『違国日記』特別試写会 早瀬憩、“なりたい大人像”は新垣結衣「周りを気遣える素敵な大人になれたら」

『違国日記』のトークイベント付き特別試写会が5月9日（木）が都内で行われ、早瀬憩、小宮山莉渚、伊礼姫奈が登壇した。

人見知りな小説家の高代槙生と、その姪・田汲朝の対照的な2人の同居譚。なかなか理解し合えない寂しさを抱えながらも、丁寧に日々を重ね生活を育むうちに家族とも異なった、かけがえのない関係になっていく。今、世界が必要としている、優しさの形を提示するヒューマンドラマ。原作は、「さんかく窓の外側は夜」など多くの人気作を生み出したヤマシタトモコの同名漫画。主人公・高代槙生を演じるのは新垣結衣。新垣とW主演で田汲朝を演じるのはオーディションで選ばれた新人・早瀬憩。さらに槙生の友人・醍醐奈々役には夏帆、槙生の元恋人・笠町信吾役には瀬戸康史、朝の親友・楢えみり役には小宮山莉渚が扮する。メガホンをとるのは瀬田なつき。

上映後に行われた舞台挨拶では、観客からの大きな拍手を受けて「拍手をいただけてうれしいです」と笑顔を見せた早瀬。先日行われた本作の完成披露舞台挨拶では、初の舞台挨拶ということで緊張していた様子の早瀬だったが「今日は同世代の3人ということもあって。さっきも3人でお話していたんですけど久しぶりに会ったと思えないくらいずっと笑っていて、リラックスして挑めそう」と安堵の表情を浮かべた。

撮影時には、役柄と同じ15歳だったという早瀬は、瀬田なつき監督から「15歳のそのままでいていいから」と言われたといい、「いい意味でリラックして撮影できた」と振り返った。さらに「とても優しくしてくださったのでわからないことがあった気軽に聞きに行けた。質問に答えてくれたり、悩みを共有できるのは心強かったです」と撮影現場の雰囲気の良さをうかがわせた。

その撮影では「バンドのシーン」が印象に残っているという早瀬は「あのシーンのためにがんばろうというのが撮影前からあった」といい、その撮影を見ていた小宮山は「近くにずっといたので、憩ちゃんが練習しているのを聞いて、クランクアップしてからも朝の歌が頭の中でエンドレスしていました、憩ちゃんの声で」と称賛した。

小宮山は体育館での撮影では「憩ちゃんと『ここどうしよう』という相談よりも、ずっと体育館をうろうろ歩いたり、ステージに座って足をパタパタさせたり。2人で朝とえみりの空気感を作っていく感じだった」といい、早瀬も「ずった一緒にいて朝とえみりの関係を実際に築けていたので、それだからこそできたシーン」と共感していた。

一方で伊礼は「秀才という役だったのでプレッシャーはあったんですけど、共感できる部分が多かったので悩むことなくまっすぐに演じました」と役作りについて語ったが、早瀬は「初めて会った時に『目の前に千世ちゃんがいる』と。実際に一緒にお芝居をしていても、漫画で見ていたまんま」と伊礼の印象を語った。

作品の内容にちなんで“なりたい大人像”を聞かれると「周りを気遣える大人になりたい」と答えた早瀬は、「今は自分のことでいっぱいいっぱいで、突っ走ってる感じだと思うので、いつか（本作で主演を務める新垣）結衣さんのように周りを気遣える素敵な大人になれたらいいな」と語った。その新垣との撮影では「私が思っていることを的確に言ってくれたり、周りのキャストに限らずスタッフさんにも親切に接していて、その姿を見て、周りのことをよく見ていて気遣える人になりたいと感じました」と語った。

小宮山は「自分の意見を持ちながらも相手のことを理解して一緒に寄り添うという、この映画の持つものだと思うんですけど、そういうところが大人のいいところだな、憧れるなというところ」といい、「（自身が演じる）えみりも（新垣が演じる）槙生さん憧れとしてみていたけど、私も憧れだなと感じました。何回か新垣さんと一緒にお芝居をするシーンがあったんですけど、素敵だなと」と印象を語った。早瀬は「素敵だな、ああいうふうになりたいなって、撮影中も舞台挨拶でも思ったのでがんばりたい」といい、早瀬と小宮山は「素敵な大人になろうね」と声を揃えた。

伊礼は「食後に温かいお茶とかコーヒーを飲める落ち着いた大人になりたい。私はアイスとかチョコレートとか甘いものになっちゃうので（笑）」といい、会場からは笑いが起きた。早瀬は「コーヒーがもうすぐ飲めるようになる予定なんですけど、まだ甘くないコーヒーが飲めない」と語った。

本作での等身大の役柄を演じる上で参考したものは「原作です」と即答した早瀬は「撮影前も、撮影中も漫画を持ち込んで、（新垣と）一緒に読んでいました」と明かした。また、伊礼は「周りにいるかっこいい、尊敬できる人を想像して、想像しながらやっていました」と明かした。

最後に早瀬は「映画の魅力をご家族やお友達につたえていただいて、1人でも多くの方にこの映画を届けることができたらうれしいです」とメッセージを送った。

【写真・文／編集部】