Netflixラインナップ発表イベント「Next on Netflix 2024」が2月8日（木）に都内で行われ、Netflixシリーズ『地面師たち』の大根仁監督、Netflixシリーズ『忍びの家 House of Ninjas』のデイヴ・ボイル監督が登壇した。

今回のイベントで制作が発表された『地面師たち』の大根仁監督は「実際に起きた地面師詐欺が仕事場の近くということもあって興味を持っていて、これを何らかの形でフィクションで映像化したらと思って本屋に行ったら（原作が）並んでいて。1日で読み終わって映像化したいと自分で出版社に電話して」と映像化への経緯を明かした。その映像化について「この題材はNetflixが一番合うと思った」と振り返った。

本作では「基本的に会議室で行われるものなので映像的には地味なものになってしまうと思った」という大根監督だが「内面はものすごいアクションが起きているということをどう映像で表現するかを意識しました」と振り返った。また、「原作では掘り起こせなかった騙される側の話にも興味があって、騙される側の内面も知りたいと思った」とリサーチをしていったという。

『地面士たち』では、脚本を書く際に「まず主演の2人をキャスティングしたいと話しました。そこで綾野剛さんと豊川悦司さんにリクエストを出して受けていただいた」と明かした。大根監督は、綾野について「若い時からオーラのある役者だっと思った。キャリアを重ねることによって、そこに深みとか喜怒哀楽の先の表情や心情を演じるようになってきていると思って。非常に複雑なキャラクターで、いろいろな面があるのでそれを表現できるのはくんしかいない」と称賛した。豊川についても「非常に新しい怪物感があって、インテリジェンスがあって、非常に魅力的なキャラクターなので、豊川さんしかいない」とキャスティング理由を語った。

大根監督は「これまでいろいろな映像作品をやってきましたけど、Netflixをやってみてテレビドラマや映画と違う部分は、まず監督とか演出の自由度は高いというのはあります。企画においても内容においても制作環境においてもそうです。制作環境では労働時間とか現場の感興に気を遣っていただいている、現場重視、スタッフ重視ということがありがたい。自分でやりたい企画がありますので、ぜひNetflixでしかできないものもあるのでお世話になりたい」と語った。

Netflixから「忍者モノに興味がありますか？」というオファーを受けたデイヴ・ボイル監督は「おもしろそうな話。オリジナルで作るつもりですと言われて、見逃してはならないチャンスだと思った。忍者は世界中がワクワクします」と振り返った。「今までに見たことがない忍者モノにしたいと思って。忍者のリサーチとかしたんですけど、昔の忍者は規則とかルールがいっぱいあって、それがおもしろいと思って」と明かした。

デイヴ監督は原題を舞台にした“忍者モノ”ということで「しっかり忍者として見せたい」といい、「アクションの作り方によってキャラクターの本質が現れるといいなと思った」と振り返った。「それぞれのキャラクターが日常生活で忍術を使ったり、忍者みたいな動きをしていることを描きたかった」と語った。

賀来賢人とのタッグについて「楽しかったです。昔からの友達に会っている感じでした」というデイヴ監督は「ストーリーテリングの才能もあると思う。本の開発にも参加していただいて」と称賛し、「出来るだけ説明せずに、視聴者を信じて自信を持って見せよう」ということでセリフを削ることもあったという。この作品のために日本に住んだというデイヴ監督は「アメリカの制作では個別でやる。映像を作る作業は世界でだいたい一緒だと思いますけど、何を強調するかは微妙に違う。日本の今回のスタッフは全員素晴らしかった。準備の大切さは日本で大事にされていると感じました」と語った。

デイヴ監督は「Netflixと仕事をして自由度に感動しました。ユニークな作品を作ることができたことに感謝しています。作品のユニークさを強調してくださいと言われ続けて作ったので、こんなスケールでオリジナルなストーリーを作るというのはなかなかないので貴重な機会だと思う。これからもそういうスケール感で、世界を描く作品を作っていきたい」と語った。

【提供写真、文／編集部】

Netflixシリーズ『忍びの家 House of Ninjas』は2024年2月15日（木）Netflixにて世界独占配信
Netflixシリーズ『地面師たち』は2024年にNetflixで世界独占配信
©新庄耕／集英社