第36回東京国際映画祭 コンペティション部門出品作品『ゴンドラ』は、『ツバル TUVALU 』(1999)、『ブラ!ブラ!ブラ!胸いっぱいの愛を』(2018)など、台詞を一切使わない独特のスタイルで知られるファイト・ヘルマーの最新作。
10月23日(月)~11月1日(水)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区地区で開催される第36回東京国際映画祭。コンペティション部門は、2023年1月以降に完成した長編映画を対象に、114の国と地域から応募された1,942本の中から、厳正な審査を経た15本の作品が期間中に上映される。
本作の舞台はジョージアの田舎にあるロープウェイ。そこで働くニノという女性は、ロープウェイのゴンドラ乗務員として、山を行き来するだけの日々を過ごしていた。そこへ、帰村してきたイヴァという女性が同じ乗務員として働き始め、二人は次第に心を通わせていく。
本作の見どころは、二人の距離が縮まるきっかけともなった、単調な仕事に楽しみを見出すためのユニークで可愛らしいアイデアの数々。制服やゴンドラをアレンジしてCAや宇宙飛行士になりきったり、ゴンドラがすれ違うタイミングで水鉄砲をしたりする二人の楽しそうな姿を見ていると、人生の楽しみ方は工夫次第で無限大であると気づかされる。
作中ほとんど台詞がなく、まるで外国の絵本を見ているような可愛らしい世界観に浸ることができる。また、ジョージアの美しい風景や、村人たちのキャラクターも愛らしくてとても癒される作品である。とにかく可愛い世界観が好きな人はぜひ一度見てほしい。
【文/編集部(E)】
第36回東京国際映画祭は2023年10月23日(月)~11月1日(水)に日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催