Netflixシリーズ『地面師たち』の完成報告会が7月4日（木）に都内で行われ、綾野剛、豊川悦司、北村一輝、小池栄子、ピエール瀧、大根仁監督が登壇した。

冤罪事件を元にしたドラマ「エルピス-希望、あるいは災い-」で社会派エンタテイメントとして第60回ギャラクシー賞テレビ部門大賞ほか高い評価を得た映像ディレクター・大根仁が、次に手掛けるのは自身が熱望してやまなかった、実在の地面師事件に着想を得た新庄耕の小説『地面師たち』。不動産売買をエサに巨額の金を騙し取る詐欺師集団＜地面師＞による前代未聞の事件を描く、クライムノベルの映像化に挑む。W主演として、地面師詐欺の道に踏み込む男・辻本拓海を綾野剛、巨額詐欺を率いる大物地面師・ハリソン山中を豊川悦司が演じる。映像化困難と言われた傑作クライム・サスペンスが誕生する。

豪華キャストが勢ぞろいした本作について、大根監督は「（脚本を書く際に）第一候補で上げたみなさんが揃った」と自信を見せ、「5人が揃った時の迫力というか魅力というか」と笑いを誘った。そんな本作ではリアリティのある描写が見どころだが、撮影では「終始とても楽しかったです」という綾野は「現場力や人間力がすごいので、何テイクも重ねていくうちに新しい一面が見えてくる。そこから抽出されたものがこの作品の魅力に変わっている」といい、「役を生き抜いている姿を目に焼き付けていて、それが映っている」と語った。さらに綾野は「それぞれなぜこの立ち位置にいるのか、なぜ地面師をしているのか。フィクションとノンフィクションの狭間でエンタメを届けられたらと思って作りました」と本作にかける思いを語った。

豊川は「予告でも使われている綾野くんを誘うところ」が気に入っていると明かし、「2日目くらいの撮影で、スタッフの間にも緊張感があって素晴らしいシーンが作れた」と振り返った。このシーンについて綾野は「瞳に吸い込まれていく。あのシーンは絶望的な状態から始まっているので、ある面ではオアシスのようにも思うし、とてもミステリアスで触れてみたいという」と印象を語った。

ターゲットの土地候補を集める情報屋を演じる北村だが「ここからここまでと言われてスタートするんですけど、毎回最後までやるんです。何十回やるんだろうと。僕は幸せでした」と笑いつつ、「ピエール瀧さんがここは使わないだろうと思っていると思って心配していました」「一生忘れられない時間でした」といい、会場は笑いに包まれた。キャスティング担当という役どころの小池は「ハリソンとは10秒以上目を合わせたらやられそうな圧倒的な支配力があって、役者人生で感じたことがない恐怖を…」と笑いを誘い、綾野は「僕は2人っきりのシーンが結構ありますからね（笑）」と共感していた。

また、作品にちなんで“100億あるとしたら何をしたい？”と聞かれると「シリーズものを3本作りたい」という綾野。豊川は「本当にそのお金が必要なところに配って回りたいと言ったら優等生っぽいですけど…僕もシリーズ物を作りたい」と笑顔を見せた。

最後に綾野は「登場人物全員がとち狂っていく、ある種前代未聞のシリーズものが日本で誕生したと自負しております。覗いてはいけないものを、みんなでしっかりと見つめ、エンタメとして昇華したこの作品を受け取ってもらえたら」、豊川は「近年まれにみる素晴らしいエンターテインメントが出来上がったと思います」とメッセージを送った。

【写真・文／編集部】

Netflixシリーズ『地面師たち』は2024年7月25日（木）よりNetflixにて世界独占配信
監督・脚本：大根仁
出演：綾野剛、豊川悦司
　北村一輝、小池栄子、ピエール瀧、染谷将太
　松岡依都美、吉村界人、アントニー、松尾諭、駿河太郎、マキタスポーツ
　池田エライザ、リリー・フランキー、山本耕史
©新庄耕／集英社