“耳のきこえない母”と“きこえる息子”の心に響く物語『ぼくが生きてる、ふたつの世界』ロンドン映画祭、バンクーバー国際映画祭に正式出品されることが決定し、併せて場面写真が解禁された。

呉美保監督が9年ぶりの長編作品のテーマに選んだのは、コーダ(Children of Deaf Adults/きこえない、またはきこえにくい親を持つ聴者の子供という意味)という生い立ちを踏まえて、社会的マイノリティに焦点を当てた執筆活動をする作家・エッセイストの五十嵐大による自伝的エッセイ「ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと」。脚本を担当したのは港岳彦。主演を務めるのは『キングダム』シリーズ、『東京リベンジャーズ』シリーズ等の話題作から、作家性の強い監督作等、幅広い作品に出演し、2025年には吉田修一原作、李相日監督『国宝』の公開が控える吉沢亮。本作では、耳のきこえない両親の元で育った息子・五十嵐大の心の軌跡を体現する。

今回、本作は10月9日~20日[現地時間]にイギリス・ロンドンで開催される第68回ロンドン映画祭コンペティション部門、そして9月26日~10月7日[現地時間]にカナダ・バンクーバーで開催される第43回バンクーバー国際映画祭パノラマ部門に正式出品されることが決定した。

ロンドン映画祭(BFI London Film Festival 2024)は英国映画協会が主催するイングランド最大の映画祭で、昨年は、濱口竜介監督の『悪は存在しない』がコンペティション部門で最優秀作品賞を受賞。その他、『君たちはどう生きるか』(宮崎駿監督)、 『怪物』(是枝裕和監督)、『パーフェクト・デイズ』(ヴィム・ヴェンダース監督)と話題作が上映されており、68回目を迎える今年の映画祭へも注目が高まっている。

また、今年で43回目を迎えるバンクーバー国際映画祭での本作の上映は北米プレミアとなる。昨年は『怪物』(是枝裕和監督)、『君たちはどう生きるか』(宮崎駿監督)、『悪は存在しない』(濱口竜介監督)、『アンダーカレント』 (今泉力哉監督)、 『バカ塗りの娘』(鶴岡慧子監督)が上映された。

呉美保(監督)コメント

上海国際映画祭に続いて、ロンドン映画祭コンペティション、
さらにはバンクーバー国際映画祭への出品だなんて、
これ以上の吉報があるでしょうか。
世界に羽ばたく我が子を送り出すような緊張と期待で、
いつもカサカサの手のひらが珍しく汗ばんでいます。
日本での公開もあと少し、いよいよですよ!はじまりますよ!

併せて場面写真12点が解禁された。まだ幼い主人公・大(4歳の大役:畠山桃吏)が母・明子(忍足亜希子)や父・陽介(今井彰人)と過ごす場面や、母に黙っていた小学校での授業参観(小学三年生の大役:加藤庵次)、そして何かと反抗してしまう中学生の三者面談、自分の未来に悩む大(吉沢亮)の姿など、複雑な心のうちが感じ取れる場面写真の数々だ。

劇中、吉沢亮は中学生時代から成人していく主人公の五十嵐大を演じきり、自らの境遇の中で変化する母への思いを繊細に表現。また大の祖父(でんでん)、祖母(烏丸せつこ)、大が就職した編集プロダクション社長・河合(ユースケ・サンタマリア)ら大を取り巻く個性的な面々にも注目だ。

『ぼくが生きてる、ふたつの世界』は2024年9月20日(金)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国で公開
監督:呉美保
出演:吉沢亮、忍足亜希子 今井彰人 ユースケ・サンタマリア 烏丸せつこ でんでん
配給:ギャガ
©五十嵐大/幻冬舎 ©2024「ぼくが生きてる、ふたつの世界」製作委員会