宮田愛萌『春、出逢い』発売記念会見が8月9日(金)に都内で行われ、宮田愛萌が登壇した。
デビュー小説は万葉集からインスピレーションを受けた『きらきらし』、2作目は恋愛短編小説集『あやふやで、不確かな』を刊行した宮田愛萌。3作目となる『春、出逢い』は、高校生たちが短歌を詠んで競い合う「短歌甲子園」をテーマに執筆した青春小説。執筆にあたっては盛岡で開催される「短歌甲子園」を取材し、文芸部で活動する多くの高校生からも話を聞いた。作中には宮田によるオリジナル短歌を約六十首収録。短歌ブームの令和に、小説家として活躍の幅を広げる宮田の新作小説。
今回、“青春小説”に挑戦した宮田だが、今後挑戦してみたいジャンルについては「自分の中で恋愛モノは難しいと思っていて、でも実際に書いてみて難しいと思ったんですけど楽しいなと思って。次に青春モノを書いて、今さら高校生かけないよと思っていたんですけど、実際に書いてみたら楽しくて」とこれまでの作品を振り返り、「苦手だな、書けないと思っていたものほど、もしかしたら自分の学びにもつながって楽しく書けるんじゃないかと思う。ホラーは苦手であまり読まないんですけど、ホラーを書いてみたらいろんな作品を読めるようになるし、楽しんで書いて、『ホラーが好き』ってなるんじゃないかと思っています。挑戦してみたいです」と語った。
今月6日には、宮田が2023年に卒業した日向坂46から、加藤史帆・東村芽依・丹生明里・濱岸ひよりの4人が卒業することが発表されたが、そのことについて聞かれると「私自身卒業してから伸び伸びとやらせていただいていて、みなさまのお力添えがあって本も3冊目を出すことができて本当にありがたいと思っていて。こういうお力をいただけるのは前にあったアイドル活動があって、そこでたくさん応援していただいたこととか。人からの応援って本当に大事なんだなと学んだというのもあってだと思うので、学んだことを大事に伸び伸びと好きなことをやってほしいと思っています」とエールを送った。
また、宮田は「一番伝えたいのは短歌はおもしろいよということです。私は短歌を始めて日が浅いんですけど、それでも31文字だから伝えられることはたくさんあって。思いを込めて、言葉を尽くすよりも31文字のほうが伝わることはあると思っていて。どういう言葉を選んだのか、贈られた時にどう読み取るかが短歌の魅力だと思っているので、そういうものが伝わればいいなという思い」と語り、「私をきっかけにでも本屋に行ってほしいなという思いでいっぱい。歌集を読もうとか、自分で短歌を作ってみようかなとか一歩を踏み出すきっかけにしていただけたら」とメッセージを送った。
【写真・文/編集部】
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『春、出逢い』
著者名:宮田愛萌
発行:講談社
発売日:2024年8月9日(金)
判型:四六判・248ページ
定価:本体価格 1,870円(税込)
ISBN:978-4-06-536300-3