『夏目アラタの結婚』のジャパンプレミアが8月21日(水)に都内で行われ、柳楽優弥、黒島結菜、中川大志、丸山礼、市村正親、堤幸彦監督が登壇した。
乃木坂太郎が2019年から「ビッグコミックスペリオール」(小学館)で連載し、累計発行部数が250万部のベストセラーコミックスとなっている「夏目アラタの結婚」(2024年1月完結)。連続殺人犯の死刑囚にプロポーズすることから始まる衝撃の獄中サスペンスは、主人公・アラタと死刑囚・真珠との頭脳戦や二転三転する展開が読者を惹きつけ、国内外から高く評価されている。実写映画化した本作では、日本中を震撼させた連続殺人事件の遺族から相談を受け死刑囚に会いに行く元ヤンキーで児童相談所の職員である主人公・夏目アラタ役に柳楽優弥。物語の鍵を握る“品川ピエロ”の異名をもつ連続殺人犯にして死刑囚・品川真珠役に黒島結菜。過去の天真爛漫で爽やかなイメージからは想像もできないキャラクターで、新境地に挑む。監督は堤幸彦。
冒頭では「久しぶりの舞台挨拶で若干緊張します」という柳楽は「みなさん楽しんでもらえる作品だったらいいなと思います」と挨拶し、「サスペンス映画ではなくて、漫画原作のいい意味でファンタジー感を盛り込んでいる作品。ラブストーリーの要素もあるんです。2つの要素が入り混じっているのはこの作品の魅力」と語った。
本作では“死刑囚”という役どころの黒島だが「できるかなという不安が大きかった」と明かしつつ、「(堤監督と柳楽の)2人を信頼してやればきっとうまくいくということでやると決めた」と明かし、「現場の緊張感だったり集中する感じに、私もがんばろうと」と撮影現場の様子を振り返った。また、ビジュアル面でも「歯が印象的」といい「何度も試作をして、あの形に落ち着きました」と明かした。
中川は「面会室はスタジオにセットが組まれていたんですけど、アクリルパネルで遮られていまして隔たりを感じるんです。心理的に距離感を感じる。だからこその独特の緊張感もあり、ヒリヒリした撮影でした」と独特な空気感の撮影を振り返った。一方で本作が映画デビュー作となる丸山は「映画というお仕事って俳優さん女優さんはこんなに大変なんだ」と改めて感じたことがあったといい、「私の歴史の中に残る1ページ、いや2ページ見開きくらい刻まれるものを撮っていただいた。こんな私を引き出してくださる場所があったんだと感動と誇りがあったのを鮮明に覚えています」と感慨深げな様子を見せた。
また、堤監督作品への出演が初めてという市村は「裁かれる役が多いんですけど裁く役で。監督の柔らかいムードと違ってビシビシ来るんです」といい、「内心はドキドキしながらやっていたんですけど試写を見たら風格のある役でした。全部監督のおかげです」と笑いを誘いつつ、感謝の気持ちを語った。
黒島との共演について「簡単にはできないような関係性を一緒にできたのは、黒島さんが演じる真珠だったから、僕も夏目にしっかり集中できたと感じることが多かった」という柳楽は「真珠とのシーンは多かったから、ご一緒できてよかった」と感謝し、黒島は「またいつかご一緒したいと思っていたので、8年ぶりとかで最初は緊張していたんですけど柳楽さんが明るく話しかけてうださったのが印象的で」と語った。その一方で「役が役なのでなかなか現場でお話することはなったんですけど、ちゃんと向き合って撮影ができた」と振り返り、「心の中であるものはきっとひとつだなと意識してやっていたので、ちゃんと心と心でお芝居ができたと感じています」と語り、「柳楽さんとのシーンは緊張感もありつつ、達成感もあって、楽しく撮影ができました」と明かした。
【写真・文/編集部】
『夏目アラタの結婚』は2024年9月6日(金)より全国で公開
監督:堤幸彦
出演:柳楽優弥、黒島結菜、中川大志、丸山礼、立川志らく、福士誠治、今野浩喜、平岡祐太、藤間爽子、佐藤二朗、市村正親
配給:ワーナー・ブラザース映画
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