『きみの色』の初日舞台挨拶が8月30日(金)にTOHOシネマズ日比谷で行われ、鈴川紗由、髙石あかり、木戸大聖、やす子、山田尚子監督が登壇した。

興行収入19億円の大ヒットとなり、社会現象を巻き起こした『映画けいおん!』(2011)、第40回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞のほか、2017年アヌシー国際アニメーション映画祭長編コンペティション部門に入選するなど国内外問わず高い評価を受け、23億円のヒットを記録した『映画 聲の形』(2016)の山田尚子監督最新作となる完全オリジナル長編アニメーション映画『きみの色』。脚本を務めるのは、スタジオジブリや京都アニメーションの数々の大ヒット作品を手掛け、山田監督とは「けいおん!」シリーズ以降、幾度となくタッグを組む吉田玲子。音楽を担当するのは牛尾憲輔。主演声優に日暮トツ子役・鈴川紗由、作永きみ役・髙石あかり、影平ルイ役・木戸大聖の3人、そして3人を導くシスター日吉子役を新垣結衣が務める。

大阪、名古屋、福岡、長崎などのキャンペーンでは監督と一緒に参加したキャスト陣だが、長崎でのキャンペーンでは「副知事の方に表敬訪問させていただいたんですけど、建物に入った時にたくさんの方が温かく迎えてくださって」と印象に残っているエピソードを披露した鈴川。髙石は「学生さんが合唱で歌を歌ってくださって、監督私が号泣してしまって」と振り返り、「本当に天使のような歌声で今思い出しても鳥肌が立っている」と明かしつつ「おいしいご飯を毎回食べさせていただいた」と笑顔を見せた。木戸は「モデルとなった長崎は、景色を見た時にリンクするなと」と感慨深げな様子を見せた。

一足先に鑑賞した新海誠監督や松岡茉優からも感想が寄せられている本作dあが、山田監督は「胸がいっぱいです」と感謝し、鈴川も「光栄です。見ると優しく肯定してくれて、自分を変えてくれた作品なのでうれしいです」と笑顔を見せた。また、やす子は「自分が中高生の時に刺激を受けた監督なので、ああいうのを夢見て高校に入ったんですけど何もなく。見ていた方からのコメントをいただけて感無量です。たくさんの方に影響があるんだな、映画ってすごいなと思います」と語った。

また、本作が声優初挑戦となったキャスト陣だが、鈴川は「台本の持ち方も分からないし、はじめましてなので3人とも緊張していて。でも、アフレコを重ねていくうちにトツ子たちと同じように距離を縮められたのを感じてよかった」と振り返り、「(山田監督からは)いろんなアドバイスをいただいたので言われたことをまっすぐ取り組みました」と明かした。髙石は「オーディションでアフレコブースに入った時に神聖なる場所で、無音だし、今までに感じたことがない空気感とか緊張感があった」と明かし、実際にアフレコを行う際には「3人でブースに入る時にできるだけリラックスできる場所でありたいと思ったので、コミュニケーションを取ってみたり、いろいろ3人で試行錯誤しながら。そういうところが作品につながってる」と振り返った。

一方で、木戸は「(鈴川)紗由ちゃんがオーディションの時から、トツ子と同じ髪型でいて。生トツ子がいると。実写版がいると思って」と明かした一方で「僕らも緊張していたんですけど、監督が緊張していて」と明かすと、山田監督は「あのブースが悪いのかな?」と笑いを誘いつつ「まぶしすぎて見えなくなっちゃった」と明かした。やす子は「監督に『自由にやってください』と言われたので緊張せずにいつも通り、自由に楽しく。その中で『もうちょっとこうしましょう』と優しくやってくださったので、はじめてのアフレコが山田監督の作品だったから、おじけず楽しく最後まで終わることができてすてきな経験をさせていただきました」と語った。

【写真・文/編集部】

『きみの色』は2024年8月30日(金)より全国で公開
監督:山田尚子
声の出演:鈴川紗由、髙石あかり、木戸大聖、やす子、悠木碧、寿美菜子、戸田恵子、新垣結衣
配給:東宝
©2024「きみの色」製作委員会