スペインを震撼させた実際の事件に基づく心理スリラー『理想郷』の予告編が解禁された。

都会を離れて田舎で過ごすスローライフに夢を抱き、スペインの山岳地帯ガリシア地方の小さな村に移住したフランス人夫婦が主人公の本作。2010年の発覚から裁判が終わるまでの8年間多くの新聞が報道するなど、スペイン全土に激震が走った実際の事件をベースに映画化した心理スリラー。監督・脚本を務めたのは、ヴェネチア国際映画祭で高く評価された前作『おもかげ』(19)でスペインの新たな才能として名を知らしめたロドリゴ・ソロゴイェン。第35回東京国際映画祭にて最優秀作品賞にあたる東京グランプリ(東京都知事賞)のほか、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞の主要3部門を獲得した。

今回、緊張感あふれる日本版予告編と場面写真7点が一挙解禁された。フランス人夫婦のアントワーヌ(ドゥニ・メノーシェ)とオルガ(マリナ・フォイス)が移住したスペインの山岳地帯ガリシア地方のある村。緑豊かな自然を満喫し、2人が丹精込めて育てた有機トマトは地元の市場でも好評で、仲睦まじい充実のスローライフの様子が垣間見られる。

しかしある日、アントワーヌは村の酒場で出くわした隣人のシャン(ルイス・サエラ)に「ここは私の故郷だ」と告げるが、シャンはそれに対して真意のつかめない鼻息で応答するのみ。この場面を境に予告編のトーンは一気に変わっていく。畑のトマトには何かが混入され、警察に相談をしても“ご近所トラブル”だと取り合ってもらえない。「平和に暮らしたいだけ」と言う妻オルガのささやかな願いもむなしく、村をとりまく風力発電の誘致問題もからんだアントワーヌとシャンやその弟ロレンソ(ディエゴ・アニード)など村人との決定的な対立は、後戻りできないところまで加速していく。

身の危険を感じたアントワーヌが証拠を押さえるためにビデオカメラで撮影しようとする姿や、暗闇の中で夫婦が乗る車の窓をシャンが無言で激しく叩き続ける様子などを捉え、対立と夫婦の行方が気にならずにはおれないスリリングな映像に仕上がっている。

予告編

『理想郷』は2023年11月3日(金・祝よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネマート新宿ほか全国順次公開
監督:ロドリゴ・ソロゴイェン
出演:ドゥニ・メノーシェ、マリナ・フォイス、ルイス・サエラ、ディエゴ・アニード、マリー・コロン
配給:アンプラグド
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