『違国日記』の大ヒット御礼舞台挨拶が6月13日(木)にTOHOシネマズ日本橋で行われ、新垣結衣、早瀬憩、十明、瀬田なつき監督が登壇した。

人見知りな小説家の高代槙生と、その姪・田汲朝の対照的な2人の同居譚。なかなか理解し合えない寂しさを抱えながらも、丁寧に日々を重ね生活を育むうちに家族とも異なった、かけがえのない関係になっていく。今、世界が必要としている、優しさの形を提示するヒューマンドラマ。原作は、「さんかく窓の外側は夜」など多くの人気作を生み出したヤマシタトモコの同名漫画。主人公・高代槙生を演じるのは新垣結衣。新垣とW主演で田汲朝を演じるのはオーディションで選ばれた新人・早瀬憩。さらに槙生の友人・醍醐奈々役には夏帆、槙生の元恋人・笠町信吾役には瀬戸康史、朝の親友・楢えみり役には小宮山莉渚が扮する。メガホンをとるのは瀬田なつき。

6月7日(金)に公開された本作『違国日記』。「席が埋まっているのを見るとすごいうれしいです。明るい雰囲気がしますね」と安堵の表情で挨拶した新垣。早瀬が「いかがでしたか?」と観客に問いかけると拍手が沸き起こり、「うれしいです」と笑顔を見せた。

海外での上映も決定している本作だが「海を渡って海外の方にも見ていただけるということで、どう感じるんでしょうかね。楽しみです」と興味津々の様子の新垣、早瀬も「日本だけでもたくさんの方に見ていただけているのに海外でもと。この映画を海外の方にも観ていただけるんだなと思うとうれしいし、ワクワクします」とコメント。瀬田監督は「上映が終わった後に観客の方とQ&Aがあることが多いので、日本とは違うのかと気になりますが楽しんでもらえると」と期待した。

多くの反響を受けて「まだ客観的になれていなかったのかと思うんですけど、思った以上に反響があって、びっくりしています。うれしいです」と驚いている様子の新垣。早瀬も「うれしいと同時に驚くところもあったんですけど、同年代、学生世代の方も見てくださっていて。同じ世代の方にもこの映画が届けられているんだなと思ってうれしかった」と喜んだ。

海での槙生と朝のシーンについては「画も背景もすごく素敵。2人にとって成長したシーンというか、一歩前に進んでいったようなシーン」と語る新垣は「お互いに一人の人の話をしているんだけど、こんなにも違うものが見えている。自分が見えているものだけがすべてじゃないとお互いに伝えあいながら、ただそれを否定しない」と話し、「朝ちゃんが見えるものが広がったようなシーン。槙生にとっても、2人が見えているものが違うというのは分かっていると思うけど、分かっているけど見ないようにしていたものを知ろうとするのが槙生にとっての歩み寄りのシーン」と自身の思いを語った。

また、イベントでは、本作のインスパイアソング「夜明けのあなたへ」を担当した十明が登壇。この楽曲について、「初めて聞いたときに、こんなにも美しい声が聞けて心が澄んでいくような気持ちになりました。この映画に寄り添ってくれるような楽曲で、感謝の気持ちでいっぱいです」という新垣。早瀬は「毎日聞いていて、映画『違国日記』とつながる部分というか。私は朝の目線で聞いているんですけど、うるっとしてしまうような素敵な歌声と歌詞で、いつも聞いて映画のことを思い出してと繰り返していて、本当に素的な曲です」と語った。

さらに十明が「夜明けのあなたへ」を生歌唱。曲が終わると思わず見つめ合った新垣と早瀬だが、「第一声で感動しちゃって。歌声でこの場の空気が澄んでいくような気がして」と話す新垣、早瀬は「いつも聞いている歌をこんなに近くで聞かせていただいて鳥肌が立ちましたし、撮影期間や映画のことを思い出して思わず泣きそうになってしまいました。本当に素敵でした」と語った。また、十明は「槙生さんと朝ちゃんの前で歌っているという感じがして、届けたかったところに届けられた気持ちがして、すごくうれしかったです」とコメントした。

最後に早瀬は「原作、映画、楽曲全てに心を救ってくれる優しさがあって、朝や私と同じ学生世代の方にも響くところがたくさんあると思うので、いろんな年代の方に見ていただけたらうれしいです」、新垣は「撮影から1年が経ちまして、いったんこれでみなさまにお目にかかるのは最後かなと思うんですけど、自分の中に残る大事なものを作品にいただいたと思います。みなさんの感想からも心を救われたり、温かくしてもらったり、感謝の気持ちでいっぱいです。いろんなことを感じていただいて、どんなことでも感じていたぢて、みなさまの人生の中でふと思い出していただいて、『違国日記』の世界の人たちに会いたいなと思ってもらえる瞬間があればうれしいです」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

『違国日記』は全国で公開中大ヒット舞台挨拶
脚本・監督:瀬田なつき
出演:新垣結衣、早瀬憩
夏帆、小宮山莉渚、中村優子、伊礼姫奈、滝澤エリカ
染谷将太、銀粉蝶、瀬戸康史
配給:東京テアトル、ショウゲート
©2024 ヤマシタトモコ・祥伝社/「違国日記」製作委員会