『トラペジウム』の公開御礼舞台挨拶が5月18日(土)に新宿バルト9で行われ、高山一実、結川あさき、西野七瀬、内村光良が登壇した。

原作「トラペジウム」は、自分の力で仲間を集め、アイドルを目指す高校生・東ゆうの物語。2016年から雑誌「ダ・ヴィンチ」で連載を開始し、2018年には単行本化された高山一実による青春小説。現役トップアイドルが描くリアルな描写、そして共感度の高い内容で累計30万部を売り上げている。原作者である高山一実がシナリオ制作など映画制作に深く関わり、彼女でなければ描けないテーマ「アイドルが放つ輝き」とは何なのか?「アイドル」とは何なのか?という“想い”をさらに追い求め、CloverWorksのスタッフとともにアニメーション映画化。全国の映画館でアイドルを目指す少女の10年間を描いた青春物語が幕を開ける。

今回行われたイベントには、原作者の高山一実、東ゆう役の結川あさき、ゆうたちがボランティア活動で親交を深める伊丹秀一の仲間のおじいさん役の西野七瀬、伊丹秀一役の内村光良が登壇した。

公開から1週間が経ち、「『分かる』というのばかりで。『トラペジウム』は不等辺四角形という意味で、きれいな話にしたくないというのがあったので、いろんなご意見をいただけるのがタイトルとつながっていてうれしい」と喜ぶ高山。結川は「私は演じている側でゆうに愛着があるんですけど、『そういうふうに見えるんだ』とか、見る人によって違う見え方をしていると実感していて」という。

本作ではおじいさん役を演じる高山と西野。演じることが決まったときのことを、西野は「笑っちゃいました、おじいさんと思って(笑)本当に?みたいな。やったことないから。だけど、かずみん(高山)と内村さんと、と聞いて、一緒にだった、心強いかもと思ってすぐに『やりたいです』と言いました」と振り返った。一方で役作りについては「一応前日に練習してみたけど」と話す高山、西野は「どうにか(声が)枯れないかなと」と笑った。高山は「お寿司屋さんで、『なぁちゃん実は…』とお話したんですけど、『おばあさんでいけそうならおばあさんだけど、もしかしたらおじいさんになっちゃうかも』と」とやり取りがあったことを明かしつつ「(西野が)めちゃくちゃおじいさんに近づけてくれて」と称賛すると、西野は「もっと高みを目指したかった。もっとこうすればよかったと思っちゃった」と笑いを誘った。

アフレコは高山と西野が一緒に行ったというが「一緒に出来てよかった。1人だと恥ずかしすぎてもっと声出なかったかな。隣にいるから笑いながらやってた」という西野。高山も「ブースで2人だけでやって、楽しみながらさせていただきました」と明かした。また、「グループにいた時はおばあさんの声で会話する遊びがあったので」という西野に、高山は「『うまい!』って言いあう」と乃木坂46時代を振り返った。

また、イベントでは結川から登壇者に質問。内村には「芸能界で長く活動されていく秘訣を聞きたい」を問いかけると、悩んだ内村は「なんだろう…早寝早起きですかね。6時過ぎには起きてますので。あとはちゃんと仕事に行くこと(笑)」とアドバイスを送った。

西野には、結川が演じるゆうがアイドルグループ「東西南北」にちなんで「西野さんがグループ活動をされていたときに自分に近いと思ったキャラクターはいますか?」と質問すると、「(東西南北は)4人とも個性すごいから」と悩む西野。高山は「本当にない。中心で。真ん中になるべくしてなってる人」と西野の印象を語った。また、高山は「アニメ見てるとこの子のここ嫌だなというのがあるし、自分がこういう子がいたら困るというセリフを言わせたりしたからあまり重なることはなくて。強いて言うなら真司が制服好きじゃない?」と“真司”に近いことを明かした。

最後に内村は「本当にいい作品。だんだん友情が深まったいく感じも乃木坂で培った経験からきてるのかな」と称賛、西野は「個人的には活動しているところは懐かしい感覚というか。スタジオとかテレビ局もなんか見覚えるなと思い出しながら見ることができる。4人の女の子の青春の時間をのぞき見しているような気分になれて、素敵なきらきらした映画だなと思って。当時執筆しているときに結構近くにいたかなという記憶があって。いつもパソコンを持ち歩いていてみんなが休んでいる時間も打ったりしていて。打ち込んでいる感はあるけど、弱音は一言も聞いたことがなかったから。そこから一冊の本を作って劇場で映画が公開されるのにも、本当にすごいことをしていたんだなと改めて尊敬。グループの活動もしながら、本当に素晴らしいと思いました」と語った。

結川は「何度見てもどんどん好きになっていく。見るたびに青春時代の辛さもおもしろさも何度も思い出す作品で、高山さんに何度感謝を伝えても足りないです。これからも微力ながらですが『トラペジウム』のためにできることをがんばりたい」、高山は「“ありがたい”が重なっていく毎日を過ごしています。たくさんの方に関わっていただいて、自分の中でキャラクターの事とか、自分以上に考えてくださっている監督さんがいるのはうれしい気持ちになりました」と感謝の気持ちを口にして、「人としても素晴らしくないと成功しないから、ゆうには(成長するために)傷ついたりしてほしくてがんばらせすぎちゃったなという部分も残るんですけど、こういう機会をいただけるのはうれしいです。“ありがたい!”という気持ちです」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

『トラペジウム』は全国で公開中
監督:篠原正寛
声の出演:結川あさき、羊宮妃那、上田麗奈、相川遥花、木全翔也(JO1)、久保ユリカ、木野日菜、内村光良
配給:アニプレックス
©2024「トラペジウム」製作委員会