『猿の惑星/キングダム』のジャパンプレミアが5月8日(水)にTOHOシネマズ新宿で行われ、プロモーションでの来日は初となる監督のウェス・ボールとプロデューサーのジョー・ハートウィック、日本版声優の松岡禎丞、小松未可子、竹内力が登壇した。
本作の舞台は、高い知能と言語を得た猿の暴君が絶対的な支配を目論み、巨大な帝国<キングダム>を築こうとしている世界。人類は自ら生み出したウィルスの猛威により退化し、知能や言語だけでなく、文化、技術、社会性までも失い、まるで野生動物のような存在となっていた―。今から300年後の世界を舞台にした本作では“猿”と“人間”の共存をかけ、“猿&人間”VS“猿の独裁者”の新たなる衝突が圧倒的なスケールで描かれる。メガホンをとったのはウェス・ボール監督。オーウェン・ティーグが主人公・ノアを演じ、ある秘密を握る人間の女性・ノヴァ役にフレイヤ・アーラン。
イベントには、本作のメガホンをとったウェス・ボール監督と監督の右腕でプロデューサーのジョー・ハートウィック、そして冷酷な独裁者プロキシマス・シーザー役の日本版声優を務める竹内力と重大な秘密を抱える人間の女性ノヴァ役の日本版声優を務める小松未可子が登場。日本で初お披露目となる本作の観賞を楽しみに待つファンに向けてウェス監督は「こんにちは」と日本語で挨拶。そんな“日本愛”溢れる監督を迎えた竹内は「自分が子供の頃に観て衝撃を受けたあの第一作目から、50年以上続いているこの世界的な作品に携わることができて大変嬉しく思います」と感謝の気持ちを伝え、小松も「自分の成長と共に新しく出てくる『猿の惑星』を見てきた人生だったので、今回参加できて非常に光栄に思っております」と喜びの言葉を贈った。
猿と人間の立場が逆転した驚愕の世界を描く本作では、かつて人間によって生み出された猿ウィルスが猛威をふるい大都会だった世界は荒廃。人間は知能や言語だけでなく、文化、技術、社会性までも失い、まるで野生動物のような存在となっていた。そんな野生化した人間のうちの一人であるノヴァの日本版声優を務める小松は「彼女の賢さ、運動神経の良さ、随所の眼差しから感じられる意志の強さなどが非常に魅力的なんですけれども、彼女の持っている秘密が賢さに繋がっていたり、本当に魅力の詰まった人物なので目を凝らしてよく見ていただけたら嬉しいです」と物語のカギを握るノヴァの魅力を熱弁。小松が解説するように、“一番賢い人間”として猿に目を付けられていたり、主人公のノアの後をついて行ったりと他の人間とはどこか違う雰囲気を醸し出すノヴァの動向から目が離せない。高い知能と言語を得た猿たちのさらなる進化と絶対的な支配のため人類の残した“ある秘密”を探しながら、巨大な帝国<キングダム>を築こうと目論むプロキシマス。その日本版声優を務める竹内は「威風堂々とした立ち振る舞いにまさにラスボス感を感じました。そのキャラクター性を損なわないように全身全霊で吹替を担当させていただきました」とカリスマ性の溢れる悪役プロキシマスへの思いを明かした。
そんな個性豊かな登場キャラクターたちが見所の一つでもある本作だが、『猿の惑星』の新たな時代を描く上で制作陣はキャラクター作りのあることを意識したそうで、プロデューサーのジョー・ハートウィックは「主人公のノアは我々にとっての新たなシーザーです。アンディ・サーキスがこれまでリブートシリーズで与えてくれたものを新たな主人公に反映しています」とキャラクターたちの制作秘話を告白。半世紀以上、愛され続ける『猿の惑星』シリーズへのリスペクトともに新たな物語に挑戦する製作陣の徹底したこだわりを感じさせる。さらに、“完全新作”として本作から『猿の惑星』を見始める人も十分楽しめる作品にすることをこだわったそうで、監督は「この完全新作を手掛けることが決まった時、過去の作品にリスペクトをもちつつも新たに物語を前進させる必要があると考えました。新しいキャラクター、新しい始まり、新しい衣装、新しい物語、新しいアドベンチャー…新たな要素を詰め込み、過去の作品から時代的にも距離をとることですべてが新鮮になり、今までのファンはもちろん『猿の惑星』に初めて触れる方も主人公ノアの瞳を通して『猿の惑星』の世界を再発見できるような映画になっています」とそのポイントを明かした。
