東京の東エリア唯一のミニシアターとして誕生した映画館 「Stranger(ストレンジャー)」(東京都墨田区)で6月から7月に開催される特集上映が決定した。
2022年9月に開業し、今年2月から運営組織を一新した、49席のアットホームな空間で映画を楽しむことができる映画館「Stranger」。椅子は新潟・十日町シネマパラダイスから、劇場スピーカーは山形・鶴岡まちなかキネマから譲渡されたもの。カフェでは本格的な食事を楽しむことができ、SHIKISHIMA COFFEEがオリジナルでStrangerブレンドを開発しており、カフェメニューも充実している。
上映作品のラインナップとしては、「Stranger」セレクトの特集上映と、新作の劇場作品を上映しており、1日中、映画館で様々なジャンルの映画が楽しめる。また、カフェやギャラリー、アートスペースとしての空間設計で、映画鑑賞後にスタッフと映画を語れる有意義な時間も。
6・7月の特集上映
JAIHO Collaborations
ホン・サンス特集上映
第74回ベルリン国際映画祭にて2年ぶり5度目となる銀熊賞(審査員 大賞)を獲得したホン・サンス監督。韓国映画を世界に向けて発信し続ける名匠ホン・サンス監督の日本劇場公開最新作『WALK UP』公開(6月28日公開)を記念し、日本未公開の作品を含む珠玉の5作品をセレクト。ユニークな会話劇に酔いしれる体験を届ける。
上映期間:6月28日(金)~7月18日(木)
※上映の詳細(各作品上映回数)については調整中
料金:一律 1,500円(各種割引適用不可)
※同時上映『リスト』『草の葉』は2作品で1,500円
『映画館の恋』(2005)
2005年「カイエ・デュ・シネマ」ベストテン8位。ホン・サンス監督が映画内映画とそれを観終えた男女の恋の行方を2部構成で綴る異色ラブ・ストーリー。日本ではソフト化されていない幻の人気作。
『リスト』(2011)
2011年に発表した日本未公開の短編。『82年生まれ、キム・ジヨン』のチョン・ユミとアカデミー賞助演女優賞受賞歴のあるユン・ヨジョンが母娘を演じる。
『草の葉』(2018)
キム・ミニ主演、ホン・サンス監督第22作となる中編。ある路地裏の喫茶店で繰り広げる男女の会話劇。
『あなた自身とあなたのこと』(2016)
キム・ジュヒヨク×イ・ユヨン主演。不条理でスリリングな恋の駆け引きを描いた辛口恋愛喜劇。
『川沿いのホテル』(2018)
2020年「カイエ・デュ・シネマ」ベストテン6位。延南洞沿いにある静かなホテルで巻き起こるノスタルジックなヒューマンドラマ。
ジョン・ヒューストン特集上映
1941年に『マルタの鷹』で監督デビューを果たし、1948年『黄金』でアカデミー監賞・脚本賞を受賞したジョン・ヒューストン監督。1951年『アフリ力の女王』ではハンフリー・ボガートに初のアカデミー主演男優賞をもたらした。人間が持つ野望とその挫折をテーマにした作品や、名だたる作家の原作を映画化するなど多彩なジャンルの映画を数多く手がける。初期1940年代~晩年1980年代までの監督作の中から、貴重な日本未公開作品を含む年代別5作品をセレクトした特集上映(以下の他1作品上映予定)。
上映期間:7月19日(金)~8月8日(木)
※上映の詳細(各作品上映回数)については調整中
料金:一律 1,500円
※5作品セット前売券作成検討中(前売価格 6,000円)
『光あれ』(アメリカ/1946年/58分)
第二次大戦での体験からPTSDに陥った兵士とその治療の様子を収めたドキュメンタリー映画。米軍の依頼で制作されたにもかかわらず、その内容から30年以上にわたり封印されていた。
『勇者の赤いバッチ』(アメリカ/1951年/69分)
南北戦争を背景に、若き兵士たちの葛藤や恐怖を露にした戦争映画の傑作。スティーヴン・クレインの同盟小説の映画化であり、第二次大戦の実際の英雄オーディ・マーフィが主演を務めた。
『ゴングなき戦い』(アメリカ/1972年/100分)
元プロボクサーと新人ボクサーの交流と反撥を描いたレナード・ガードナーの原作小説を、自身ボクサーであったヒューストン監督が映画化。男たちの孤独で泥臭い闘いが映し出される。
『ザ・デッド/「ダブリン市民」より』(イギリス・アイルランド・アメリカ/1987年/83分)
ジェイムズ・ジョイスの短編集『ダブリン市民』の一篇「死者たち」を原作に、舞踏会に集う人々の一夜の出来事を描いたヒューストン監の遺作。娘で女優のアンジェリカが主演を務めた。