になっている窪田が奇妙な事件に巻き込まれていく主人公・清沢賢二を演じる。『火村英生の推理』以降、いつか共に作品を作ることを約束してきた2人が監督と俳優として相まみえ、これまでに見たことのない化学反応を創出していく。

俳優としても共演している齊藤監督の作品で主演を務める窪田は「映画への知識や愛が誰よりも強い方で、共演は役者をやらせてただいていて一番多い。工さんの描く世界で自由に動くことができるのは貴重な時間だったし、不思議な感じもあったし、20代もいっしょにやらせていただいたし、恥ずかしい部分もあったんですけど、ひっくるめてぶつけられたら」と振り返った。齊藤監督は監督を務めるにあたって「原作を実写化するなら、主人公を窪田正孝さんが演じてくださるということが一映画ファンとしても第一条件だった」と明かした。

窪田とは夫婦役を演じた蓮佛は、窪田について「醸し出ている雰囲気とか、佇まいとか向き合い方がいつ会っても穏やか。安心して隣にいさせていただけた」と撮影の日々を振り返った。その2人の娘役を演じた磯村は「楽しかった!肩車してくれたり」と仲の良さをうかがわせた。また、奈緒は「参加できることがうれしかったです。現場の雰囲気がみなさんの穏やかな空気に包まれていたので楽しかった」と振り返った。

本作はこれまでに第25回上海国際映画祭GALA部門や第22回ニューヨーク・アジアン映画祭コンペティション部門で上映されているが、齊藤監督は観客の反応について「感情表現をストレートにしてくださって。空間的に脅えてくださったり、思わぬところが笑いが起こったり。ふんだんに味わってくださっている。この映画がどういうものかを教えていただけた時間」と語った。

また、作品の内容にちなんで“我が家の秘密”をフリップで発表。「卵がたくさん眠ってる」と書いた奈緒は、自身の飼い犬について「卵の形のおもちゃがお気に入りで、定期的になくすんです。何回もあるので、引っ越しの時に出てくると思う」と明かした。

最後に窪田は「サスペンスホラーでちょっとダークな部分がベースとしてあるんですけど、一番怖いのは人間なんだなということが描かれています。自分の中に潜む闇の部分はあっても普通なことだけど、どこかで蓋をしたり、自分の気持ちに嘘をついて外では演技をしてとうことが当たり前だし、そうやって生きていかなければいけないのかもしれないけど、そういう中にあるものに気づかせてくれたり、新しい自分を発見できたりする部分があると思います」、齊藤監督は「役者さんたち、スタッフのみなさまの素晴らしいこの作品を作り上げるとう思いが宿っている作品です。この作品の準備はコロナ前からあったんですけど、家という聖域が本当にそうなのだろうか、一枚めくった中にあるものは何なのかと考える数年だったのかなと。作品を作る意義に近づいていって、多くの方のお力をお借りしながらこの作品が生まれ、今日を迎えました。役者さんたちの表現は本当に素晴らしいものがあります」と本作をアピールした。

【写真・文/編集部】

『スイート・マイホーム』は2023年9月1日(金)より全国で公開
監督:齊藤工
出演:窪田正孝
蓮佛美沙子、奈緒
中島歩、里々佳、吉田健悟、磯村アメリ
松角洋平、岩谷健司、根岸季衣
窪塚洋介
配給:日活、東京テアトル
©2023『スイート・マイホーム』製作委員会
©神津凛子/講談社