『法廷遊戯』の特別授業トークイベントが10月26日(木)に専修大学で行われ、永瀬廉、深川栄洋監督、原作者の五十嵐律人、関正晴教授が登壇した。

原作者・五⼗嵐律⼈が現役司法修習生時代に刊行した本格法廷ミステリー小説「法廷遊戯」を映画化した本作。ロースクールに通い、法曹の道を目指す主人公の「セイギ」こと久我清義役に、俳優としても活躍の幅を広げる永瀬廉(King & Prince)、セイギの幼馴染で同じく法律を学ぶ織本美鈴役に杉咲花、「無辜(むこ)ゲーム」と呼ばれる模擬裁判を司る天才・結城馨役に北村匠海ら実力派俳優を迎えた。監督を深川栄洋、脚本を松⽥沙也が手掛ける。裁判ゲームで実際に起こった殺人事件をきっかけに、3人の仮面の裏に隠された真実が暴かれていく。二転三転、四転五転する新たな事実、そして最も神聖な場のひとつである“法廷”で待つ、常識を覆す驚愕の結末は…。ノンストップ・トライアングル・ミステリーが今、開廷する。

「法律が好きで、おもしろいいんですけど一般の学生や携わっていない人に伝わらないと思った」ということから本作の原作を書いたという五十嵐。「法律用語が難しくて、無辜という言葉自体馴染みがなかった」という深川監督は「法律のおもしろさ、危うさを感じさせていくかが難しいポイントでした」という。

その本作で主演を務めた永瀬は裁判長の席に座り、「緊張します」挨拶し、「全部を見渡させる席は特別な感覚があります」とコメントした。法学部の生徒を前にして「弁護士になるために並々ならぬ努力をしないとということもこの作品を通して学んだので、みなさんもそういう思いをしていると思うと少しだけその気持ちが分かる。親近感がわいています」と語った。

一方で自身が演じたセイギについては「台詞がめちゃめちゃむずいのでごっちゃにならないように、噛まないように」ということを意識したといい「ピリッとした空気感が流れているのでプレッシャーを感じながらも」と振り返った。

その演技について関教授は「法廷でやっている尋問に近いものがあった」と称賛し、「訓練を積んでいけば」と太鼓判を押した。また、実際に裁判の傍聴も行ったという永瀬は「この作品に携わっていなかったら傍聴に行くことはなかったと思う」と新たな経験となったという。

劇中では模擬裁判として“無辜ゲーム”が行われるが、実際に模擬裁判をこの法廷教室でやったことがあるという生徒もおり、興味津々の様子の永瀬。生徒からは法律を学んだことで実生活での活かせることもあると言い、「僕らの生活にも切っても切り離せないので知っていて損はない」と話す永瀬は「知識があると行動することができますね」と納得している様子だった。

また、生徒からは本作での演技の難しさを聞かれ、「台詞とか、発音とかも含め、弁護士の役をやらせていただいたのでスラスラと言わなければいけない。その言葉が板についている状況でお芝居をしないといけない。一回法廷のシーンで噛んでしまったことがあって、その時は長回しだったというのもあって申し訳ないという思い出2回目やって。2回目もっと噛んで」と苦労を語る永瀬は「よりがんばるぜと前向きな気持ちでやっていました」と明かした。

最後に永瀬は「それぞれが抱えた過去の部分であったり、思いであったり、人それぞれの正義感を抱えていると思うんですけど、信念を突き通すことの苦しさ、つらさ、難しさを含めて描かれています。この映画をきっかけに法律に興味を持ってくださる方がいるんじゃないかと思っています。それぞれの意見を交換し合ってもおもしろいと思います」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

『法廷遊戯』は2023年11月10日(金)より全国で公開
監督:深川栄洋
出演:永瀬廉、杉咲花、北村匠海、戸塚純貴、黒沢あすか、倉野章子、やべけんじ、タモト清嵐/柄本明、生瀬勝久/筒井道隆、大森南朋
配給:東映
©五十嵐律人/講談社 ©2023「法廷遊戯」製作委員会