欲望にまみれた不動産詐欺師たちが繰り広げる究極のクライム・サスペンス―Netflixシリーズ『地面師たち』の本予告映像、キーアートが解禁された。

冤罪事件を元にしたドラマ「エルピス-希望、あるいは災い-」で社会派エンタテイメントとして第60回ギャラクシー賞テレビ部門大賞ほか高い評価を得た映像ディレクター・大根仁が、次に手掛けるのは自身が熱望してやまなかった、実在の地面師事件に着想を得た新庄耕の小説『地面師たち』。不動産売買をエサに巨額の金を騙し取る詐欺師集団<地面師>による前代未聞の事件を描く、クライムノベルの映像化に挑む。W主演として、地面師詐欺の道に踏み込む男・辻本拓海を綾野剛、巨額詐欺を率いる大物地面師・ハリソン山中を豊川悦司が演じる。映像化困難と言われた傑作クライム・サスペンスが誕生する。

今回解禁された予告映像では、ハリソン山中を筆頭に、一筋縄ではいかない曲者たち<地面師>グループと、そんな彼らに「騙される者」、そして、<地面師>を追う刑事たちという“三つ巴”の欲望が容赦なく絡み合う様が描かれる。交渉役として優しい顔でターゲットに忍び寄る辻本(綾野剛)、不気味な空気を纏ったグループのリーダー、ハリソン(豊川悦司)、土地の情報を収集する竹下(北村一輝)、法律屋の後藤(ピエール瀧)、「なりすまし犯」を用意する手配師・麗子(小池栄子)といった強烈な面々が、巨額の不動産詐欺に向け、困難なゲームに挑むかのような雰囲気で着々と準備を進める様子が映し出される。

一方で、そんな彼らを長年追い続ける刑事の辰(リリー・フランキー)が鋭い眼差しで静かに睨みを効かせ、ターゲットとして狙われる大手デベロッパー「石洋ハウス」の部長を務める青柳(山本耕史)も、腹にイチモツを抱えるクセ者であることが伺える。前代未聞の100億円を巡る不動産詐欺を中心に、騙し・騙され・奪い合う、手に汗握るスリリングな展開がスピーディーに繰り広げられ、まるで<地面師>たちが張り巡らせる「罠」にハマっていくかのように、作品の世界に入り込み、深くのめり込んでしまう映像に仕上がっている。

併せて解禁されたキーアートでは、巨額の札束を前に不敵な表情を浮かべて並び立つ<地面師>グループの面々が。実在の地面師事件に着想を得た新庄耕の小説を原作にした本作には、未だかつて見たことがない100億円を賭けた地面師詐欺の裏側と「地面師」という裏社会に生きる彼らの本物のスリルが、極上のエンターテインメントとして描き出されている。その仕上がりは原作者である新庄も原作の映像化に関してとても満足する仕上がりだったようで「朝から夕方まで、でたらめに乱れる心臓の音を聞きながら、最後は時間も忘れて食い入るようにスクリーンを見つめていた。とにかく、もう一度観たい」と太鼓判を押すほどで、本作の配信開始に期待が高まる。

本予告映像

さらに、本作の劇伴音楽を、電気グルーヴの石野卓球が担当していることが発表された。大根監督のラブコールで実現した今回のコラボレーションは、石野にとって初めての挑戦でもあり、初の劇伴制作に挑むにあたって石野は、大根監督との最初の打ち合わせで具体的なイメージを掴んだそう。「最初の打ち合わせの時、大根監督から僕が昔出したアルバム「LUNATIQUE」のイメージでまずはメインテーマを作って欲しいです、というお話がありました。あとは全体的に「不穏な感じで」と。具体的なイメージを言ってもらえたので、話は早かったです」と当時を振り返る。

さらに大根監督からのリクエストで、ギターの音を入れて欲しいという要望に対し、台本を読み最初に10曲ほどデモを作成し、映像がある程度上がった時点でそこからさらにイメージを膨らませて調整していったそう。その上で、最終的に制作した楽曲の数はなんと40曲近くにも達したと明かす。「最初から40曲作れって言われていたら、多分心が折れていたと思うんですけど(笑)。気がついたらそれぐらいになっていたというか、とにかく数が多かったのでそこはやっぱり大変でしたね」と当時を振り返る石野。大根監督の本作に懸ける並々ならぬ熱量が石野を巻き込み、もともと親交があり互いに信頼し合っている2人だからこそ生まれたこの楽曲たちが、より「地面師たち」の世界に一層の深みを加えたことは間違いない。

石野卓球

Netflixシリーズ『地面師たち』は2024年7月25日(木)よりNetflixにて世界独占配信
監督・脚本:大根仁
出演:綾野剛、豊川悦司
 北村一輝、小池栄子、ピエール瀧、染谷将太
 松岡依都美、吉村界人、アントニー、松尾諭、駿河太郎、マキタスポーツ
 池田エライザ、リリー・フランキー、山本耕史
©新庄耕/集英社