『怪物の木こり』の完成報告会が10月31日(火)に都内で行われ、亀梨和也、菜々緒、吉岡里帆、染谷将太、三池崇史監督が登壇した。
2019年に「このミステリーがすごい!大賞」を受賞した小説『怪物の木こり』(倉井眉介/宝島社文庫)を実写映画化した本作。凶器の斧で脳を奪い去る連続猟奇殺人事件が発生…次に狙われたのは弁護士・二宮彰。しかし二宮は、犯人をも凌駕する狂気のサイコパスだった。追う者と追われる者が入れ替わっていく先読み不可能なストーリー、その驚愕の結末とは…。意表を突く展開が連続する衝撃作が“超刺激サスペンス”として映画化される。監督を務めるのは三池崇史。目的のためには手段を選ばず殺人すらいとわない狂気のサイコパス弁護士・二宮彰役に亀梨和也、捜査本部で孤立しながらも連続殺人事件を追う警視庁のプロファイラー・戸城嵐子役に菜々緒、二宮の本性を知らない婚約者・荷見映美役に吉岡里帆ほか、二宮の協力者のサイコパス外科医・杉谷九郎役を染谷将太、過去の殺人事件の容疑者・剣持武士役を中村獅童が演じる。
冒頭では「ハッピーハロウィーン、トリック・オア・トリート」と笑いを誘った亀梨は、サイコパス弁護士という役どころに「一風変わった設定でもあったんですけど、サイコパスというワードを受け取らせていただいて、どういう形でこの作品の中で求められているのかなというのがあった」といい、「クランクイン前にお話をさせていただいて、みんなで一つの答えを持ちながら撮影に挑めたので心強かった」と役作りに付いて明かした。
「原作の一番のおもしろさは、ほぼ登場人物サイコパス。できるだけ原作の魅力を損なわないように、映画的に加速させて。意外性も楽しんでいただければ」と本作に込めた思いを語った三池監督は、キャストについて「みなさんそれぞれの活躍するフィールドで自分の生き方を貫いている」といい、「運命ですよね。自然の流れの中で出会う人たちを一番大事にしています」と語った。
その中でも亀梨については「誰がどう見てもちょっとサイコパスっぽい」と笑う三池監督は「長く生きていくうちに虚像が生まれていく。亀梨和也というアイドルとして貫いてきた自分から生まれてきたものではあるけど作られた人格と同居している」という。亀梨は「このお仕事を始めさせていただいて25年になるんです。元々下町のアパート育ちの男の子だったんですけど、どっちが本当の自分なのかなと。混合していて。この映画における中でそのテーマは大きい」といい、「プロモーション期間で(三池監督から言われたことで)“おれはそういう人間なんだ”と、“だから自然体で現場に立たせていただいていたんだ”と腑に落ちました」と笑った。
一方で、仕草までこだわったという菜々緒は「細かいところまで意識して作り上げたキャラクターは今まであまりない」と明かした。亀梨との共演については「亀梨さん以外に出来る人がいるのかなというくらいキャラクター像にピッタリだった」と絶賛する菜々緒。その亀梨は、菜々緒との撮影について「無駄がない時間を積み重ねていった。(初の三池組で)菜々緒さんのお名前があった時点でホッとして。安心感、僕も身を委ねられるというか提示できる。生の空気感もキャッチしながらできた」と振り返った。
その一方で、この日は“菜々緒さん”と呼んでいる亀梨は、先日行われた第36回東京国際映画祭のレッドカーペットにおいて、自身が“菜々緒ちゃん”と呼んでいる姿を映像で見て「『大人なんだから』と客観的に感じたんです(笑)仲が悪くなったわけではないので。あんなドレスアップした女性に『菜々緒ちゃんは?』はよくないなと反省した」と笑いを誘った。
また、吉岡について、三池監督は「ラジオの対談で読んでいただいて、これは違うぞと。当時は血がいっぱい出る映画を撮っていたので」と自身の作風とは違うと感じていたというが、今回キャスティングされたことに吉岡自身は「三池さん呼んでくださらなそうだなと感じていて、びっくりしてうれしかったです。(本作の役どころは)ちょっとほかのサイコパスとは違う」と笑顔を見せた。
“一番サイコパスだと思う人”を聞かれると、亀梨と答えた菜々緒は、劇中での自身のセリフでのサイコパスの特徴に「すべて当てはまる」と明かし、亀梨は「劇場でご覧ください(笑)」と笑いを誘った。また、染谷と答えた亀梨は、願望も込められていると言い、その現場での佇まいと劇中での存在感に「うらやましい」と語った。
最後に亀梨は「様々な角度でとらえ、様々な角度で楽しんでいただけたらうれしい。たくさんの方に届くように時間を過ごしたい」と本作をアピールした。
【写真・文/編集部】
『怪物の木こり』は2023年12月1日(金)より公開
監督:三池崇史
出演:亀梨和也、菜々緒、吉岡里帆、柚希礼音、みのすけ、堀部圭亮、渋川清彦、染谷将太、中村獅童
配給:ワーナー・ブラザース映画
©2023「怪物の木こり」製作委員会