『よめぼく』配信記念イベント 永瀬廉「自分らしく現場で過ごせた」

Netflix映画『余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。』の配信記念イベントが6月18日（火）に都内で行われ、永瀬廉、出口夏希、三木孝浩監督が登壇した。

森田碧によるベストセラー小説「余命一年と宣告された僕が、余命半年の君と出会った話」（ポプラ社刊）を映像化した本作。監督を三木孝浩、脚本を吉田智子、音楽を亀田誠治が担当する。青春純愛映画の第一人者たちが、愛と死のはざまで刹那の輝きを放つ登場人物たちの心の機微を精巧に描き出す。主演を務めるのはNetflix作品初参加となる永瀬廉。突然余命を宣告され、色々なことを諦めながら淡々と日々を過ごす中で、運命の恋に出会うことで再び人生に希望を見出していく主人公・早坂秋人役を演じる。またヒロイン・桜井春奈役を出口夏希が務める。

「ここまでガッツリ恋愛に焦点を当てた（映画）作品は初めてだった」という永瀬は「設定に対してワクワクであったり、不安な部分もあったんですけど監督と現場に入って不安は消えて。初めてにしては気負わず自分らしく現場で過ごせた」と撮影を振り返った。自身が出演する作品については「（普段は）ここのシーンどんな感じになったかなという目線（で見る）。作品として楽しむのはできなかった」というが、本作では「グッとくるシーンでは、それをするのも自然となくなって、物語を見て涙を流した。今までになかった出来事だあったので自分でも驚いた」という。

本作の印象については「眩しい。お互いにタイムリミットがあって17歳だからこそのピュアさがぶつかっていく。ボタンのかけ違いがあっての切なさであったり、高校の文化祭のシーンは青春という感じもあったし、三木監督が感じている表情が伝わるように切り取ってくださるので、いろんなパズルがハマった作品」と自信を見せた。その永瀬について三木監督は「気さくで話しやすくて、持っている空気感も親しみがあって、おもしろいものができると顔合わせで感じた」という。

出口は本作について「悲しいはずなのに見終わった後に前向きになれたというか。悲しいだけじゃなくて心が温まったなと余韻に浸りました」と鑑賞した際の印象を語った。試写では“前向きにな気持ちに慣れた”という感想も寄せられているということで、永瀬は「秋人と春奈の生き様ですよね。生きていることって素晴らしい。あたりまではないし、そういう経験がない人でも春奈と明人の姿を見て、今の状態の幸せを噛み締めつつ、大事な人とどう接していこう、どうやって生きていこうと先のことを考えられる、見終わった後に前向きになれる作品」と共感していた。また、感想を受けて出口は「同じことを持ったので、そう感じていただけたのなら、春奈はこれでよかったんだと自身になりました」と話し、永瀬は「自分たちで書いたんじゃないかというくらい」と感想に共感したという。

2人の共演シーンで印象的なシーンを聞かれると、「文化祭のシーンは手が込んでいた。高校生に戻った気分。今後、『取材で高校時代の思い出なんですか？』と聞かれたら、この文化祭。それくらいリアルでキラキラした文化祭」と感慨深げに振り返った。出口は「『似顔絵を描いて』とお願いをするシーンがあるんです。永瀬さんが描いた絵は映っていないのですが、私も個性的な絵を描くんですけど、（永瀬も）個性的な絵を描かれていて今でも覚えています」と明かすと、永瀬は「本編で使われていたら涙は引っ込むでしょうね、というくらいの絵」といい、「（絵は）死後に評価されるもの」と笑いを誘った。

和気あいあいとした様子の2人だが、人見知りということで「監督が来て話を回してくれて話せるようになった」という永瀬、出口は「その日は目が合わなかった」と明かした。この関係性に、三木監督は「撮影序盤はもどかしい感じがよかった」という。仲が良くなったきっかけは呼び方といい、“でぐ”と急に呼び始めた永瀬について「おお、来たか、と思いました（笑）」という出口。永瀬はスタッフから出口が「でぐ」と呼ばれていることを聞き、「でぐってよばれてるんだと思って」と呼び始めたという。また、出口は「れんくんというキャラじゃないと思って、たどり着いたのがフルネームでした（笑）」と“永瀬廉”とフルネームで読んだことを明かした。

最後に永瀬は「心を込めて作った作品が世界で配信されます。命の物語、恋の物語は全世界、全世代に共通のテーマでもあります。高校生ゆえのピュアさであったり、まっすぐさであったり、そんな2人が出会って、お互いにタイムリミットがある中でお互いのために自分の中の心を燃やして、その姿に胸が打たれたり。どのシーンをとっても、一つ一つのシーンが絵のようなカットだったり、見ている人の心をいろんな気持ちにさせてくれたり、動かしたりできる作品です」と本作をアピールした。

【写真・文／編集部】