『キリエのうた』のプレミアムライブイベントが9月25日(月)にZepp Shinjukuで行われ、アイナ・ジ・エンド、松村北斗、村上虹郎、粗品、石井竜也、広瀬すずが登壇した。
岩井俊二監督最新作の主人公は、路上のミュージシャン。主演は6月に惜しまれながらも解散した、楽器を持たないパンクバンド「BiSH」のメンバーで、現在はソロとして活動中のアイナ・ジ・エンド。松村北斗、黒木華、広瀬すずらがメインキャストとして出演する。壮絶な運命と無二の歌声を宿したキリエの音楽がつなぐ13年に及ぶ壮大な愛の物語。降りかかる苦難に翻弄される男女4人の人生が、切なくもドラマティックに交錯していく―。
イベントではアイナ・ジ・エンドが主題歌をはじめとする劇中曲を4曲歌唱し、松村北斗、村上虹郎がギターを、粗品がキーボードを演奏するという、この日のために練習を重ねたメンバーたちによるプレミアライブが開催された。今回披露したのは、「名前のない月」(Vo.アイナ・ジ・エンド)、「燃え尽きる月」(Vo.アイナ・ジ・エンド)、「ずるいよな」(Vo.アイナ・ジ・エンド、Gt.松村北斗・村上虹郎)、「キリエ・憐れみの讃歌」(Vo.アイナ・ジ・エンド、Gt.村上虹郎、Key.粗品)の4曲。
「名前のない月」と「燃え尽きる月」の2曲を続けて披露したアイナ。松村と村上を招き入れると、「最初で最後だと思うと言葉が詰まる。初めて聞いていただけるという気持ちで、感無量で。大切な曲です」と言葉を噛みしめたアイナ。3人で3曲目の「ずるいよな」を披露すると、会場は大きな拍手に包まれた。
13年間を描く本作にちなんで、13年前の話について「4歳からダンスをやっていたんですけど、学校に行くときに教科書が一冊も入ってなくてレッスン着が」というアイナ。一方で「この仕事を始めたころ」という松村は「何ができて何ができないか全くできない時代。学生時代から空手をやっていたので、芸能界に空手と通ずるものがないかと探していた時代」と振り返った。さらに当時のころをメインにエッセイを書いているという松村は「全然若いころおもしろいことなくて、もし伝えられるならこまめに大きめのハプニングを起こしてほしい」と笑いを誘った。
「今回全く初めてだったので本当に苦戦しました。ちゃんとしたコードを抑えていなかったりして、夏彦オリジナルの楽譜を作っていただいて」と明かす松村は「本編は間を意識というか感じ取ろうとがんばらなきゃいけないと」と撮影を振り返った。広瀬は「(岩井俊二監督からは)好きにいいよみたいな感じで、アイナちゃんと肌が触れ合う瞬間を普段から増やして、キリエとイッコの距離がなくなったらいいなと時間をかけていました」と明かした。
また、この日は欠席となった岩井監督に向けて、「撮影が終わった後に2人で食事に行かせてもらって、立ち上がってしゃべってくれてすごい楽しい時間だったので、また2人でご飯に行って立ち上がってしゃべってください。大変楽しい会でした」という松村。広瀬は「私もご飯に行きたいです。でも私は座ってしゃべるがいいです(笑)」と伝えた。
さらにイベントの終盤では、村上と粗品が参加して4曲目の「キリエ・憐れみの讃歌」を披露した。演奏を終えると村上は「楽しかったです」と喜び、聞いていた広瀬は「(アイナの)この華奢な体からどうやってあのエネルギーの放出の仕方になるのか。改めて感動しました」と感慨深げな様子だった。最後にアイナは「岩井俊二さんの世界にみなさんで飛び込み始めて1年以上経ったんですけど、やっと歌を聞いてもらえて、正直何も分からない自分が飛び込んで不安でたまらなかったんですけど、今日目を合わせて見てくれて、感慨深い日になりました」とあふれ出る涙を抑えながらメッセージを送った。
【写真・文/編集部】
『キリエのうた』は2023年10月13日(金)より公開
原作・脚本・監督:岩井俊二
出演:アイナ・ジ・エンド、松村北斗、黒木華/広瀬すず
村上虹郎、松浦祐也、笠原秀幸、粗品(霜降り明星)、矢山花、七尾旅人、ロバート キャンベル、大塚愛、安藤裕子、鈴木慶一、水越けいこ
江口洋介、吉瀬美智子、樋口真嗣、奥菜恵、浅田美代子、石井竜也、豊原功補、松本まりか、北村有起哉
配給:東映
©2023 Kyrie Film Band