「ジブリパークとジブリ展」東京会場の開会セレモニーが6月28日(金)に行われた。

スタジオジブリが制作する映画を⾶び出し、「宮崎吾朗⽒の頭の中のジブリを具現化」した公園施設「ジブリパーク」は、宮崎吾朗が構想段階から制作全体を指揮。そして、宮崎のこれまでの仕事と作品を振り返るとともに、宮崎を中心にジブリパークがどのように生み出されたのか、その舞台裏を紹介する展覧会「ジブリパークとジブリ展」が現在全国巡回中。そして6月28日に東京会場が開幕する。

今回行われた開会セレモニーには、ジブリパーク監督の宮崎吾朗氏、中日新聞社 東京新聞 代表取締役社長の大島宇一郎氏、日本テレビ 代表取締役会長執行役員の杉山美邦氏が登壇した。

ジブリパークのきっかけについて「ジブリがいろいろな仕事をしてきて、展覧会関係ですと造作物をこしらえるわけですが、たくさんのものをどこにしまっておくのかという問題があり、『倉庫が足りなくて困っている』というのを愛知県の大村知事が聞きまして、『倉庫を用意するから何かやったらどうか』というところから始まっています」という宮崎氏は「ジブリパークで最初に考えたのは、『ジブリの大倉庫』と言っていますが、倉庫機能を持った施設です。それを中心にジブリパークを作ってきたので、この展覧会は2年巡回してきていますが、倉庫でやったほうが似合うなと。いい展覧会になっています」と語る。また、「まとめていただくとそろそろ引退ができるのかなという次第です」と笑いを誘った。

そのジブリパークの建物については「実際に家を建てるので、できる範囲で家として使えるようにしています。お風呂があれば入れるし、キッチンで煮炊きもできる、薪ストーブがあれば火を起こして暖をとることができるように作っています。。ただ毎日お米を炊いてお客さんを迎えるわけにはいかないので、イベントめいたことで年に何回かできるといいねと言っていて。ちゃっとずつ準備、練習をしているところです。かまどでご飯を炊いたことがない人が多いわけですから、まずは慣れるところからと始めています」と明かした。さらに「お風呂は完成した時に使えるかどうかを身をもって体験するというのをスタッフにお願いしてやっています。『ハウルの動く城』のお風呂はとても気持ちがいいんです」と明かすと、笑いが起きた。

また、展覧会で展示されているものについては、残しておこうという意識は「ないです」と話す宮崎氏は「半分以上はゴミになっちゃうものです。検討のために作ったものは仕事が終わったら廃棄されてしまうのが常。『ジプリの大倉庫』ができる前提があったので取っておこうかということで残すことになった。おかげさまで大倉庫はいっぱいになった」と笑いを誘った。

今回の東京会場で初披露される展示として、「魔女の谷」のメリーゴーランドがあるが、宮崎氏は「メリーゴーランドをまるっと持ってくることはできないので、現場で使われているメリーゴーランドの馬と同じものを2つ制作してて展示しています。乗れるように作っているので、またがって写真を撮っていただければ」と語った。

今後について聞かれると「ビジョンはない」という宮崎氏は「今日、夕方に鈴木、その他と会議をすることになっていて。『引退したい』と常々言っている鈴木に『やめることはできないよ』という会議なんですけど」と笑いを誘いつつ「映画を取り巻く環境はジブリが生まれた時から変わっているのは確かだと思う。その中でどうやって映像作品を作り続けていくのかがひとつの課題」といい、さらに「作り手の立場からすると『君たちはどう生きるのか』みたいな作品を目の前に突きつけられるとその後に続く者は大変作りにくい。プレッシャーになるので、どう超えていくのかを考えなくてはいけない」という。さらに「ジブリ美術館、ジブリパークとやってきたので、それの発展みたいなものをやってみたい、やるべきじゃないかという話も出てきていて。ジブリパーク第3期という話もないわけではないので、そういったことにも取り組んでいけたら」と語った。

【写真・文/編集部】

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「ジブリパークとジブリ展」東京会場

日程:2024年6月28日(金)~9月23日(月・祝)9:30~20:00(最終入場19:00)
※6月28日(金)は15:00開館、9月23日(月・祝)は12:30最終入場/14:00閉館
会場:東京・天王洲寺田倉庫「B&C HALL/E HALL」
チケット:
【通常チケット】大人 1,900円、中・高校生 1,600円、小学生 1,200円(税込)
【特典付きチケット】大人 2,900円、中・高校生 2,600円、小学生 2,200円(税込)
※日時指定予約制
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