『碁盤斬り』の大ヒット御礼舞台挨拶が5月29日(水)にTOHOシネマズ日比谷で行われ、草彅剛、立川談慶、藤沢里菜が登壇、ひこにゃんが応援に駆けつけた。
本作は、ある《冤罪事件》によって娘と引き裂かれた男が、父として武士としての誇りを賭けた《復讐》を描く、感動のリベンジエンタテイメント。浪人・柳田格之進は謂れのない嫌疑をかけられ藩を離れ、亡き妻の忘れ形見の娘とともに貧乏長屋で今日の米にも困る暮らしをしている。落ちぶれても武士の誇りを捨てておらず、とりわけ嗜む囲碁にもその実直な人柄が表れ、正々堂々と嘘偽りない勝負を心掛けている。一方で、清廉潔白がゆえに半面融通が利かない男でもあった。あるきっかけで葬り去られた 《冤罪事件》の真実が明かされ、命を賭けた仇討ちを誓うが、それは、父娘が引き裂かれることを意味していた…。草彅剛が冤罪に貶められた浪人・柳田格之進役として、時代劇を初めて手掛ける白石和彌監督とタッグを組む。共演は、清原果耶、中川大志、奥野瑛太、音尾琢真、市村正親、斎藤工、小泉今日子、國村隼と錚々たる顔ぶれが集結した。
熱気たっぷりのスタンディングオベーションで迎えられた草彅が「こうやって迎えられるのってうれしいです!」と満面の笑みで感謝し、「みなさんお座りになってください」と観客に優しく呼びかけると場内はさらに大きな拍手に包まれた。「大ヒット御礼ということで、本当にみなさんがたくさん“おいごばん”をしていただいたということ。とても良い映画になっているので本当に僕も満足、一本満足なんですよね(笑)」と冒頭からご機嫌で草彅節を炸裂し、会場を笑いの渦に。「聞くところによると、(映画を観ているのは)つよぽんのファンよりもおじさんの方がすごい多いらしくて。つよぽんのファンは出遅れているのかなと思っていましたが、今日はつよぽんファンの方がたくさんいらっしゃってますね」と客席を見渡しニッコリの草彅は、上映後の舞台挨拶のため「ネタバレOKということで、今日は楽しい話を出し惜しみなく(笑)、いろいろとお話していきたいと思います」と気合を入れた。
本作が泣ける映画で映像も美しいというMCの言葉に「白石(和彌)監督はバイオレンスのイメージがあって、血みどろの世界という感じ。(斎藤)工くんと斬り合うシーンはあるけれど、ちょっといつもの白石監督のテイストとは違っていて。監督も(時代劇)初挑戦で、新しい挑戦をしている感じがあるので、監督のファンの方もいい意味で驚かれる作品。そのあたりをチェックして欲しいですね」と本作の見どころ、白石監督の新しい色にも触れながらおすすめしていた。
本作のイベントでは、映画の中とのギャップが指摘されがちな草彅。この日もMCの質問に「はい!」と元気よくハキハキと答え、寡黙な柳田格之進とは大違いで「僕、声大きいかな?マイクいらないんじゃないの?マイクなんていらないよ」とマイクなしでトークを開始するなど、自由でありながらも観客を置いてけぼりにすることなく、みんなで楽しい舞台挨拶を作り上げていく草彅。「今日の僕、元気だな」とニヤリとしながら、生声でトークを続けた草彅は「TOHOシネマズ日比谷なのに、生の声がこんなに通る!」とウキウキの様子で「大きいけれど満員御礼ですからね、ありがとうございます!」と感謝の言葉も忘れずに何度も伝え、大きな拍手を浴びていた。
「滋賀県彦根市からあるゲストが来てくださっています」とのMCの言葉に「なんとー!」と驚いた様子で雄叫びを上げた草彅。ゲストのひこにゃんが姿を見せると「かわいい!」「カモンカモン」「ようこそ、ひこにゃん」と大喜び。ひこにゃんがステージへの階段を使う際には、手を差し出してエスコート。無事にひこにゃんがステージに上がると「ひこにゃーん、会いたかったよ!」とガッチリと握手。ひこにゃんの兜を触りながら、「ヘルメットなの?どうやってツノが出てるの?」などと質問攻めの草彅だが「あ!甲冑ってことか。彦根城から来ているんだもんね」と納得した様子。
「彦根城を使わせてもらってありがとうございます」と撮影許可のお礼を伝えた草彅は、格之進が濡れ衣を着せられる前の回想シーンを彦根城で撮影したと明かし、「でも、ひこにゃんいなかったよね?」と再びひこにゃんに問いかけを開始。次々と飛んでくる質問にちょっとびっくりのひこにゃんの姿に「ひこにゃんってシャイなの?」とツッコミを入れるなど、この日のトークも絶好調の草彅。するとひこにゃんの顔をまじまじと見つめ、「ちょっとフレンチブルドッグみたいな感じ」とひこにゃんの顔を触り始め「この辺のフォルムがクルミちゃんに似てるかも!」と愛犬との共通点を指摘し、さらに目尻を下げていた。