本作にまつわる熱い話題が飛び交う中、主人公の若き猿ノア役の日本版声優を務める松岡禎丞が急遽駆け付け、サプライズ登場。「直前まで仕事だったから間に合うかな~と思ってたんですけど、間に合って良かったです」と挨拶すると舞台上で監督とプロデューサー、そして日本版声優に自己紹介をし会場は笑いに包まれ。松岡が日本版声優を務める若き猿ノアは、ある日突然プロキシマスに大切な家族と村を奪われた青年。本作の中では、青年ならではの葛藤を抱えながら家族奪還のため少しずつ殻を破ろうとするノアの姿が描かれるが、松岡は「とあるシーンで涙が止まらなくなったことがありまして、そのシーンを通して人間と猿の“思い”の表現が全く違うんだなということが分かり、心が張り裂けそうなくらいにいたくなりました」と吹替をする中でノアに強く共感していたこと、猿であるノアの姿を通して観る者の心を引き付ける魅力が本作にはあることを語った。
その背景には、俳優の演技を忠実にCGに落とし込むWETAの技術が大きく影響している訳だが、監督は世界最高峰の技術を持つWETAと作り上げた本作の映像について「WETAは真のアーティストで、この作品では彼らの全ての力を踏襲して作ってくれました。なんと編集に1年半をかけています。彼らはキャストの演技を活かす方法を知っているので、見ている対象は猿なのに自分を重ねていたり、人間性を感じて心揺さぶられたりするのです。それがWETAのマジックだと思います。同時にものすごく没入できるスペクタクル映画にもなっていますし、作品に入り込めるアドベンチャーになっているので、一番巨大なスクリーンで最高の劇場体験を楽しんでほしいです」と力説。大スクリーンで鑑賞してほしいという熱い思いを明かした。
制作の際にはどんな細かいことでも自分で確認することを徹底していた“完璧主義”の監督。そんな監督に印象的なセリフを本番さながらに披露することとなった声優陣だったが、彼らの生の演技を見た監督は「最高だよ!本当にワクワクするね。吹替版で見てみたい!パーフェクトキャスティングだよ!」とテンションMAXで絶賛し、お墨付きを送った。
そんな監督とプロデューサーに日本らしいおもてなしをとプレゼントを用意した声優陣。3人を代表して竹内は「日本らしいものがいいかなと思って用意しました!」とゲストのお二人への“おもいやり”の思いを伝え、猿たちのデザインが施された福岡県指定伝統工芸品の今宿人形を「どんな作品にも勝る(マサル)!」という願いと共に贈った。ノア・プロキシマスをはじめとした猿のお面を受け取った監督とジョーはプレゼントに興味津々の様子。監督はお面を顔に被せながら「すごく嬉しいです!僕は日本が大好きなのでこの素敵なプレゼントに感動しています!オフィスの壁に飾ります!」と感激の思いを語り、大きな喜びを見せた。
最後に本作を楽しみに待つファンに向けて竹内から「世界最高峰のVFX映像のリアルな世界を存分にたのしんでください!」と、監督から「今回の作品は、スペクタルな冒険と衝撃の真実が共存した作品になっていると自負しています。感動し心動かされるテーマが含まれているので、観た後に話したくなる魅力もありつつ、最高峰のVFXを用いた素晴らしい映像で衝撃的な劇場体験を味わえる作品にもなっているので楽しんでいただきたいです。また、物語は普遍的なものになっているので国境を越えて愛される作品になると嬉しいです。一つだけお願いです。どうかこれから作品を見る人のために“NOネタバレ”でお願いします」と熱いメッセージが贈られ、イベントは大盛況のうちに幕を閉じた。
【提供写真、オフィシャルレポート】
『猿の惑星/キングダム』は2024年5月10日(金)より全国で公開
監督:ウェス・ボール
出演:オーウェン・ティーグ、フレイヤ・アーラン
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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