山田尚子監督の最新作となる完全オリジナル長編アニメーション映画『きみの色』が第29回釜山国際映画祭「アジア映画の窓」部門への出品が決定した。
興行収入19億円の大ヒットとなり、社会現象を巻き起こした『映画けいおん!』(2011)、第40回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞のほか、2017年アヌシー国際アニメーション映画祭長編コンペティション部門に入選するなど国内外問わず高い評価を受け、23億円のヒットを記録した『映画 聲の形』(2016)の山田尚子監督最新作となる完全オリジナル長編アニメーション映画『きみの色』。脚本を務めるのは、スタジオジブリや京都アニメーションの数々の大ヒット作品を手掛け、山田監督とは「けいおん!」シリーズ以降、幾度となくタッグを組む吉田玲子。音楽を担当するのは牛尾憲輔。主演声優に日暮トツ子役・鈴川紗由、作永きみ役・髙石あかり、影平ルイ役・木戸大聖の3人、そして3人を導くシスター日吉子役を新垣結衣が務める。
今回、本作が10月2日(水)~10日(木)[現地時間]に韓国・釜山で開催される第29釜山国際映画祭「アジア映画の窓」部門に正式招待作品として選出され、韓国プレミア上映が決定した。舞台挨拶には山田監督と日暮トツ子役の鈴川紗由が登壇する予定で、鈴川は国内外含めて映画祭への登壇が自身初となる。
釜山国際映画祭はアジア最大規模の映画祭として注目されており、国内外の約300作品(ワールドプレミア約100作品)が上映され、来場者数は約20万人を記録する映画祭。本作が選出された「アジア映画の窓」部門は、さまざまな視点とスタイルを持つ、アジアが誇る才能豊かな映画監督たちの優れた作品を紹介する部門で、過去には田恵輔監督作『愛しのアイリーン』(2018)、瀬々敬久監督作『楽園』(2019)、沖田修一監督作『おらおらでひとりいぐも』(2020)などが選出されている。また「アジア映画の窓」部門の最優秀賞にあたる「キム・ジソク賞」が選出される。2017年に制定された「キム・ジソク」賞は、映画祭の創立メンバーで、アジア映画の成長に尽力した故キム・ジソクの名が冠せられ、アジア映画の現代的地位を反映した最も魅力的な映画を称えるために設立された。第22回釜山国際映画祭では、吉田大八監督の『羊の木』(2018)が同賞を受賞している。
山田監督は本映画祭でのプレミア上映決定を受けて「映画祭の規模が大きすぎて想像がつきませんが、とても光栄なことで、とにかく楽しみたいと思っています。舞台挨拶では鈴川さんと一緒に、映画を楽しんでつくったエピソードや、今回オリジナル作品で観客の皆さんも未知数な部分があると思いますので、少しでもリラックスして観ていただきたい、というお話ができたらと思っています」と期待を寄せている。
また鈴川は「オーディションから始まり、監督やキャスト、沢山のスタッフさんが一丸となって作り上げた『きみの色』が釜山国際映画祭で上映されることがとても光栄です。また私自身初めての映画祭に監督と登壇できること心から嬉しく思います。国境を越え、観た人に感動や勇気を与えてくれるアニメーションの力は素晴らしいものだと改めて感じています。全世界の方に『きみの色』の鮮やかで美しい色と音楽をお届けできる日を楽しみにしています」と映画祭参加への喜びをコメントしている。
『きみの色』は全国で公開中
監督:山田尚子
声の出演:鈴川紗由、髙石あかり、木戸大聖、やす子、悠木碧、寿美菜子、戸田恵子、新垣結衣
配給:東宝
©2024「きみの色」製作委員会