『マッチング』の感謝御礼舞台挨拶が3月17日(日)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、土屋太鳳、佐久間大介、内田英治監督が登壇した。
恋人探し、婚活など、現代人に最も身近なツールとなったマッチングアプリ。気軽さも手伝ってその普及率は年々増加の一途をたどっている。しかし同時に、ユーザー間でのトラブルも多数報告されており、やって来た相手がプロフィールとは全くの別人だったり、さらに深刻な事件に発展するケースも。本作では、マッチングアプリを通じて他人と気軽に出会えるようになった現代だからこそ起こる“身近に潜む恐怖”を、追い詰められてゆく主人公とともにジェットコースターに乗ったかのようなスリルと、予測不可能なストーリー展開で描く。主人公・輪花役に土屋太鳳、輪花とアプリでマッチングする“狂気のストーカー”永山吐夢役として本作が初の実写映画単独出演となるSnow Man 佐久間大介、輪花を助けるマッチングアプリ運営会社のプログラマー・影山剛役に金子ノブアキを迎え、内田英治が監督・脚本を務める。
登壇時には、土屋のイヤリングが外れて落ちてしまうハプニングがあったものの、そのイヤリングを拾い上げた佐久間は「厄落としになりましたね」と笑顔でフォローした。公開から4週が経ち、「こんなにも季節の変化を感じられて、長くお客様にお礼をお伝えできることをできてうれしく思います」と挨拶した土屋は「うれしいですし、最初の舞台挨拶より髪伸びましたよね」と問いかけると、佐久間は「(髪色が)黒の比率が多くなた(笑)」と笑いを誘った。また、この日の衣装はクローバーをイメージしたという土屋だが、同じく緑が入った衣装で登壇した佐久間は「たまたま緑が入っているので、いい具合にマッチングしてますね」と笑顔を見せた。
公開後にはさまざまな考察が寄せられる中で「“輪花ちゃんが犯人かもしれない”みたいな考察をされていて。私は気づかなかったけど、確かに輪花の空いてる時間は写されてないんです。実際ありえるだろうな」と発見があったという土屋。さらに「監督が続編作るときに輪花を犯人にしなくなりそう(笑)」というと、「すごいアイデアだなと」と内田監督自身も驚いているという。
一方で佐久間は、内田監督による原作小説も読んだと言い、「(映画では描かれていない部分に)こんなこともやっているんだと意外性があった。それを知ってくださったファンの方たちが、“ここまで表現してるんだ”と言ってくださっているんですけど、うまい具合にそこまで考えがいっていなかった。僕たちの芝居と監督が描いた心情にマッチしていたんだな。奇跡が折り重なってできあがった作品」と感慨深げな様子を見せた。
また、“お互いがマッチングした瞬間”を聞かれると「撮影現場で気が引き締まった場面があった」という佐久間は「屋上でのシーンで、監督が内田組という家族みたいに仲がいい人に、屋上で危ないところだから気を付けようと。親しい人に厳しく言うのは難しいことだと思う。しっかりと言われている姿を見て場が締まった」といい、土屋も「普段声が大きくないですもんね。その時はちゃんとおっしゃっていて。慣れてるからといってもダメだよと言っていて」といい、内田監督も「安全第一なので」と振り返った。
その内田監督について「おもしろい方」という土屋は「演者の心とマッチングするのがお上手」というと、「受け入れてくれるよね」と共感する佐久間。土屋は「感情がのってると思ったらカットかけないんです。とてもうれしかったですし、役作りをしていてよかったなと思いました」と語った。また、佐久間については土屋は「保護猫を飼われていますよね。私も小さいころに飼っていて、それを知った時に“吐夢が保護猫みたいだな”と思ったんです」と語った。
さらに登壇者からお互いへの手紙が披露された。佐久間は「先頭で旗を振ってくれる姿は、まるで令和のジャンヌ・ダルクのようで、大きな背中に勇気をたくさんもらいました」と表現し、「太鳳ちゃんがかっこよすぎて、僕にとって憧れの役者さんになりました。僕もいつか座長に就くことがあったら太鳳ちゃんのように関わる全ての人に優しく、力強く作品をしっかり背負う座長になれるようにがんばります」と土屋への感謝を込め、さらに「みなさまからたくさんの愛を感じることができて幸せです。これからもこの作品を、キャラクターたちをたくさん愛してください。愛してくださるみなさんのことを僕も愛したいと思います」と感謝を語り、「気づいたら4ページ書いていました」と長文を披露した。
土屋は「初めて舞台で拝見した佐久間さんはまるで火の玉のようでした。私がその姿を忘れられないように、佐久間さんはいろいろな姿をたくさん人の心に刻みながら生きてこられたと思います。そして今、新たに佐久間さんは吐夢とともに時を超えようとしています。吐夢の痛みは時代を超えて、愛情とは一体何なのか考える種をまき続けることでしょう。吐夢がこれほど切ないのは演じる、佐久間さんご自身が愛情の正体を分かっていらっしゃるからだと思います。少年のようにまっすぐ現場に注いでくださいました。本当に救われました」と語った。
イベントの終盤では、入場者プレゼント第3弾として輪花・吐夢・影山の台詞が入った「クリオネポストカード」が3月20日(水・祝)より配布されることが発表された。最後に土屋は「映画は時代を超える力があるんだなと感じましたし、作品は観てくださる方々によって育ててもらうものなんだなと改めて感じました。これからも『マッチング』を見守ってくださったらうれしいです。また吐夢や影山さんと出会えるように、発声練習をしていこうと思います」とメッセージを送った。
【写真・文/編集部】
『マッチング』は全国で公開中
監督:内田英治
出演:土屋太鳳
佐久間大介、金子ノブアキ
真飛聖、後藤剛範、片山萌美、片岡礼子
杉本哲太、斉藤由貴
配給:KADOKAWA
©2024『マッチング』製作委員会