マルコ・ベロッキオ監督最新作『Rapito(原題)』が『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』の邦題で、4月26日(金)より公開されることが決定した。

ユダヤ人街で家族と共に暮らしていた7歳を迎える男児エドガルドが、「何者かに洗礼を受けた」という情報により教会に連れ去られてしまう―。国家や教会などの絶対権力とも言える組織による策略に巻き込まれることになる普通の人々の運命に、権力側がどれほど無関心であるかをも描いている本作。決して1800年代の外国の話として見なせないほどのリアリティを以て、今を生きる我々に迫って来る。第36回東京国際映画祭ガラ・セレクションで上映されて大きな反響を呼んだ本作は、スティーヴン・スピルバーグが魅了され、映画化に向けて書籍の原作権を押さえていたことでも知られている。

昨年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門出品を皮切りに世界中の映画祭をまわり、イタリア映画記者組合が選出するナストロ・ダルジェント賞では7部門で見事受賞。「イタリア映画史上、屈指の冷酷さを誇るエンディング」(Micromega)「実話であるということが、何より恐ろしい。絶対権力と市井の民、その間に存在する暴力と冷笑の不均衡を描く」(Wired Italy)「ベロッキオ監督作の中で最も挑戦的」(Esquire)など、その知られざる実話の衝撃と、85歳にして熱量衰えぬベロッキオにより高濃度で活写されたドラマが高い評価を得ている。

スピルバーグは7歳のエドガルド役が見つからず映像化を断念したが、ベロッキオは新星エネア・サラを抜擢。今回解禁されたティザービジュアルでこちらを見つめるエドガルドの視線と、彼を抱いている教会の絶対権力の象徴である教皇の薄い笑み。視線を下げるとぶつかる「なぜ、僕だったの?」というコピーに息を呑む衝撃が走る。

ストーリー

1858年、ボローニャのユダヤ人街で、教皇から派遣された兵士たちがモルターラ家に押し入る。枢機卿の命令で、7歳になる息子エドガルドを連れ去りに来たのだ。取り乱したエドガルドの両親は、息子を取り戻すためにあらゆる手を尽くす。世論と国際的なユダヤ人社会に支えられ、モルターラ夫妻の闘いは急速に政治的な局面を迎える。しかし、教会とローマ教皇は、ますます揺らぎつつある権力を強化するために、エドガルドの返還に応じようとしなかった…。

『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』は2024年4月26日(金)よりYEBISU GARDEN CINEMA、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて公開
監督:マルコ・ベロッキオ
出演:パオロ・ピエロボン、ファウスト・ルッソ・アレジ、バルバラ・ロンキ、エネア・サラ、レオナルド・マルテーゼ
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