『ハピネス』の大ヒット祈願イベントが3月20日(水・祝)に都内で行われ、窪塚愛流、蒔田彩珠が登壇した。

「わたしね、あと1週間で死んじゃうの――。」恋人の突然の告白からはじまった“ふたりの7日間”は、悲しいけれど、幸福と愛に満ちあふれた、かけがえのない奇跡だった――。残り少ない日々を命の限り輝かせようとする少女と、そんな彼女の夢を全力で支えようと奔走する少年とが繰り広げる純度100%のラブストーリーである本作。彼女の突然の告白に戸惑いながらも、幸せな日々を一緒につくりあげることに協力する雪夫役には窪塚愛流。心臓の病気のため、医者から余命1週間と告げられた高校2年生の由茉役に蒔田彩珠。17歳という若さで逃れられない運命に対する絶望や動揺、怒り、悲しみなど、すべての感情を抱え込んだ上で、慎重に生きることよりも、残りの人生を笑顔で、幸せに過ごすことを選んだ2人を好演する。

「(台本を読んで)初めて涙が出て、とても温かい気持ちになった」という窪塚は「不思議な気持ちがなんだろうと読ませていただいたときに分からなかったんですけど、自分の中で納得させられるようにしたいと思った」と振り返った。「余命がある役もそうですけど、ロリータファッションも着たことがなかったので初めて経験することが多い役柄」という蒔田だが、本作の台本を読み「挑戦したいと思った」と振り返った。そのファッションについては、窪塚も「こんなに様になる方がいるんだな」と驚いたといい、蒔田は「衣装の力はすごいなと思いました」と役作りをする上での助けにもなったという。

撮影期間中は「由茉としか見ないでおこうと思った」という窪塚は「一緒に読み合わせをしたときに想像以上に(蒔田が)由茉であって。あまり会話が弾むようなお話をしなかったので作品に集中して臨むことができました」と明かした。蒔田は「(窪塚が)現場に入る前から台本を読み込まれていると思って、着いていかないとと思った」というが、窪塚は「ガチガチに緊張してた」と明かした。

その撮影中には「唯一、素の状態で話すのがカレーとか食べてるときでした」という蒔田に、窪塚も「おいしかったですね」と笑顔を見せ、「さまざまなカレーの味があったので楽しめました」と思い出を語った。

この日が3月20日の「国際幸福デー」であることにちなんで、撮影中に感じた“ハピネス”について聞かれると、「いろんな意味で追い込まれていたので。1日1シーン重いシーンがあったんです。正直ハピネスを感じられる暇はなかった」と考え込む窪塚だが「強いて言うならば、撮影中に一度湯船をためたんです。肩まで温かいお湯に感じた時に“ハピネス”と感じました」といい、蒔田は「撮影が終わって、家に帰ってお布団に入る時が毎日“ハピネス”でした」と笑顔を見せた。

一方で“日常で感じるハピネス”については、「日本各地に友達が多いんです。同世代だったりちょっと上の方と電話をするときに、最近何をしているか聞くんです。僕は俳優として、向こうはバイトとかいろんなことがある中でジャンルは違えどがんばっている姿を見ればがんばろうと前向きな気持ちになる」といい「寂しがり屋だと思います。ついかけちゃう」と明かした。蒔田は「朝起きてアラームと一緒に猫が起こしに来てくれるんですけど、その時が生きていて一番幸せです。顎をかまれます。痛いですけど幸せなので怒らないです」と笑いを誘った

まもなく迎える新年度にやりたいことについては、去年から自炊をするようになったという窪塚は「手をつけられていないのがカレーです。一つ一つ丁寧に、自分に一番合うカレーを作りたい」と答え、蒔田は「ゲームです。兄がゲーム大好きで横から見ていたので今年はいろんなゲームに挑戦したい。ホラーゲームやりたいです。ホラーを見るのは好きなので」と笑った。

最後に窪塚は「恋人目線ではなくて家族目線でも見ていただけ、楽しんで見てもらえると思います。いろんな愛の形がある中で、みんなが由茉を想って素敵な愛の形になっています。見てくださった方々それぞれの思いが正解だと思います」、蒔田は「私は由茉に共感しながら演じていたんですけど、それぞれのキャスト、見る人によって共感する相手が違う、共感できる相手がたくさんいるので、いろんな人に共感しながら見ていただきたいです。見た後に温かい気持ちになっていただける作品です」と本作をアピールした。

【写真・文/編集部】

『ハピネス』は2024年5月17日(金)より全国で公開
監督:篠原哲雄
出演:窪塚愛流、蒔田彩珠
橋本愛、山崎まさよし、吉田羊
配給:バンダイナムコフィルムワークス
© 嶽本野ばら/小学館/「ハピネス」製作委員会