稲垣吾郎×新垣結衣『正欲』のメイキング映像と写真が解禁された。
第34回柴田錬三郎賞を受賞した朝井リョウによる小説『正欲』を監督・岸善幸×脚本・港岳彦、稲垣吾郎×新垣結衣の出演で映画化。家庭環境、性的指向、容姿――様々に異なった“選べない”背景を持つ人たちを同じ地平で描写しながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのかというテーマを炙り出していく衝撃的なストーリー。岸善幸がメガホンをとり、『あゝ、荒野』で岸監督と組み、本年も執筆作品が立て続けに公開される港岳彦が脚本を担当。稲垣吾郎と新垣結衣が、息子が不登校になった検事・寺井啓喜と、特殊性癖を持つことを隠して生きる・桐生夏月を演じる。物語が進むにつれ、別の場所でそれぞれの人生を歩んできた彼らの関係は、少しずつ交わっていく。どうしたって降りられないこの世界で、生き延びるために大切なものを、強い衝撃や深い感動とともに提示する。
検察官として横浜検察庁に務め、妻と息子と3人でマイホームに暮らす寺井啓喜役に稲垣吾郎。広島のショッピングモールで契約社員として働く桐生夏月役に新垣結衣。両親の事故死をきっかけに広島に戻ってきた夏月の同級生・佐々木佳道には磯村勇斗。そして佐藤寛太がダンスサークルで活動し、大学の準ミスターに選ばれるほどの容姿を持つ諸橋大也、東野絢香は大也と同じ大学に通う神戸八重子を演じる。映画では、豪華キャスト陣が演じるさまざまに異なる背景を持つ5人のキャラクターたちの関係が、少しずつ交差していく様子が映し出されていく。
今回解禁されたメイキング映像では、検察官の啓喜役の稲垣や、秘密を共有し合う夏月と佳道を演じた新垣と磯村が、それぞれ岸監督に演出を受ける様子が。風船の膨らませ方について細やかな仕草を提案する稲垣や、セリフの言い方についてニュアンスをすり合わせていく磯村など、現場で岸監督とディスカッションを重ねながら撮影している様子が収録されている。メガホンを取った岸監督も「この作品ではみなさんとじっくり話しながら作っていくことができ、とても充実した作品になったと思います」とコメントしており、語り甲斐のあるテーマを扱う映画だからこそ、キャスト陣との入念な話し合いが非常に重要だったことを明かしている。
劇中でも印象的な、着衣のままプールに浮かぶ夏月のシーンの裏側では、スタッフたちに囲まれながら撮影に挑む新垣の姿が。ほかにも、笑顔が飛び交う撮影の合間の様子も収録。まるで夏月と佳道のように穏やかに談笑する新垣と磯村や、大学のシーンで共演した佐藤、東野、坂東希と岸監督が、劇中のシリアスな役柄とは打って変わって楽しそうに写真撮影に望む姿は、本編を観た後だとさらに味わい深いものになるはずだ。
そしてメイキング映像の最後には、主演を務めた稲垣のクランクアップ時の挨拶が。岸監督を始めとするスタッフや共演者たちの姿から「この作品にかける情熱と思いがすごく伝わってきた」という稲垣は、「みなさんが妥協することなくワンカットずつ丁寧に粛々とものづくりをされている姿に、やっぱり映画の現場っていいなと思いました。こういうところでお仕事ができるというのは、俳優として本当に幸せなことだと思っています」とコメント。花束を抱えながら笑顔で語る稲垣の姿からも、本作の撮影が充実したものであったことが伝わってくる。
メイキング映像
『正欲』は全国で公開中
監督:岸善幸
出演:稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香
山田真歩、宇野祥平、渡辺大知、徳永えり、岩瀬亮、坂東希、山本浩司
配給:ビターズ・エンド
© 2021 朝井リョウ/新潮社 © 2023「正欲」製作委員会