悲しいけれど幸せな7日間のラブストーリー『ハピネス』の本編PV「月子編」が解禁された。
「わたしね、あと1週間で死んじゃうの――。」恋人の突然の告白からはじまった“ふたりの7日間”は、悲しいけれど、幸福と愛に満ちあふれた、かけがえのない奇跡だった――。残り少ない日々を命の限り輝かせようとする少女と、そんな彼女の夢を全力で支えようと奔走する少年とが繰り広げる純度100%のラブストーリーである本作。彼女の突然の告白に戸惑いながらも、幸せな日々を一緒につくりあげることに協力する雪夫役には窪塚愛流。心臓の病気のため、医者から余命1週間と告げられた高校2年生の由茉役に蒔田彩珠。17歳という若さで逃れられない運命に対する絶望や動揺、怒り、悲しみなど、すべての感情を抱え込んだ上で、慎重に生きることよりも、残りの人生を笑顔で、幸せに過ごすことを選んだ2人を演じる。
余命1週間の女子高生・由茉(蒔田彩珠)に寄り添う恋人・雪夫(窪塚愛流)の姉・月子を演じるのは橋本愛。今回、月子が登場する本編シーンからPV「月子編」と、橋本愛オフィシャルインタビューが到着した。余命1週間を告げられた由茉と、彼女との幸せな日々を共に作り上げることに協力する恋人・雪夫。雪夫に寄り添い、彼の最高の理解者である姉・月子は、思い悩む弟を支え、背中を押す。月子を演じる橋本は、劇中でも圧倒的存在感でロリータファッションを着こなしているが、原作者の嶽本野ばらも橋本について、「キャスティングを見て、何の心配もないと思った。彼女(橋本)の書いた文章も読んだことがあり、思った通りにちゃんとやってくれると思った。」と太鼓判を押した。
今回解禁されたPVには、弟に「キミと彼女が出会ったことは奇跡です。キミと彼女が恋をしたことも奇跡です。それは、とても幸せなことじゃないですか?」と、大切な人との別れを悲しむよりも、巡り会い共に過ごすことができた<幸せ>に感謝するよう弟に伝えるシーンや、たとえ親に反対されようとも自らの意志でロリータさんを貫く姿、そして由茉と旅行に行く弟を心強く見送るシーン、等が含まれている。月子がふと呟く言葉には力強さがあり、近くにある幸せや、毎日の些細な瞬間を大切にしようと思わされる。
本編PV「月子編」
橋本愛(月子役)オフィシャルインタビュー
――原作小説で感動した部分について
一番は、由茉ちゃんが抱いた「神様っているのかな。」という疑問と、それについて自分で導き出した答えでした。由茉ちゃんは「神様はいる」という結論に辿り着きます。それは何も神様を見た、逢ったということではなく、奇妙に辻褄の合った広い世界を見渡して、ああ、この世は理不尽でアバウトで、気紛れなんかじゃなくって、ちゃんと計算された上で成り立っているんだ、と理解したからなんです。だから自分の死だって、決して理不尽なんかじゃない。これが神様が出したベストな結果なんだと、自分の死を受け入れていく思考の過程、そして心の美しさに感動しました。
――ファッションについて
本当に全てのお洋服が可愛くて、毎日ときめいていました。10代の頃ロリータさんに憧れて、プライベートでそれに近いような服装をしていたこともあったのですが、本格的に着ることのないまま疎遠になってしまっていて。なのでこうして、お仕事で憧れのロリータさんになることができて、夢が叶ったような心地です。月子や由茉ちゃんの衣装が、この映画の大きな見どころになっていると思います。
――月子を演じるにあたって
雪夫との信頼関係を大事にしました。雪夫にとって月子はきっと、頼りがいのある存在であり、月子にとっても、雪夫はかけがえのない、ありのままの自分を受け止めてくれる存在でした。
月子は、ブレない芯の強さを持った人です。でもその強さを手に入れるまで、きっとたくさん傷ついてきたと思いますし、そのときに心の支えとなったのが、雪夫だったと思うんです。雪夫の心の純粋さ、美しさ、清らかさに何度も癒され、助けられてきたであろう月子が、雪夫が人生で一番辛いときに側にいることの尊さを感じていました。
どんな時も笑顔で、おどけて、軽やかに生きる姿が、雪夫の心をほぐすことができればいいなと思って演じていました。
――好きなセリフは?
一番は「キミと彼女が出会えたことは奇跡です」というセリフです。
ある意味、ありふれた言葉だと思うんです。奇跡が日常化している日々の中では、なかなかそのことを芯に感じ取るのは難しい。むしろ、大切なものを失いそうになったり、失ったあとで初めて、心臓を掴まれるように響く言葉だと思います。
雪夫も由茉も、17歳という若さでその残酷さに直面します。けれど人生の中で、奇跡だと感じられる出会いすらなかったら。それはもしかしたら死ぬことよりも悲しいことかもしれない。だからこそ、二人が出会えたことは奇跡で、そんな出会いが人生の中にあったことの幸せーーハピネスを、抱えきれないくらい受け止める二人の姿が、尊くて、抱きしめたくなりました。
月子にとってはきっと、ロリータに出会えたことが奇跡であり、生まれた意味なんだと捉えているんじゃないかな、と思います。
原作小説を読んでものすごく感動したので、その物語の世界に入れたことは感激でした。
大切な人や、自分の死を受け止めるには、人間の体は小さすぎると思います。それでも、どんなに悲しくても、絶望しても、笑って生きることを選んだ二人の姿から、大きな勇気をもらいました。私も、私にとってのハピネスを、ひとつも取りこぼさずに抱きしめて生きてゆけたらと思います。
『ハピネス』は上映中
監督:篠原哲雄
出演:窪塚愛流、蒔田彩珠
橋本愛、山崎まさよし、吉田羊
配給:バンダイナムコフィルムワークス
© 嶽本野ばら/小学館/「ハピネス」製作委員会