「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024」オープニング作品『初級演技レッスン』の舞台挨拶が7月13日(土)にSKIPシティ 映像ホールで行われ、毎熊克哉、大西礼芳、岩田奏、串田壮史監督が登壇した。

“若手映像クリエイターの登竜門”として、映画界の未来を担う新たな才能の発掘を目的に2004年より毎年開催されているSKIPシティ国際Dシネマ映画祭。第21回となる今回は、102の国・地域から応募があった1,201本の作品の中から、国際コンペティション10本、国内コンペティション(長編)6本/(短編)8本が上映される。会期はスクリーン上映が7月13日(土)~7月21日(日)、オンライン配信が7月20日(土)~7月24日(水)に開催される。

『初級演技レッスン』は、父親とのトラウマを抱えたまま、時が止まったような廃工場で「初級演技レッスン」を開いたアクティングコーチの蝶野穂積が、即興演技を通じて、父を亡くした子役俳優・一晟や、寂しげな教師・千歌子の記憶に入り込み、彼らの人生を遡っていくことで奇跡に出会う物語。監督はCMディレクターとして数々の賞を受賞し、初長編映画『写真の女』(2020)が2020年の本映画祭で日本作品として唯一の国際コンペティションにノミネートされ、SKIPシティアワードを受賞した串田壮史。続く『マイマザーズアイズ』(2023)も2023年の本映画祭国際コンペティションにノミネートされ、長編第3作となる本作でオープニングを飾る。主演は毎熊克哉。大西礼芳、岩田奏、鯉沼トキ、永井秀樹らが出演する。

冒頭では「間違いなく自分の代表作になると胸を張って言えるような映画が完成した」と挨拶した毎熊。オープニングを飾る本作だが、串田監督は「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭は長編の監督作品3本目までの監督が対象なので、僕は3本目のこの『初級演技レッスン』で卒業なんです。最高の花道を用意してくださったので最高の作品で応えたい」と語る串田監督。

2011年に本映画祭の短編部門で奨励賞を受賞した『ケンとカズ』(後に長編映画化)で主演を務めた毎熊は「(『ケンとカズ』は)僕にとっては人生が変わって映画で。長編の前の段階が映画祭で流していただいて」と振り返り、「当時3~4人で撮った映画で、映画祭で人に褒めてもらうのが初めての経験だった。その作品のおかげでいろいろ続けることができて、こういった形で登壇させてもらえてしゃべっているのは感慨深い」と語った。

また、2014年に本映画祭の短編部門にノミネートされた『時ノカケラ』で主演を務めた大西は「初めて東京に出て撮った短編主演映画だったので思い入れが強い作品」と振り返り、「10年ぶりに映画祭に帰ってこれて、“まだ映画に参加させてもらえてますよ”と当時の自分に言いたい」と笑顔を見せた。

一方で本映画祭に初参加となる岩田は「オープニング作品ということで、本当にうれしい気持ちで。串田監督に素敵な役をいただいて、演技している時も楽しかったですし、世界初上映ということでみなさんがどんな風に受け取るのか楽しみ」と緊張気味に語った。

本作については、台本を読み「全く意味が分からなかった」という毎熊だが「読み終わった後に、言葉ではなかなか表現できないんですけど、優しい作品だなと思った」という。また、「展開とか脚本のリズムに心が動いておもしろいと思った印象があります」と語る大西、岩田は「頭の中でこういう感じなのかなと映像を作るのも難しいというか、どんな風になるんだろうと楽しみになった」と本作への印象を語った。

最後に毎熊は「最初に台本を読んだ時の感想と映画を見終わった後の感想がそんなに離れていなかった気がして。見終わった後に空気感としては無機質な作風だと思うんですけど、理屈ではないものがいっぱい映っていて、心を温かくすると思った。ただ分かりやすい映画ではないので、どんな風にこの作品から何かを受け取るのかを楽しみにしています」、大西は「見どころは反復だと思います。反復する中で映画の面白さを感じ取ってもらえたら」、岩田は「この映画で好きなところが風景の描写が多い映画なので、空気感だったり、水面の描写がたくさんあるので空気感に注目して見てもらえたら」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2024
[スクリーン上映]7月13日(土)~7月21日(日)にSKIPシティ 映像ホール、多目的ホール(埼玉県川口市)ほかで開催
[オンライン配信]7月20日(土)~7月24日(水)に配信
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