柚月裕子原作 異色の警察ミステリー小説を実写映画化した『朽ちないサクラ』の本編映像が解禁された。
本作は柚月裕子の「サクラ」シリーズのはじまりとなる「朽ちないサクラ」が原作で、主人公は県警の広報職員という、本来は捜査する立場にないヒロインが、親友の変死事件の謎を独自に調査し、事件の真相と、次第に浮かび上がる“公安警察“の存在に迫っていく異色の警察小説。主人公の県警・広報職員26歳の森口泉を演じるのは若手随一の演技派として絶大な信頼を集める杉咲花。単独主演作となる本作では、“事務職のお嬢ちゃん”が自責と葛藤を繰り返しながら、強さを手に入れていく姿を繊細な演技で体現する。メガホンをとるのは原廣利。
主人公の森口泉(杉咲花)は、県警広報広聴課で勤務する、本来事件を捜査する立場にない警察事務職員。泉の親友の千佳(森田想)は地元の新聞記者で、情報流出を防ぐため広報課職員の泉は個人的に記者と会ってはいけない立場だが、学生時代から⻑い付き合いの2人は頻繁に会っては他愛もない話をする仲だった。ある日、泉は警察学校の同期の磯川(萩原利久)からもらった慰安旅行のお土産の話を何気なく千佳にする。
しかし、この慰安旅行の間に、ストーカー被害に合う女性からの被害届を警察が受理せず、ストーカー殺人が起こっていたことに千佳が気付いてしまう。このことは黙っておくと約束をした2人だったが、千佳が働く新聞社が一連の事件は警察の不祥事が背景にあると独占スクープを掲載。泉は記事にしたのは千佳ではないかと疑い、千佳はそれを否定するが、喧嘩別れをしたまま千佳は何者かに殺害され、水死体で発見される。「自分が疑わなければ、千佳は殺されずに済んだのに」と自責と後悔の念に突き動かされた泉は、自らの手で千佳を殺した犯人を捕まえることを誓う。
今回解禁された本編映像は、杉咲花演じる森口泉と、安田顕演じる泉の上司で元公安の富樫隆幸の姿を映し出している。親友を疑ってしまったことを悔やみながら捜査をする泉、そして、捜査をする泉を見守る上司の富樫も、かつて公安時代に起こってしまった事件に責任を感じ葛藤し、自責の念に苦しみ続けていた。
お互いに“過ち”を背負い、それぞれの立場から事件と向き合う2人は警察署の屋上で「全部終わらせて、また酒でも飲もう」と約束を交わす。上司と部下として2人の信頼関係がうかがえる一方で、この後に予想を覆す急展開が待ち受けており、観客から「見応えのある演技対決!」と称賛を集める本作の見どころの序奏といえる重要なワンシーンとなっている。それぞれの信じる“正義”が、物語を窮地に追い込む衝撃のラストから目が離せない。
本編映像
『朽ちないサクラ』は2024年6月21日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開
監督:原廣利
出演:杉咲花
萩原利久、森田想、坂東巳之助
駿河太郎、遠藤雄弥、和田聰宏、藤田朋子
豊原功補
安田顕
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
©2024 映画「朽ちないサクラ」製作委員会