福岡・佐賀を舞台に3人の異母姉妹が織りなす物語『緑のざわめき』に出演する倉島颯良のオフィシャルインタビューが到着した。
福岡、佐賀を舞台に、3人の異母姉妹が織りなす物語を描いた本作は、新鋭・夏都愛未監督が、大江健三郎や中上健次の文學にインスパイアされ、葉脈と血の繋がり、ファミリーツリー、性と聖の繋がりをテーマに描くオリジナル作品。3人の異母姉妹に、元カレ、女子会メンバーらが交わり、物語は思いもよらない方向へと進んでいく…。女優を辞め、東京から生まれ故郷のある九州に移住しようと福岡にやってくる主人公・小山田響子役を松井玲奈、響子の異母妹であり、彼女をストーカーする菜穂子役を岡崎紗絵、響子の異母妹で佐賀の集落に暮らす少女・杏奈役を倉島颯良が演じる。
今回、杏奈役を演じた倉島颯良のオフィシャルインタビューが到着した。
――杏奈役のオファーが来ていかがでしたか?
今まで色んな作品に出させて頂いてきたなかでも、とても重要な役どころに選んで頂けて、驚きと同時に身が引き締まる思いでした。比較的難しい家庭環境にある子を演じたことはあったんですけれど、異母姉妹というような複雑な人間関係に置かれた役はあまりなかったので、プレッシャーな部分もありました。
――脚本を読んだ感想はいかがでしたか?
明るい話ではないけれど、監督が書かれる言葉や雰囲気、白黒はっきりさせない物言いがすごく好きでした。
――知らない人と電話で話す杏奈の心情はどう理解しましたか?
私は割と理解できました。親とかに話せない悩みを、あまり深く関わったことがない友達とかにちょっと話すというのは、私も割と経験があります。顔もわからない人に自分の悩みを打ちけるという心情はなんとなくわかりました。
――松井玲奈さんとの共演はいかがでしたか?
すごく物静かな方なんですけれど、ご自身が好きなことについて語り始めると止まらない方です。私との共演シーンは普通に話すシーンが多いんですけれど、普通に喋っているだけなのに、女性としての真の強さを感じました。それが役なのか、松井さん自身から出ているのかわからないんですけれど、そういうものをすごく感じています。
――岡崎紗絵さんとの共演はいかがでしたか?
岡崎さんは役とプライベートと全然違って、現場ではいつも明るくいらっしゃいました。初めて挨拶しに行った時にお弁当を食べていらっしゃって、すごくもぐもぐして丁寧に挨拶をしてくださいました。芝居になると一気に暗い雰囲気を纏うそのギャップに毎回驚かされました。
――黒沢あすかさんとの共演はいかがでしたか?
黒沢さんは温かい方で、役どころもあり、初めて会った時から気にかけてくださいました。家庭感・生活感を芝居からもらいました。台本にもすごく書き込まれていたりだとか、本当に細かいところまで考えて芝居をされている方で、刺激的でした。
――嬉野での撮影はいかがでしたか?
私は今まで自然の中で撮影をしたことがあまりなかったんですけれど、監督が佐賀で撮りたいって言った理由がわかるくらい、都会ではもらえないようなパワーに包まれながら撮影していました。劇中で私が行っていない場所も出てくるんですけれど、映像で見ても迫力があるなと思いました。
――完成した映画を観ていかがでしたか?
私が台本をいただいて読んだ時に好きだと思った感覚がそのまま映像になったと思います。セリフがないけれど何かを見つめているシーンだとかが多いので、抽象的な部分が印象的な映画になったかと思います。
――大阪アジアン映画祭での上映の際に舞台挨拶に登壇されていかがでしたか?
見てくださった方々の声を聞くと、こうやって一つの作品がたくさんの人に届くというのは、本当に感慨深く面白い仕事だなと改めて思いました。
――読者にメッセージをお願いします。
初めて映画館で観た時に、生い茂っている木が風に吹かれて擦れ合う音とか、電話の話し声とか、そういう音が印象的だと思いました。映像だけでなく音との組み合わせで立体的になっていると思うので、ぜひ映画館で一度は観て頂きたいと思います。
『緑のざわめき』は2023年9月1日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次公開
監督・脚本:夏都愛未
出演:松井玲奈、岡崎紗絵、倉島颯良
草川直弥(ONE N' ONLY)、川添野愛、松林うらら、林裕太
カトウシンスケ、黒沢あすか
配給:SDP
©Saga Saga Film Partners