身体が“動物化”していく奇病が発生——変異の先に待つ衝撃の感動体験『The Animal Kingdom(英題)』が『動物界』の邦題で11月8日(金)より公開されることが決定した。
2023年、フランスのアカデミー賞と呼ばれるセザール賞で、一本の破格の衝撃作が異彩を放った。フランス映画のイメージを根底から覆すその作品『動物界』は、日本でも話題となった『落下の解剖学』を凌ぐ最多12部門のノミネートを達成し、同国で観客動員100万人越えの大ヒットを飛ばした。その舞台は、人間が様々な動物に変異する奇病が蔓延している近未来。人種差別、移民、ルッキズム、感染症など現代的なテーマを内包し、ファースト・シーンから観客を釘付けにする“突然変異”のアニマライズ・スリラーが、あなたの想像力を刺激する。
近未来。人類は原因不明の突然変異によって、徐々に身体が動物と化していくパンデミックに見舞われていた。“新生物”はその凶暴性ゆえに施設で隔離されており、フランソワの妻ラナもそのひとりだった。しかしある日、移送中の事故によって、彼らは野に放たれる。フランソワは16歳の息子エミールとともにラナの行方を必死に探すが、次第にエミールの身体に変化が出始める…。人間と新生物の分断が激化するなかで、親子が下した最後の決断とは—。
最愛の家族を守り抜こうとするフランソワを演じるのは、ジャック・オディアール監督の『真夜中のピアニスト』(2005)、フランソワ・オゾン監督の『彼は秘密の女ともだち』(2014)などでセザール賞主演男優賞に5度ノミネートされた実績を誇るロマン・デュリス。名優イレーヌ・ジャコブの息子であり、『Winter boy』でセザール賞有望若手男優賞候補になった新星ポール・キルシェが、少しずつ動物化していくエミールの心の叫びを、驚くべき繊細さで体現する。さらに、『アデル、ブルーは熱い色』(2013)のアデル・エグザルコブロスら、フランス映画界を代表する豪華実力派が集結。監督・脚本を務めたのは、2014年のデビュー作『Les Combattants(原題)/Love at First Fight(英題)』で数々の賞に輝いた新鋭トマ・カイエ。
今回解禁された日本版ポスタービジュアルには神秘的な雰囲気を纏う“新生物”がこちらを覗き込む様子が描かれ、見る者にその全貌を想像させるデザインとなっている。併せて解禁された特報映像は、人間が動物化していく奇病が蔓延した世界で暮らすフランソワ(ロマン・デュリス)とエミール(ポール・キルシェ)の親子が市街地で遭遇した“新生物”におののく場面から始まり、行方不明となった母・ラナを捜索する模様が切り取られている。はたして、これは奇をてらった終末的なSF映画か、それとも肉体の異常変容を題材にした新種のボディ・ホラーか。はたまた社会派の風刺劇なのか?いくつもの解釈が可能な奥深さを秘めた本作は、ただならぬ濃密なスリルを呼び起こすとともに、観客を未知なる領域へと誘う。
特報映像
『動物界』は2024年11月8日(金)より公開
監督・脚本:トマ・カイエ
出演:ロマン・デュリス、ポール・キルシェ、アデル・エグザルコプロス、トム・メルシエ、ビリー・ブラン
配給:キノフィルムズ
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