人類初の月面着陸に関する“ウワサ”から生まれた映画『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』の特別映像が解禁された。

アポロ11号の月面着陸から55年。世界では今、人類が再び月を目指す米国主導の探査計画「アルテミス計画」が今まさに進行中。日本人宇宙飛行士2名の参加も新たに発表され、計画通りに進めば2028年に初めて日本人が月に降り立つ―。「アポロ計画」に次ぐ“宇宙ブーム”が今まさに到来している。そして今年、アポロ計画の裏側と奮闘を描いた映画『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』が公開される。アポロ11号の月面着陸にまつわる舞台裏でのエキサイティングな人間ドラマを描いた完全オリジナル脚本に惚れ込んだ主演のスカーレット・ヨハンソンがプロデューサーに名を連ね、チャニング・テイタム、ウディ・ハレルソンら豪華キャストが名を連ねる。

人類初の月面着陸がリアルか、フェイクかを描く本作では、NASAの全面的な協力が実現した。実際にアポロ計画で重要な役割を果たしたNASAの技師たちがアドバイザーを務めている。月面着陸のフェイク映像撮影を命じたアメリカ政府と、極秘ミッションに巻き込まれた人々の奮闘を描いた作品で果たしてNASAの協力を得ることはできるのか、製作スタッフたちの間でも意見が割れた。しかし、脚本とストーリーを客観的に捉えたNASA関係者は、実際に極秘計画があったかどうかではなく、この映画が描く登場人物たちの仕事への献身と月への夢はすべて本物なのだと解釈した。バーランティ監督はNASAのサポートが実現した経緯について「NASAは、私たちの“成し遂げられたことを称えたい”という気持ちを分かってくれていたのだと思います。この映画をアポロ計画に携わった40万人の人々を称える機会だと捉えてくれたのです」と語っている。

NASAのアドバイザーのひとりジェリー・グリフィンは、アポロ有人ミッションで宇宙管制センターのフライト責任者を務め、6回の月面着陸のうち、3回の着陸を行ったチームを指揮した。グリフィンは「これまでで最高の仕事は、宇宙管制センターのフライト責任者でした。あの数年間は大成功を収めた年で、私たちが本気を出せば、この国はどんな力でも発揮できることを示していました」と、NASAの全職員が一丸となったアポロ計画の偉業を振り返る。

劇中でチャニング・テイタム扮する発射責任者コールは過去の重大な事故に悩まされる。1967年、アポロ1号の予行演習中に宇宙飛行士3名の命を奪った火災だ。NASAの主任歴史学者であるブライアン・オドムは「アポロ1号、あの日の火災、そして火災の余波で、NASAは立ち止まっていました。私たちは何をしているのか、無理をしすぎているのではないか、スケジュールは進んでいるのか。宇宙船を設計するという難題に応えるために、品質管理の一部はある種、遅れをとっていました」とアポロ計画は頓挫の危機を迎えたと指摘する。「今日を振り返る際、アポロ1号の火災は大切なリマインダーです。悲劇の教訓を失ってはなりません。だからこそ、NASAはこれらすべてのミッションの追悼日に祈りを捧げます。悲劇から学び、心に留めておくためです」と、悲劇が決して忘れてはならない教訓となり、亡き飛行士たちへの思いがその後のNASAを奮い立たせ、アポロ計画の有人ミッションへの成功につながったのだと語っている。

また今回、スカーレット・ヨハンソンとチャニング・テイタムがNASAの発射責任者コールの魅力を語る特別映像が解禁された。コールを演じたチャニング・テイタムは「不可能に挑戦する人を演じられて楽しかった。コールは月面着陸計画の責任者だ」と人類初の偉業を実現するためにすべてを懸けたコールを楽しく演じたと語る。スカーレット・ヨハンソンは1969年のアポロ計画の当時の状況を「世間の支持を失った計画」だと説明し、テイタムは「追い詰められてる」と続ける。

失敗続きのNASAのコールのもとにある日ケリーが現れ、偶然が重なって関わり合う。NASAのイメージアップとアポロ11号による“月面着陸”をアメリカの国民的イベントにするために雇われたPRのプロ、ケリーは実直なコールにとって「突然現れて引っかき回す」存在だが、ケリーを演じたヨハンソンによればNASAとアポロ計画を「立て直す」頼もしい存在なのだ。ケリーはあの手この手を使って国民の関心をNASAに取り戻すことに成功する。コールとNASAもアポロ11号の発射準備を進めていく中、ケリーには極秘任務が与えられる。ケリーの前に現れた政府関係者のモーは「月面着力を“偽造”しろ」と命じるのだ。ケリーとコール、それぞれの立場から“月面着陸”という人類史上初の偉業の成功に向かって奮闘を続けるのだが…。お洒落でありながらリアルな、ハリウッドならではの痛快作である本作を、チャニング・テイタムは「最近はない古き良き映画だ」と語っている。

特別映像

『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』は2024年7月19日(金)より全国で公開
監督:グレッグ・バーランティ
出演:スカーレット・ヨハンソン、チャニング・テイタム、ウディ・ハレルソン
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント