『BAD LANDS バッド・ランズ』の完成披露試写会が8月24日(木)に丸の内TOEIで行われ、安藤サクラ、山田涼介、宇崎竜童、吉原光夫、天童よしみ、サリngROCK、原田眞人監督が登壇した。
第151回直木賞を受賞した「破門」や、「後妻業」などで人間を突き動かす欲望を描いてきた作家・黒川博行による重厚な傑作小説『勁草』を『検察側の罪人』や『関ケ原』など数々の話題作を手掛けてきた原田眞人監督が映画化。主演は、『ある男』で第46回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞した安藤サクラ。原田眞人監督作品は本作で初参加。壮大なファンタジーと日常感が話題となったテレビドラマ「ブラッシュアップライフ」で主演を務めた安藤が、本作では特殊詐欺を生業とする橋岡煉梨(ネリ)を怪演している。そして、安藤サクラ演じる主人公ネリの弟・矢代穣(ジョー)役には、『燃えよ剣』以来、2度目の原田眞人監督作品の参加となる山田涼介(Hey! Say! JUMP)。
「なんて素敵な現場だったんだろうと噛みしめています」と感慨深げに挨拶した安藤。山田も「毎日が刺激的な日で。素敵なキャストのみなさんと一緒にお芝居ができたことが、僕のこれからの力になると思っています」と語った。一方で「(山田と)2人で走るシーンがあったのですが、ものすごく速くて追いつけない」と明かす宇崎は「今日、山田くんの年齢を知りました。僕と47歳違います。年寄りに対しての忖度が全くない(笑)でも楽しく撮影をやり終えました」と笑いを誘った。
今回観客に初披露したことに「みなさまにご覧いただいたことによって、より一層もっと多くのみなさんに見ていただきたいという気持ちが沸き上がっているというのが今の気持ちです」と心境を明かす安藤。山田は「闇の世界の住人たちの話ではあるんですけど、その人たちなりの考えや生き方が、こういう不器用な生き方でしか生きられないんだというのをこの映画に出て感じました」と観客に伝えた。
演じるうえでは「自分の要素を現場で原田監督が軽やかにつなげてくださる。私自身の何かをくみ取って作り上げてくださる演出をしてくださった」と役作りを語った安藤。一方で山田は「ポスターでジョーの険しい顔を見るだけだとクールなやつかと思うんですけど、本編を見ると全然違う。クールに演じてしまうとただつまらないやつになってしまうという印象を思ったので、どこか憎めない愛くるしい弟像を出せないかなと現場で四苦八苦しながら、安藤さんに引っ張っていただきながら演じました」と明かした。
本作が初共演となる安藤と山田だが「山田くんとご一緒できると聞いて、しかもバディでこの作品でと、すごく楽しみになりました。自分も知らない自分のお芝居に出会えるんじゃないかなという期待を持って挑みました。そうしたら、まあなんとジョーの魅力的なことでしょう」と山田との撮影を振り返り、その山田も「安藤サクラさんと一緒にお芝居をできる現場はそんなに楽しい現場はないだろうと思いました。簡単な言葉で言うと、超いい人です。飾ることもなく自分のペースがあって。原田監督が安藤さんといると安藤さんの空気感になる。安藤さんワールドがあって。監督も自由にやらせてくださるので、本当に楽しかったです」と笑顔を見せた。
また、作品にちなんで“天国な瞬間や地獄な瞬間”を聞かれると、「『燃えよ剣』で使っていた池田屋で、『懐かしい感じがする』というセリフが言えた時は、監督の遊び心と愛を感じたシーンの一つです。あのセリフをあの場で言えたのはうれしかったです」と明かした。
最後に安藤は「この作品の台本を手にして、この役に出会って、久しぶりに私自身心が震える出会いでした。それは近くで山田くんとお芝居をしていても、山田涼介とジョーの出会いも、これから映画の歴史に残る出会いだったんじゃないかなと感じたりしました。原田監督が描く、いろいろな味わいがあるエンターテインメントをたくさんの方に見ていただきたいです。みなさんの役柄の生きざまをより多くの方に届けたいです」と本作をアピールした。
【写真・文/編集部】
『BAD LANDS バッド・ランズ』は2023年9月29日(金)より全国で公開
監督・脚本・プロデュース:原田眞人
出演:安藤サクラ、山田涼介
生瀬勝久、吉原光夫、大場泰正、淵上泰史、縄田カノン、前田航基
鴨鈴女、山村憲之介、田原靖子、山田蟲男、伊藤公一、福重友、齋賀正和、杉林健生、永島知洋
サリngROCK、天童よしみ/江口のりこ/宇崎竜童
配給:東映/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
©2023『BAD LANDS』製作委員会