エンニオ・モリコーネの名曲がスクリーンに甦る―『死刑台のメロディ』4Kリマスター・英語版と、日本初公開となる『ラ・カリファ』の名曲映画2作品が『エンニオ・モリコーネ特選上映 Morricone Special Screening×2』と題し、4月19日(金)より新宿武蔵野館ほかにて公開される。
その91年の生涯で、500作品以上もの映画・TV作品の音楽を手がけた映画音楽界の巨匠エンニオ・モリコーネ(1928-2020)。昨年劇場公開されたジュゼッペ・トルナトーレ監督によるドキュメンタリー映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』(21)での大きな感動と称賛を経て、『荒野の用心棒』(64)『夕陽のガンマン』(65)『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』(66)の“ドル3部作”が4K劇場リバイバルされるなど、再びモリコーネ・リスペクト、再評価の動きが高まっている。
日本初公開となる『ラ・カリファ』(70)は、かつての仲間だった工場長とストライキの女性リーダーの禁断の恋を描き、最盛期前夜のロミー・シュナイダーが許されぬ恋におちる女性を体当たりで演じた社会派メロドラマ。本作のテーマ曲は、ヨーヨー・マがチェロで演奏し、サラ・ブライトマンらがカヴァーし、スウィートボックスの大ヒットナンバー「ロンリー」の原曲としても知られている。1985年にNHKで放映されて日本で一大ルーヴル美術館ブームを巻き起こしたテレビ番組「ルーヴル美術館」の挿入歌として広く親しまれたテーマソングであり、さらにフィギュアスケートの樋口新葉選手が四大陸フィギュアスケート選手権のショートプログラムに使用するなど、数あるモリコーネのスコアの中でも人気上位曲として知られている。
モリコーネファンでなくても、一度は耳にしたことがあるであろう名曲がテーマ曲として使われている『ラ・カリファ』であるが、楽曲からは想像できないほどの社会派作品。イタリアのとある町での労働争議を描き、ロミー・シュナイダー演じる争議の混乱の中で夫を亡くしたヒロインが夫の代わりに運動の先頭に立つが、敵であるはずの工場経営者と何度か対立していくうちに惹かれ合っていくという切ないラブストーリー。甘美なメロディが物語の結末に寄り添っていく。ぜひ銀幕でご体感いただきたい。
ラ・カリファ
★1971年度カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品
★1971年度デヴィッド・ディ・ドナテッロ 主演男優賞受賞(ウーゴ・トニャッツィ)
モリコーネの甘美なメロディが心に沁みる─。最盛期前夜のロミー・シュナイダーが許されぬ恋におちる女性を
体当たりで演じた社会派メロドラマが、待望の日本初公開。かつての仲間だった工場長とストライキの女性リーダーが恋におちてゆく社会派メロドラマ。32歳の女盛りを迎えた凛々しいロミー・シュナイダーと、『Mr.レディ Mr.マダム』シリーズのウーゴ・トニャッツィが禁断の恋を演じる。本作のテーマ曲は、数あるモリコーネのスコアの中で人気の高い曲として知られているが、映画自体は日本では劇場未公開だった。今回ファン待望の日本初公開が実現する。監督は脚本家として活躍し、本作で監督デビューを飾ったアルベルト・ベヴィラクア。
監督・脚本:アルベルト・ベヴィラクア 撮影:ロベルト・ジェラルディ 音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:ロミー・シュナイダー、ウーゴ・トニャッツィ、マリーナ・ベルティ、マッシモ・ファネッリ、ロベルト・ビサッコ
1970年/イタリア・フランス/ドラマ/原題:LA CALIFFA/91分/カラー/ビスタサイズ/DCP/イタリア語モノラル
©1970 RTI
『エンニオ・モリコーネ特選上映 Morricone Special Screening×2』は2024年4月19日(金)より新宿武蔵野館ほか全国で順次公開