佐渡島を舞台に記憶を失った2人の謎めいた過去と運命を描く小松菜奈&松田龍平W主演映画『わたくしどもは。』の場面写真が解禁された。

本作は、ヴェネチア国際映画祭が新鋭監督を支援するプロジェクトBiennale College Cinema 2018-2019において、インターナショナル部門9作品のうち日本から唯一選ばれた企画であり、香港国際映画祭、昨年の東京国際映画祭など多くの国際映画祭でも映画化の期待と注目を浴びた。企画から5年の月日を経て、本年の東京国際映画祭コンペティション部門公式出品作品としてワールドプレミアを迎える。江戸時代、無宿人と呼ばれる戸籍を剥奪された人々が内地から佐渡島に連れてこられ、金山で過酷な労働を強いられた結果、多くの方が命を落とすという出来事があった。佐渡島を訪れた富名監督は、この金山跡地の片隅にひっそり佇む墓地、”無宿人の墓”の存在から本作の着想を得た。

今回解禁された場面写真では記憶も名前もないミドリ(小松菜奈)がキイ(大竹しのぶ)によって助けられ、キイと同じ清掃員としての職を与えられ、佐渡島を案内されている様子を、また優しく見守るキイの温かい表情が印象的に収められている。さらに同じく記憶を失い警備員として働くアオ(松田龍平)の前に突然、謎の女性ムラサキ(石橋静河)が現れるシーンを解禁。動揺しているアオはムラサキに何者かを問うが「あなたのこと昔から知ってるような気がするの。あなたもそう思ってるんじゃない?」と意味深な発言をする。ムラサキとアオの関係は一体…。

本作で唯一名前のある向田透(片岡千之助)はろう者の母(内田也哉子)を持つコーダ。ジェンダーの悩みを抱える透は母に心配をされるも打ち明けられず一人で抱え込んでいる。そのほか、あの世とこの世の狭間の番人である館長(田中泯)が神妙な面持ちで、キイに何かを告げている重要なシーンなども解禁。彷徨える魂たちは一体、何処から来て、何処へ行くのか。

主な舞台となる「佐渡島の金山」は2024年世界遺産登録を目指している。さらにミドリが目覚める場所として使われた旧相川拘置支所、ミドリとアオの待ち合わせ場所となる新穂大野の古寺など象徴的に佐渡島の名所が登場する。島に流れる緩やかな時の中、永きに亘る歴史と伝統を色濃く残しながら、豊かな自然の恵みの中で富名監督の幻想奇譚は生み出された。ぜひスクリーンで大自然と静観の世界に没入してもらいたい。

『わたくしどもは。』は2024年5月31日(金)より新宿シネマカリテほか全国で順次公開
監督・脚本:富名哲也
出演:小松菜奈、松田龍平
 大竹しのぶ、片岡千之助、石橋静河、田中泯、内田也哉子、森山開次、辰巳満次郎
 田中椿、三島天瑠
配給:テツヤトミナフィルム
配給協力:ハピネットファントム・スタジオ
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