主演・山田涼介×浜辺美波『サイレントラブ』の場面写真が解禁された。
主人公の青年・蒼が心惹かれたのは、目が不自由になり夢が途絶えかけている音大生の美夏。ある出来事をきっかけに声を発することをやめた蒼は、美夏とのかけがえのない時間を過ごしていくが―。蒼と美夏が、静かに思いを紡いでいく、この冬一番切ないラブストーリー。主人公・蒼役にはラブストーリー映画初主演となる山田涼介。不慮の事故で目が不自由になり、絶望の中でもがくピアニスト志望の音大生・美夏役には浜辺美波。音楽は久石譲が担当し、優しくもどこか切ない音色が2人の物語に花を添える。
今回解禁された蒼の場面写真は、ぼんやり空虚を見つめるような姿や、美夏がひとりピアノの練習に励む講堂に腰掛けて静かに俯く様子が確認できる。その瞳には覇気がなく、感情が読み取れない。山田が「クランクインの日に、監督に”死んだように生きてほしい”と言われた」と明かすように、過去のある事件がきっかけで声を捨て、夢や希望を持たず毎日をただ生きている蒼は、どこかぼんやりとして虚ろな目が印象的だ。
だが、美夏との出会いによってその目に希望が宿る。「自分には夢をみる資格はない」と諦念を抱く蒼だったが、美夏の”何があってもピアニストになる”という夢を叶えることに初めての希望を見いだす。内田監督は山田に「目の奥10センチで美夏を見てほしい」と指示したそうだが、監督は「特に目の演技は、動きなどで作ってしまいがちです。人を好きになる時の目を、キラキラっと作ったりしてしまう。でも本当は、人を好きになる瞬間は、意外にスーッと引いた気持ちになる場合もある。人によって全く違うものだと思います。だから、リアルな目という器官そのものではなく、もっと奥の部分で気持ちを表してほしいという意味で、そう言いました。“10センチ”に関しては、心と目の間が、ちょうど10センチくらいかなと思って言いました。」とその緻密な指示の意図を明かす。
目の演技という一筋縄ではいかないであろう表現について山田は「目の芝居は、演じていて非常に難しいと思いました。最初のシーンの方は目に光がない、何を考えているのか分からないような目なんですが、(シーンが進むにつれて)どんどんそこに感情が生まれていく。その中で、目の中に光を入れるシーンだったり、ここは入れないほうがいいなとか、そこの加減が非常に難しかったです」と目の光をも操る意識をしたという。さらに、喧嘩のシーンでも山田の目の演技は光った。監督は「敵対する相手に目を真っ赤にして向かって行くというシーンでは、演技で目を赤くできる人がいるんだと驚きました。アクションというのは、演技を伴って初めていいシーンになるのですが、まさにそういう意味でも素晴らしいシーンになったと思います」と山田の演技を絶賛している。
ラブストーリー初主演にして、声を発することをやめた青年という難役の気持ちの変化を繊細に表現した山田。蒼の感情によって緻密に変化していく山田の演技に注目だ。
『サイレントラブ』は全国で公開中
原案・脚本・監督:内田英治
出演:山田涼介、浜辺美波
野村周平/吉村界人、SWAY、中島歩、円井わん
辰巳琢郎/古田新太
配給:ギャガ
©2024「サイレントラブ」製作委員会