ミュージカル『トッツィー』が東京・日生劇場で開幕するのに先駆けて、1月9日(火)に日本初演開幕前日取材と公開ゲネプロが行われた。
ダスティン・ホフマン主演映画『トッツィー』(1982)を現代のブロードウェイの舞台に置き換え、装いもあらたにミュージカル・コメディとして生まれ変わった本作。2019年のトニー賞ミュージカル部門では、ミュージカル作品賞をはじめ計11部門にノミネートされ、最優秀脚本賞および最優秀主演男優賞に輝いた。音楽・歌詞のデヴィッド・ヤズベック、脚本のロバート・ホーン、演出のスコット・エリス、振付:デニス・ジョーンズといった現代のブロードウェイで活躍する超一流の作家とクリエイティブが集結して作られたミュージカルが、日本に初上陸する。
公開ゲネプロ前の取材には、マイケル・ドーシー/ドロシー・マイケルズ役の山崎育三郎、ジュリー・ニコルズ役の愛希れいか、サンディ・レスター役の昆夏美、ジェフ・スレーター役の金井勇太、マックス・ヴァン・ホーン役の岡田亮輔とおばたのお兄さん(Wキャスト)、ロン・カーライル役のエハラマサヒロ、スタン・フィールズ役の羽場裕一、リタ・マーシャル役のキムラ緑子が登壇した。
コメディ作品ということで「実際にお客様が入って完成する舞台なので、みなさんがどう受け止めてくださるかが楽しみです」と笑顔を見せた山崎。愛希も「みんなで意見を出し合いながら、話し合ってお稽古をしてきたので、お客様が入っての反応が楽しみ」と共感していた。
一方で昆は「こんなに稽古場でずっと笑っている作品は初めてというくらい。何回も見ているはずなのに笑っちゃっていて、それがお客様にも伝わったらいいなと思います。お客様がおもしろいなと思ったら笑ってもらえたり、反応してもらえたらより楽しめる作品だと思う。ある意味参加型鳴ミュージカルになっていると思います」と本作の魅力を語った。
ブロードウェイミュージカルの日本初演ということで、セリフの面でも苦労があったようで「英語をそのまま日本語訳すると伝わりづらい表現があって、みんなで何回も話し合って何回台本が変わったか思い出せないくらい」という山﨑だが、「日本を代表する芸人が」と話を振られたエハラは「(山崎)育三郎さんが笑いが好きだから、台本のおもしろいところのプロデュースもやってくれた」といい、おばたは「コメディうますぎてひいています。それが必見です」と明かした。セリフについては演出家ともディスカッションを交わしたと言い、エハラは「聞いてくださって僕らの意見を入れてくださる」というやりとりもあったという。
山崎が本作で見せる女装スタイルについて聞かれると、山崎はキャスト陣に「どう見えてる?」と問いかけ、キャスト陣からは「きれい」と絶賛の声が上がった。さらに「艶やか」と昆、キムラは「こっち(女装姿)に慣れすぎて」、愛希も「不思議と女友達みたい」と明かした。その山崎は日常生活にも影響があるといい、岡田も「普段よりも物腰が柔らかい」という。その山崎は、出演シーンも多いということで「早替えが30回、本番中に。舞台裏を見て欲しいというくらい」と明かした。
また、山崎は「震災がありまして被災されたみなさまには一日も早く穏やかに過ごせる日々がくればと心から」と願い、「当たり前にある日々が当たり前ではなくて、今日の公演でやりきったと思えるような公演を目指して演じたい。最後まで走り抜けられるように、たくさんの愛とハッピーと笑いをみなさんに届けたいと思います」と語った。
【写真・文/編集部】
ミュージカル『トッツィー』
【東京公演】
2024年1月10日(水)~30日(火) 日生劇場
【ツアー】
2月5日(月)~2月19日(月) 大阪・梅田芸術劇場メインホール
2月24日(土)~3月3日(日) 名古屋・御園座
3月8日(金)~3月24日(日) 福岡・博多座
3月29日(金)~3月30日(土) 岡山・岡山芸術創造劇場