山中瑶子監督×河合優実主演映画『ナミビアの砂漠』の本予告映像が解禁された。

19歳という若さで撮影、初監督した『あみこ』(2017)がPFFアワードで観客賞を受賞、第68回ベルリン国際映画祭フォーラム部門に史上最年少で招待され、香港国際映画祭やカナダのファンタジア国際映画祭など各国の映画祭で評判となり話題をさらった山中瑶子監督の本格的な長編第一作となる本作。主役に抜擢されたのは、2021年に公開された『由宇子の天秤』、『サマーフィルムにのって』の演技で数々の映画賞の新人賞を総なめにし、最近ではテレビドラマ「不適切にもほどがある!」で話題を呼ぶ河合優実。公開当時学生だった彼女は『あみこ』を観て女優になりたいと思い、山中監督に「いつか出演したいです」と直接伝え、本作でその思いが叶えられた。

今回解禁された本予告映像は、河合優実演じる主人公カナの一挙手一投足に目が釘付けとなるシーンが盛りだくさんの映像となっている。楽しそうに街中を走ったり、寛一郎演じる同棲している彼氏ホンダの前で「甘いのとしょっぱいの嬉しい」と微笑む姿や、金子大地演じる新しい彼氏・ハヤシとのデートで幸せそうなカナの様子が切り取られ、身近にいそうな21歳の女の子として描かれる前半部分。打って変わって、「わたし働かなくていいかなぁ」と暗い表情でつぶやくシーンからは、襲い掛かるように誰かを足で踏みつけたり、土下座する男から走り去ったり、取っ組み合いのケンカをしていたりと感情剥き出しの言動が続く。カナが「わたしおかしいかなぁ」とつぶやく静かな声は、どこか不安定な雰囲気を纏っている。

いじわるで、嘘つきで、暴力的。それでも夢中になってしまう中毒的な魅力を持ったカナというキャラクターを、河合優実が演じきった。山中瑶子監督と河合優実という若き才能が、これまでの日本映画で決して見たことのない女性像を、スクリーンに焼き付けたことがヒシヒシと伝わってくる予告映像が完成した。

併せて解禁された場面写真は、カナが男の手を握っている場面が切り取られている。鼻から垂れた鼻血が目を惹く、強烈な一枚。心ここにあらずという感じのカナの表情が、異彩を放つ彼女のキャラクターを物語っている。

本予告映像

『ナミビアの砂漠』は2024年9月6日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開
監督・脚本:山中瑶子
出演:河合優実
金子大地、寛一郎
新谷ゆづみ、中島歩、唐田えりか
渋谷采郁、澁谷麻美、倉田萌衣、伊島空
堀部圭亮、渡辺真起子
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2024『ナミビアの砂漠』製作委員会