『バジーノイズ』の公開後御礼舞台挨拶が5月14日(火)にユナイテッド・シネマ豊洲で行われ、川西拓実(JO1)、桜田ひより、原作者・むつき潤が登壇した。
週刊ビッグコミックスピリッツ(小学館刊)で連載され、登場人物たちの心理描写のリアルさ、DTM(デスクトップミュージック)を題材に誌面を飛び越えてくるかのような独特な音楽表現とタイムリーなテーマ性でSNSを中心に熱い支持と共感を集めた「バジーノイズ」を実写映画化。主演を務めるのは、グローバルボーイズグループ・JO1の川西拓実。映画初主演の川西は、人とかかわる事を必要とせず、たったひとつの“すきなもの”である音楽をPCで作り、ひとり奏でるだけのシンプルな生活を送っている清澄を演じる。もう一人の主演は、風間太樹監督とは「silent」に続き2回目のタッグとなる桜田ひより。自分の気持ちに素直に生き、清澄の閉じた世界に強烈なノイズが流れ込むきっかけとなる潮を演じる。
公開前日に行われた舞台挨拶ではJO1メンバーにも「見ていただかないといけないと思っています(笑)」と話していた川西だが「3人、4人くらい」が見たといい、そのうち豆原一成とは事務所社長と3人で見に行ったというが、その際には「隣で泣く声が聞こえてきて。鼻をすすって、うれしいなと思いました。音楽を演奏しているシーンも褒めていただきました」と明かしつつ、「ちょっと笑っちゃいました(笑)『あ、泣いてる』と思って(笑)」と笑いを誘った。ほかのメンバーからは「『音を鳴らしたい』というセリフが変なふうに聞こえたメンバーがいたらしくて…アホやなと思いました(笑)」と明かし、会場からは笑いがこぼれた。一方で桜田は「両親も見に行ってくれたので。2回見てくれたんですけど1回目も2回目も同じところで泣いたと言ってくれました」と明かした。
この日は原作者のむつき潤も登壇。以前、むつきから2人に贈られたという色紙が披露された。この色紙を手に持ち、「めちゃめちゃ当たり前なんですけど清澄描くのうまって思いました(笑)」と笑う川西。桜田も「(潮を描くのが)久々だとは思えない」と共感していた。また、この色紙について川西は「一番目に入るであろう場所に置かせていただいて」と明かした。
また、撮影現場を訪れたというむつきだが「取材の時もそうですし、現場でもそうですけど、カメラの前だとプロフェッショナルで」と2人の印象を語り「お二人ともスクリーンで見て素晴らしかったです」と絶賛した。
そんなむつきが生み出したキャラクターを演じた川西は「原作のファンの方たちもいらっしゃいますし、音楽をやられている方が見ると、音楽シーンでめちゃめちゃやんと思われてしまうところで、監督やスタッフに助けられながら撮影したので感謝の気持ちを持ってこれからも活動していきたい」と語り、桜田は「潮ちゃんは結構な破天荒さがあって、驚くような言動が多かったと思うんですけど、いかに実際にいるような女の子にいるようにするか、プラス関西弁と。自分にとって新たなお仕事の幅が広がった、自分自身とても成長できた素敵な作品です」と感慨深げな様子だった。
先日の舞台挨拶では、むつきから手紙が贈られたが、「直接的な言葉をいただけて、僕の成長につながって忘れられない作品になった。本当にやってよかったと改めて、こういう方たちに出会ってよかったと思いました」と話す川西。手紙に涙を見せていた桜田は「家に帰って振り返った時に、あの涙ってどこから来たんだろうと考えてた」といい「潮ちゃんに自分自身を投影していた部分もあったので、もがいていた夏だったなというのをむつき先生の言葉ですべて救われたというか。自分が成長するために必要なものだったし、この作品が私にとって大切なものになったんだなと改めて思えた瞬間でした」と振り返った。
最後にむつきは「漫画と映画合わせて『バジーノイズ』というお話を、それから清澄くんと潮ちゃんを末長らく心のどこかに留め置いていただけるとうれしいです」、桜田は「先生と一緒に登壇する機会はなかなかないので楽しかったですし、夏の思い出がよみがえる心が温かくなる時間を共有できたのがうれしかったです。何度も見て、自分の好きなポイントを心に刻んで、少しでも豊かな生活を送れますように」、川西は「『バジーノイズ』という作品、漫画、映画、関わらずこれからもずっと愛し続けて、みなさんの心の中に少しでも刺さる言葉だったり音楽が残り続けて欲しいと思っています」と挨拶し、この日が本作で最後の舞台挨拶ということで「『バジーノイズ』最高です!」とイベントを締めた。
【写真・文/編集部】
『バジーノイズ』は公開中
監督:風間太樹
出演:川西拓実(JO1)、桜田ひより、井之脇海、栁俊太郎
円井わん、奥野瑛太、天野はな、駒井蓮、櫻井海音、馬場園梓/佐津川愛美、テイ龍進
配給:ギャガ
©むつき潤・小学館/「バジーノイズ」製作委員会