ひこにゃんに映画の感想を訊ねる場面ではひこにゃんの声も担当した草彅。なぜかふなっしーのモノマネでひこにゃんの言葉を代弁し、一人芝居を繰り広げる草彅にひこにゃんは後ずさりし始めると会場は大爆笑。ひこにゃんが泣いている仕草で感動したことを伝える流れで、草彅は「ここでハンカチで(涙を)拭くくだりだった!」と流れを思い出したことを口にし、さらなる笑いを誘う。慌ててハンカチを取り出し、その後もふなっしーの声でひこにゃんを演じる草彅にMCから「猫なので。猫バージョンもお願いします」とリクエストされると、即座に猫っぽいバージョンのひこにゃんの声に切り替えるなどの草彅のサービスに会場は笑い声でいっぱいになった。
ひこにゃんとの2ショット撮影タイムでも、立ち位置やカメラ目線などを優しく誘導した草彅が「ひこにゃんの手がめっちゃ熱い!それだけ感動してくれたんだね」とお礼を伝える場面も。フォトセッション中には、カメラに手を振りながら、自身の言葉でも観客に感謝を伝え、さらにひこにゃんのコメントも代弁した草彅は「ひこにゃんのキャラが定まった!」と大発見といった様子で「ひこにゃん、強いにゃーん」というキャッチフレーズをつけるなど、終始ご機嫌だった。
イベントには長屋の大家・八兵衛を演じた落語家の立川談慶も登場。映画初出演の談慶は「リハなしでいきなり本番。でも、目の前に“やさしいマン”がいたから、緊張しないでできました」と、草彅がCMで演じたキャラクターを思い出したことを明かし感謝。撮影を振り返り、草彅からのお弁当の差し入れにお礼を伝えたところ「談慶さんは2000円でいいですよって言われました」と笑顔で告白。すると草彅は「2000円まだもらってない!」とニヤリ。草彅は談慶がスタッフ向けに披露した高座の動画を撮影前に観るよう監督から言われていたそうで「談慶さんがいたから、格之進の役作りができました。談慶さんのおかげで格之進が出来上がったと思います。」と深々とお辞儀。談慶は恐縮しながらも「想像以上の格之進でした」と大絶賛。さらに映画のあらすじを3分にまとめた「ミニ落語」を披露し会場を大いに沸かせた
さらに花束ゲストとして本作にエキストラ出演した囲碁棋士の藤沢里菜も登場。「綺麗な花束」と笑顔の草彅。藤沢は「ものすごく強い棋士のオーラが出ていたし、手つきも綺麗。長年囲碁が趣味なんじゃないかという感じがしていました」と囲碁の達人、格之進を演じた草彅の演技に太鼓判。「ルールは知らないとのことでしたが、その後、ルールは覚えましたか?」との藤沢の問いに「覚えてないです」と苦笑いした草彅は「でも、(囲碁の達人って)藤沢さんを勘違いさせるほど、藤沢さんの目から見て大丈夫だという太鼓判を押していただきました!」と胸を張り、「囲碁のルールを知らなくても楽しめるということです」と、映画をアピール。そして、ひこにゃんに再び質問が飛ぶ場面では、草彅は「目と鼻が碁石っぽい!碁石つけてるの?」とひこにゃんの鼻を触りながらいじり倒して笑わせた。
最後に「今日は本当にありがとうございました」と挨拶すると、この日一番の大きな拍手を贈られた草彅は「楽しい時間であっという間だったけれど、まだまだ『碁盤斬り』を通してみなさんと深く関わり合っていきたいと思います」と話し、映画を観た感想を周りに伝えて欲しいと呼びかけた。何かが伝わる映画だとし、「これをステップにみんなが次に向かえればいいなと。そういう作品だと思うので、末長くこの作品をお願いしたいと思いますし、一人でも多くの方が観て、何か感じていただけると幸せな世の中になると思いますので、ぜひ『碁盤斬り』を通じて、これから一緒に人生を歩いていきましょう!本日はありがとうございました」と呼びかけ、深々とお辞儀。
時代劇に対して、足が遠のいている傾向もある中で「今観る作品だと思うし、初めて(時代劇を)観る方にもおすすめしたい。世代を超えて、若い方から年配の方まで、世代問わず、たくさんの方にご覧になっていただきたいです」と呼びかけ、しっかりとイベントを締めくくった後には、再びひこにゃんの鼻を触りながら「碁石じゃないよ」「触らないで!」などと一人二役の一人芝居を続け、退場口のドアが閉まるギリギリまで観客を楽しませていた。
【提供写真、オフィシャルレポート】
『碁盤斬り』は全国で公開中
監督:白石和彌
主演:草彅剛
清原果耶、中川大志、奥野瑛太、音尾琢真/市村正親
立川談慶 中村優子
斎藤工、小泉今日子/國村隼
配給:キノフィルムズ
©2024「碁盤斬り」製作委員会