宮田愛萌『春、出逢い』発売記念会見が8月9日(金)に都内で行われ、宮田愛萌が登壇した。

デビュー小説は万葉集からインスピレーションを受けた『きらきらし』、2作目は恋愛短編小説集『あやふやで、不確かな』を刊行した宮田愛萌。3作目となる『春、出逢い』は、高校生たちが短歌を詠んで競い合う「短歌甲子園」をテーマに執筆した青春小説。執筆にあたっては盛岡で開催される「短歌甲子園」を取材し、文芸部で活動する多くの高校生からも話を聞いた。作中には宮田によるオリジナル短歌を約六十首収録。短歌ブームの令和に、小説家として活躍の幅を広げる宮田の新作小説。

本作で“短歌甲子園”をテーマにしたきっかけについて「(前作で)恋愛モノを書いて、次に何を書こうかなとなった時に青春モノを書きたいなというところから始まって、青春と言えば部活だろう」と考えたと話す宮田は「私は元々短歌が好きで、短歌研究員という肩書きも持っているんですけど、その中で高校生たちの短歌甲子園というものがあると知って、それをテーマに書いて、もっと高校生たちにも短歌を楽しんでもらいたいという気持ちから書こうと決めました」と明かした。

「いろいろな方に読んでほしいのを前提にして、高校生とか若い世代の方に読んでいただいて、文芸部に入ろうかなとか、短歌甲子園に出たいと思ってもらえたらいいなと思っています」と自身の気持ちを語った。また、本作のメディアミクスについては「舞台が好きなので舞台になったらうれしいと思うんですけど、地味ですかね…部室ばかりなので(笑)」と笑い、「憧れはアニメ化ですかね、アニメも好きなので」と語った。

短歌をつくるうえでの“言葉の選び方”については「登場人物が日常的に使っていそうな言葉を作るというのを考えて。このキャラはこういう本が好きかなと考えたりしながら、そこを短歌に落とし込めるようにしました」と明かした。

オリジナル短歌を約60首掲載されているという本書だが「執筆期間が短くて追い詰められてはいたんですけど、短歌を作ることが息抜きになっていた」と明かし、「追いつめられてはいたけど楽しくて。やばいという気持ちと、いけるという気持ちが同居していました」と振り返った。

【写真・文/編集部】

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『春、出逢い』

著者名:宮田愛萌
発行:講談社
発売日:2024年8月9日(金)
判型:四六判・248ページ
定価:本体価格 1,870円(税込)
ISBN:978-4-06-536300-3