『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』の新春舞台挨拶が1月8日(月・祝)に丸の内ピカデリーで行われ、福原遥、水上恒司が登壇した。
初めて恋をした人は、特攻隊員でした―。親や学校、すべてにイライラして不満ばかりの女子高生・百合(福原遥)。ある日母親と喧嘩をして家出をし、目が覚めるとそこは1945年、戦時中の日本だった。偶然通りかかった彰(水上恒司)に助けられ、彼の誠実さや優しさにどんどん惹かれていく百合。だが彰は特攻隊員で、程なく命がけで戦地に飛ぶ運命だった―。シリーズ累計発行部数85万部となった汐見夏衛によるベストセラー「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」(スターツ出版文庫)を福原遥、水上恒司のW主演で映画化した本作。監督は長編映画は2作目となる成田洋一。
新春舞台挨拶ということで、福原は蝶柄の振袖、水上も羽織袴で登場。興行収入28億円を突破する大ヒットを記録している本作に、福原は「本当にたくさんの方が見てくださっていて。SNSやイベントにこうやってたくさんの方が来てくださるので、この作品を愛してくださっているんだなと感じています。リピートしてくださっている方も多いようで、本当に嬉しいです」、水上も「周りの方々がもう一回観たいと言ってくださっていて、ブームになって私たちの手を離れたなと」と語った。
福山雅治が手掛ける主題歌「想望」は、年末の紅白歌合戦で白組のトリとして歌われ大きく話題になったが、福原と水上は年末に福山のライブを「あの花」チームで観覧したとのことで、水上は「『想望』を生で聴くのは歌番組以来2回目だったんですが、迫力がありました。映画の映像も使っていただいて歌われていて特別な想いになります」、福原も「本当に感動しましたね。毎回違う世界観や雰囲気で歌われていて、何度聴いても新鮮な気持ちになります。福山さんの人間性も素晴らしくて、この作品をたくさん愛してくださっていて嬉しいです。紅白も見まして、めちゃめちゃ感動しました」と感動を共有した。
イベント当日は成人の日ということで、2人から新成人に向けて社会人としてのアドバイスも。福原は「これから不安も楽しみなこともあっていろんな感情だと思うんですが、人生は一度きりなので、悔いのないように自分が好きなことややりたいことを、精一杯頑張っていただきたいです。まだ好きなことややりたいことが明確じゃないという方も、いろんなことに興味を持ってとにかく失敗を恐れずに楽しんでお仕事だったりを頑張っていただきたいなと思っています」コメント。水上も「僕もいわゆる就活とかをしたことがない人間なので、頑張ってって言うのもな…。でも僕自身、いろんなこと攻めてやってみて、コケて痛かったなっていうことが結構あって、その経験が活きて今の自分の礎になっていることが多いです。大人になるって責任が増えていくことでもありますが、本当にやっちゃいけないこと以外は何をやってもいいと思っているので、臆せず失敗しながら、自分も含め、若い世代から時代を引っ張っていける人たちがたくさん出てきてほしいなと思います」と熱く語った。
さらにSNSで寄せられた質問にも回答。「2回目を観るときの見どころは?」という質問に「ベタですけど目線を変えてみることですかね。物語としては現代人である百合の心情に感情移入することが多いと思うので、2回目は彰や石丸たちの目線から百合ってどういう風に見えていたのか注目してみるとか」と水上、福原は「登場人物一人ひとりの目線になって観たらまた全然違った景色が見られると思います。あとは、CGが素晴らしくて。私たちも試写で観たときにすごいねって話してたんです。百合畑のシーンも一部はCGですし、飛行機が飛ぶところなど、たくさんのスタッフの方の力が加わってこの作品ができているので、何度も観てくださる方はぜひそこにも注目していただけたら嬉しいです」と答え、さらに水上は「スタッフの方の技術とか、意図をくみ取って感じてくれた感想をいただけたら僕もすごく嬉しいです」とコメントした。
「主題歌『想望』の歌詞の中で一番好きなのはどこですか?特にここだ!というところがあれば教えていただけると嬉しいです。ちなみに私は全部です」という質問には、水上は「僕も全部です」、福原も「私も全部です」と笑いあった。“あえて選ぶなら”ということで「うちに帰ろう」というフレーズを選んだ水上は「全体的に彰目線の歌詞なんですが、時々百合なのかな?とか全然違う人なのかな?と想像させる余地があるのが不思議だなと思っています。その中で『うちに帰ろう』っていうところは誰でも想えるところがあるのが好きです」と歌詞の奥深さを強調。福原も「わたしも同じところだった…」と言いながら「『一緒にご飯を食べよう』とかも普段自分たちがしていることが本当に幸せなんだなと、改めてしみる言葉です」と語った。
「今年の目標はズバリ!」という質問には、水上は「毎年そうなんですが、いわゆる“老化”以外の部分では、すべてにおいて前の年を超えていく活動・努力をしたいなと思ってます。今までやってきている努力をずっと続けていくことですかね。結果としてパフォーマンスが下がってしまったら仕方ないですが、やれることはやるという姿勢です」とストイックなコメント。福原は「2023年はこの映画もそうですし、いろんな作品に関わらせていただき吸収させていただいた1年でした。2024年はそれを踏まえてもっとお芝居にどっぷり浸かるといいますか、深く深く掘り下げていけるような向き合い方をしていきたいです」と今年の抱負を語った。
最後に水上は「2024年は元日からいろんなことが起きてしまっています。今回この映画をお届けするにあたって、戦争という過ちを二度と起こさないようにという想いを込めて作ったんですが、(世の中で起きる様々な)問題に対して直接投げかけて関わっていくことってすごく難しいことなのだと、僕たちの立場というのは皆さまに辛い日常を忘れてもらえるようなエンターテインメントを作っていくことでしか世の中に貢献できないということをひしひしと感じた年始でした。今年も皆さんにいろいろな作品をお届けできるように、そしてこの作品も引き続き観ていただけるように頑張っていきたいなと思っています。今日は本当にありがとうございました」とコメント。
福原は「新年から大変な状況が続いている中で、皆さんが心安らげる日が早く来ることを願っていますし、自分たちにできることを考えて過ごしていきたいなと思っています。この作品が、皆さんにとって心の支えというか、何か考えるきっかけになる作品になるといいなとずっと思っていて。私自身、普通に過ごせている生活が本当に幸せでありがたいことなのだと感じました。夢を持てたり、好きなことができるありがたさを感じながら、自分の大切な人をもっと大事にして、一日一日を丁寧に過ごしていただけたら嬉しいです。本当にたくさん愛していただいてありがとうございます。これからも応援よろしくお願いします」と話し、イベントを締めくくった。さらに、会場出口では福原と水上が観客を見送るサプライズも実施された。
【提供写真、オフィシャルレポート】
『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』は公開中
監督:成田洋一
出演:福原遥、水上恒司、伊藤健太郎、嶋﨑斗亜、上川周作、小野塚勇人、出口夏希、中嶋朋子、坪倉由幸/松坂慶子
配給:松竹
©2023「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」製作委員会