累計発行部数は700万部を超える大人気傑作漫画を実写映画化した『ブルーピリオド』の八虎の最大のライバル・高橋世田介との衝撃の初対面シーンを捉えた撮影現場レポートが到着した。
「マンガ大賞」「このマンガがすごい!」など国内外から称賛され、発行部数700万部を超える傑作漫画が待望の実写映画化。周りの空気を読んで流れに任せて生きてきた高校生が、1枚の絵をきっかけに美術の世界に全てを賭けて挑んでいく―。好きなことに真剣に向き合う主人公の挑戦に、胸が熱くなる感動の物語。主演には話題作への出演が絶えない眞栄田郷敦を迎えて、高橋文哉、板垣李光人、桜田ひよりと実力と人気を兼ね備えたキャスト陣が個性豊かなキャラクターを熱演。『サヨナラまでの30分』『東京喰種 トーキョーグール』の萩原健太郎が監督を務め、新進気鋭のスタッフと共に情熱の物語を創り上げた。
昨年7月に、夢に向かって本気になった八虎が、美大受験専門の予備校への参加を決め、講習を受けるシーンの撮影が行われた。ロケ地となったのは、本物の美術予備校、新宿美術学院(現 ena美術)。新宿美術学院は、原作に登場する予備校のモデルにもなっている場所だ。八虎を刺激する存在となる天才ライバル、世田介(板垣李光人)との衝撃の出合いも描かれる重要なシーンとなる。
うだるような暑さが連日続いていたが、窓に暗幕が施された教室に足を踏み入れると、外の夏空が嘘のように、そこに『ブルーピリオド』の世界が広がっていた。イーゼルや椅子、画材がしまわれたロッカーや棚に並んだ本などすべて、実際に予備校で使用されているものをそのまま拝借。生徒役のエキストラは実際に絵を描ける人が参加し、道具も自らのものを持参している。床に残る絵の具や木炭の跡からも、絵に向き合っている人たちの苦悩や情熱など、本物の息遣いが伝わってくるようだ。
八虎はここで、切磋琢磨していくことになる面々と出合いを果たす。八虎役の眞栄田は、「いい目をしている」ことが起用の決め手となった。空っぽだった八虎が好きなものに出合って本気になるという変化を体現したが、この日の予備校のシーンでも、八虎に芽生えたワクワク感が目の表情からも見て取れる。眞栄田はワンカット撮り終えるごとに、萩原健太郎監督とディスカッション。自分のアイデアも積極的に繰り出しながらキャラクターやシーンをぐんぐん掘り下げていくなど、彼らの強固な信頼関係が伝わってくる。またスタッフが次のシーンの準備や段取りをする際にも、眞栄田は休憩場所に戻らず、ものづくりの一員としてその場に待機。教室の空気を自分の身に染み込ませると同時に、若いスタッフが生き生きと働く現場の熱気をたっぷりと浴びながら、撮影をしていた。眞栄田のアイスの差し入れに現場がワッと沸き立つ場面もあり、彼の前のめりの姿勢が現場の原動力となっていた。
当日は、八虎と世田介の初対面のシーンも撮影された。
八虎をはじめとする生徒たちは、キャンバスに向かって石膏像のデッサンを始める。世田介は、担当教師の大葉先生(江口のりこ)に「デッサンって、見たままを描けばいいんですよね?」と質問。デッサン初心者であるとともに、道具を揃えられていないと思われる世田介を目にして、八虎は「これよかったら」と道具を差し出す。しかし世田介からは「誰、お前」と言われてしまう…という、ライバルになっていく2人の今後を予感させるシーンだ。カットがかかると、萩原監督やスタッフも「八虎、かわいそう」と思わず苦笑い。肩を落とす八虎&世田介の冷たい視線を、絶妙な表情で演じ切った眞栄田と板垣の芝居にも注目だ。そして大葉先生は、前髪アリのスタイルにしたいという江口からの提案もあり、ビジュアルや大声で生徒を励ます姿も原作そのもの。三つ編みの橋田悠(秋谷郁甫)、グラデーションのヘアカラーの桑名マキ(中島セナ)も、原作から飛び出してきたようだ。
現場には、絵画指導の海老澤功氏と、美術アドバイザーの川田龍氏も同席。絵を描く姿勢や鉛筆の走らせ方など細かい所作まで、萩原監督が「今の場面はどうですか?」と質問をし、違和感があればすぐに修正をしていく。眞栄田はクランクインの半年前、板垣は約3か月前から絵の練習をスタートさせたとあって、撮影時には海老澤氏と川田氏も役者陣の絵描きとしての芝居に「まったく違和感がない」と太鼓判。絵の練習の際、眞栄田は監督も驚くほどの集中力を発揮し、海老澤氏が「この調子で頑張れば本当に藝大に受かるんじゃないか」というまでに上達した。一方の板垣はもともと原作ファンで、とりわけ世田介が大好きだったという。この日の撮影シーンでは、鉛筆の持ち方にまで世田介の“天才らしさ”をにじませていたのも印象的。川田氏も「絶妙!」と楽しそうな笑顔を見せていた。
生徒が描き終えた、20枚ほどのデッサンがズラリと並んだ様子も圧巻だ。それぞれの絵から、絵の上達具合、受験生としてのレベル、キャラクターの個性までわかるなど、シーンやキャラクターごとに合わせた絵が用意されている。眞栄田も「すごい」とやわらかな笑顔を浮かべ、生徒役のキャストたちと興味深そうに絵を眺めていた。最終的には、74人のアーティストが協力して、401枚もの絵が揃ったという本作。ロケ地、絵の練習に励んだキャスト陣が放つ熱気、こだわりを込めて用意された絵など、細部にわたって“本物”の迫力がみなぎっている。
『ブルーピリオド』は2024年8月9日(金)より全国で公開
監督:萩原健太郎
出演:眞栄田郷敦
高橋文哉、板垣李光人、桜田ひより
中島セナ、秋谷郁甫、兵頭功海、三浦誠己、やす(ずん)
石田ひかり、江口のりこ
薬師丸ひろ子
配給: ワーナー・ブラザース映画
©山口つばさ/講談社 ©2024 映画「ブルーピリオド」製作委員会